リアルジャパン7・2後楽園ホール大会見どころ解説~2014年下半期の戦いがスタート!

 7月2日(水)、リアルジャパンプロレス『DIG UP~発掘~』後楽園ホール大会が開催される。何と言っても注目なのは、ダブルメインイベントのひとつとして行われる初代タイガーマスク&船木誠勝vs藤原喜明&グレート・タイガーの一戦だ。船木と藤原がリング上で23年ぶりに“再会”する。

見所①■藤原と船木の間にある数奇な運命・・・。
<第6試合 ダブルメイベント2 タッグマッチ 60分1本勝負>
初代タイガーマスク(RJPW)、船木誠勝(WRESTLE-1)
vs.
藤原喜明(藤原組)、グレート・タイガー(国籍不明)
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 船木は新日本プロレスに入門後、藤原に師事。船木が歩む方向性を作った存在が藤原と言える。その後、船木はまるで藤原の後を追うように、新生UWF、プロフェッショナルレスリング藤原組でも行動を共にした。91年7月に藤原組初のビッグマッチ 東京ベイNKホール大会で2人は激突。打撃で攻め立てた船木だったが、最後は藤原が腹固めで逆転勝利を収めている。しかし、これが最後の対戦となる。

 翌年、師弟関係の間に変化が起こった。総合格闘技志向が強まった船木は1992年12月に鈴木みのるらとともに藤原組を離脱し、翌年パンクラスを設立。両者は袂を分かつ形となった。

 船木はパンクラスのエースとして活躍したものの、2000年に引退。12月4日に日本武道館で行われた引退セレモニーには、藤原や初代タイガーマスク佐山サトルも来場している。

 2007年、船木は総合格闘技で現役復帰。2009年8月からはプロレスラーとしての活動も再スタートさせた。藤原と同じ大会に出場する機会はあったものの、リングに並び立つことはいままで実現せず。プロレス・格闘技界の荒波の中で必死にもがいてきた船木と、弟子たちとの別れを経験しながらも、あくまで飄々と生き抜いてきた藤原が、いよいよ23年ぶりに今大会で対戦する。

 子供の頃から憧れた初代タイガーと昨年ドラディション興行にて初対戦した時は「向かい合った瞬間動けなくなった」と語っていた船木だったが、藤原との邂逅はそれ以上に大きな意味を持つ戦いになるだろう。記者会見では「23年、いろいろありましたが、またここで闘うことになったのも、これもひとつの運命と思って。一番最初に新日本に入ったときのプロレスの先生ですね。どうすればいいのか教えてもらった、そういう気持ちをもう一回思い出して、いち生徒としてぶつかっていきたいと思います」と初心に返り、真っ直ぐな気持ちで胸を借りるつもりだ。

 対する藤原はどこまでも自然体。「23年前は覚えてないですね。老化現象だと思いますけ。今朝の朝飯を食ったかも覚えてないんでね。ボケが始まってるのかと思います」と煙に巻くと、「ボクはただ一生懸命やるだけです。話がヘタなんで、とにかく一生懸命やりたい。昔の船木とは違いますんで、頑張りたいと思います」と淡々と語っている。

 当然、この試合で一番の注目は藤原と船木の絡み。実際に対峙した時に両者はどんな表情を見せるのか。そして、どんな攻防を繰り広げるのか。興味は尽きない。特にグラウンド戦は見逃せない場面になるだろう。

見所②■初代タイガーと藤原の因縁が再燃する可能性も…。
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マット界舞台裏5月22日号WWE暴落IGF/TNA横アリ不安藤波還暦G小鹿金網Pan映画Wマクダニエル
 また、初代タイガーと藤原の間にあるライバル関係も船木の存在に触発されて再燃する可能性がある。藤原が胃がんから復帰を果たした2008年12月18日の昭和プロレス後楽園大会で両者は一騎打ちを行っており、その時は初代タイガーがレフェリーストップで勝利している。弟子との再会でスイッチの入った藤原が、初代タイガーに鬼の牙をむく、ということもありえるかもしれない。
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 初代タイガーと船木のタッグは、昨年の9・28リアルジャパン後楽園大会、今年のドラディション5・11後楽園大会に続き3度目となる。信頼関係が強く、ストロングスタイルへの思いも共通する2人のチームワークはさらに進化しているはず。そんな連係の流れに乗って、好調を維持している初代タイガーの方から藤原を挑発していく可能性もある。ある意味、この試合の鍵を握っているのは初代タイガーだと言えるだろう。

