8・28(日)新日本キック『WINNERS 2016 3st』ディファ有明大会へ向けての内田、瀧澤、麗也インタビュー

セミファイナル 日泰国際戦59K契約3分5R
内田雅之(元日本フェザー級王者・現同級2位/藤本)vs チャオ・ロゲート(元泰国ルンピニースタジアム認定フライ級王者/タイ)

――5月のデンサイアム・ウィラサクレック戦ではヒジによるカットでTKO負けでした。頑丈な内田選手がTKO負けするのは、2007年7月8日のチョンブートン・ゲニワット戦以来、約9年ぶりでした。
内田 うまくやられてしまいました。凄く悔しい負けだったので反省し、今回の試合に向けてタイ人対策を準備してきました。

――TKO負けというのは、判定で負けた時よりも悔しさは違いますか?
内田 色々な負け方がありますが、やはり悔しいです。全部出し切らないまま、自分がやりたいことをやらせてもらえないうちに切られて負けてしまいました。恨みを今回ぶつけようと思います。

――再びタイ人選手との対戦が決まりました。チャオ・ロゲート選手についてはどういう印象を持っていますか?
内田 6月に森井洋介選手とやった試合映像を見て、自分なりに対策は練ってます。いつも相手の映像は一回見るだけで、ああ、こういうタイプなんだなと思うぐらいです。

――森井選手が5Rフルに手数を出しても、チャオ選手はひたすら前に出続けた試合でした。
内田 防御がうまいですね。自分は自分なりの戦いをして仕留めようと思います。自分の戦いが出来れば自ずと結果は出るので、そこに集中しています。

――前回の試合から練習で強化してきたことはありますか。
内田 これだ!という自分の武器が明確になったので、それを貫き通して、その技をどのタイミングで出すのか、崩してどう出すのかを考えてます。

――昨年10月大会では重森陽太に敗れ、日本フェザー級タイトルマッチで5度目の防衛に失敗しました。今後はどういう目標がありますか。
内田 重森選手へのリベンジ、打倒ムエタイのテーマもあります。今二連敗しているので、次は負けられないので倒しにいきます。倒しにいって、いい結果にしようと思います。

――最近のキック界もそうですが、新日本キックでも若い選手の活躍が目立っています。ベテランの内田選手としては何を見せていきたいですか?
内田 2004年にデビューして、それだけ自分は経験を積んできたのでそこで勝負していきたいですね。自分はそこしかないと思います。今自分は38歳で