 そんな因縁からひとり外れるグレート・タイガーの存在も不気味だ。昨年末に初代タイガーを担架送りにするという衝撃的なデビューを果たしたものの、4・16代々木大会でのスーパー・タイガー戦では一方的に攻め込みながら、丸め込みでレジェンド王座奪取に失敗しており、フラストレーションが溜まっているはず。虎視眈々と主役取りを狙っているはず。全ての絡みに意味のある試合になりそうだ。

見所③■“2つの勝負” スーパー・タイガーが戦う「ライバルたち」と「内なる敵」。
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<第5試合 ダブルメイベント1 6人タッグマッチ 60分1本勝負>
藤波辰爾(ドラディション)、長州力(リキプロ)、スーパー・タイガー(第7代レジェンド王者/RJPW)
vs.
高岩竜一(フリー)、タカ・クノウ(チーム太田章)、関本大介(大日本プロレス)

 そして、もう一方のダブルメインイベント、藤波辰爾&長州力&スーパー・タイガーvs高岩竜一&タカ・クノウ&関本大介の6人タッグマッチは、下半期のリアルジャパンマットを占う上で重要な試合になる。

 リアルジャパンマットを担う存在にまで成長したS・タイガーにとって、この試合には2つの勝負がある。1つ目は当然、「ライバルたちとの戦い」だ。レジェンド王座を保持しているだけに、相手チームの3人は次期挑戦者候補にあたる。

 特に関本に対してはこれまでの何度か名指しで対戦を熱望しており、2人のファイトからは目が離せない。また、昨年の12・12後楽園大会で名勝負を展開したクノウとの絡みも見物。一騎打ち直後にS・タイガーは「初代スーパー・タイガーと藤原組長の試合に少しでも近づけたとしたら嬉しい」と語っており、同日に実現するであろう初代タイガーvs藤原との間接的な勝負として見ても面白いかもしれない。

 そして、S・タイガーに課せられた2つ目の勝負は、「パートナーであるレジェンド選手たちとの戦い」になる。リアルジャパンのファン層は幅広く、昔からプロレスを応援してきた古参マニアも多い。いくらS・タイガーが現在進行形の戦いをライバルたちと繰り広げようと、ファンの視線は藤波と長州に集中してしまうのは否めないだろう。

 それをどこまで自分に引き寄せられるのか。最近はプロレスリング・ノアや大日本プロレス、ハードヒット、U-FILE等に参戦し、以前から求めている他団体勢との戦いに向け着実に歩みを進めているS・タイガーだが、ホームリングであるリアルジャパンでは4・16代々木大会で骨折負傷中とはいえ、消化不良のファイトを見せてしまい、ファンを心配させてしまった。その禊ぎをキッチリと果たし、下半期の飛躍に繋げたいところだ!

見所④■“鈴木対決”の裏テーマは間下隼人のケンカファイト!
<第4試合 タッグマッチ 30分1本勝負>
鈴木みのる(パンクラスMISSION)、齊藤彰俊(プロレスリング・ノア)
vs.
鈴木秀樹(初参戦/フリー)、間下隼人(RJPW)

 ダブルメインイベント以外にも気になる対戦カードが出揃った。

 第4試合の鈴木みのる&齋藤彰俊vs鈴木秀樹&間下隼人のタッグマッチは大会名の『DIG UP~発掘~』が最も相応しい対戦カードだろう。

 IGF離脱後も、ZERO1や全日本プロレスで確かな存在感を発揮している鈴木秀樹はリアルジャパン初参戦となる。そのファイトスタイルや師匠たちの名前を見ても、“ストロングスタイルの復興”を目指すリアルジャパンにピッタリなレスラーであることは間違いない。毎回リアルジャパンプロレス興行では客席から観戦しており、以前よりリアルジャパンマットへの参戦を熱望していただけに本人の気合も十分。初代タイガーやS・タイガーの対戦相手としても面白い存在になることは確実だ。

 ただ、相手チームが鈴木みのる&齋藤になるだけに、“顔見せ”で終わるはずがない。当然、「みのる」は初対決となる「秀樹」を“鈴木は2人もいらない”とばかりに叩き潰しにいくはず。「秀樹」も先輩の圧力に引くようなタイプではないだけに、感情のぶつけ合いになることは確実。ファイトスタイルから見ると共通点も多いだけに、クラシカルなテクニック勝負にも注目したいところ。

 プロレスリング・ノアに再入団を果たしたばかりの齋藤はリアルジャパンマット参戦2戦目で鈴木みのると初タッグを結成する。前回の4・16代々木大会では、メインイベントで初代タイガーと一騎打ちを行い、好勝負を奏でた。絶好調をキープしており、空手家時代から磨きを掛けてきたその牙も鋭さを増している。「みのる」とのチームワーク、そして「秀樹」との初激突も見物だ。

 そして、この試合の裏テーマと言えるのが“虎の子”間下の存在だろう。他団体に参戦する機会も増え、着実に成長している間下だが、リアルジャパンのファンが求めるラインはもっと高い。先輩のS・タイガーが大きく成長を遂げたキッカケのひとつは鈴木みのるとの因縁だった。鈴木対決に割って入り、相手チームの視線を自分に集めるほどの“ケンカファイト”を見せてほしいところだ。

見所⑤■“力道山3世”力、“喧嘩師”我龍真悟のリアルジャパン2戦目など前半カードも凄いぞ!
<第3試合 タッグマッチ 30分1本勝負>
アレクサンダー大塚(AO/DC)、我龍真悟(フリー)
vs.
小笠原和彦(PRO・KARATE押忍闘夢)、佐藤光留(パンクラスMISSION)
 第3試合には4・16代々木大会でプロレスデビューを果たした元キックボクサーの我龍真悟が登場。アレクサンダー大塚とのタッグで、小笠原和彦&佐藤光留組と対戦する。

 デビュー戦では大塚&柴田正人の力技に大苦戦した我龍だったが、今回は自分の持ち味を出しやすいはず。空手家・小笠原との蹴り合いや、デビュー戦のパートナーだった佐藤との関節技合戦で自分の魅力を存分に披露したいところ。

 だが、レジェンド王座戦線を見据える大塚や佐藤、そして自らのアピールでリアルジャパン参戦を果たした小笠原たちも美味しいところを取らせるつもりはさらさらないはず。前半戦にはもったいない刺激的な戦いを見せてくれそうだ。

<第2試合 タッグマッチ 30分1本勝負>
折原昌夫(メビウス)、“力道山3世”力(リキエンタープライズ)
vs.
グラン浜田(フリー)、柴田正人(U-FILE CAMP)
 第2試合は“力道山三世”力と折原の師弟コンビがグラン浜田&柴田正人と対戦するタッグマッチ。4・16代々木大会にも参戦し、セイバーチョップを披露してリアルジャパンファンを沸かせた力が2大会連続で出場する。

 前回は父・百田光雄がパートナーに付いたが、今回は鬼教官・折原のみ。ましてやテクニシャン・浜田と巨漢ファイター・柴田が相手となるだけに、苦しい戦いが予想される。デビューから半年が過ぎ、次なるステップに進みたい力としては、父親が横にいない時こそ結果を出したいところだが…。

<第1試合 シングルマッチ 30分1本勝負>
スーパー・ライダー(RJPW)
vs.
若翔洋(Yamaishi Pictures)
 第1試合は若翔洋とスーパー・ライダーの一騎打ち。普段はリアルジャパンの門番として若手や他団体の選手に胸を貸すことが多いライダーにとって、巨漢ファイターとの対戦は久しぶりのこと。蹴りと関節技で崩していきたいところだが、若翔洋も引かないだろう。なかなか結果が出せない若翔洋だが、レスラーとしては進化を遂げているだけに、ここで門番を下してトップ戦線に浮上する青写真を描いているはず。オープニングマッチにはもったいない好勝負が期待できそう。

 見逃せない全6試合が並んだ後楽園大会。まだまだジメジメした梅雨が続いているが、そんな鬱積した空気を吹き飛ばすほどの熱い戦いが展開されるだろう!
(構成・文:村上謙三久)
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■ 初代タイガーマスク リアルジャパンプロレス DIG UP~発掘~
日時:7月2日(水)開場/17時30分 試合開始/18時30分 
会場:後楽園ホール
席種・料金:VIP席:12,000円(特典付)/RS席:8.000円 /A席:6.000円 /B席:5.000円主催:有限会社リアルジャパン、リアルジャパンプロレス、掣圏真陰流本部 興義館
お問合せ:KIAI PROJECTリアルジャパン事務局 03(3833)3662
7・2リアルジャパン『DIG UP~発掘~』鈴木秀樹初登場、“力道山3世”力、我龍真悟、小笠原和彦連続参戦
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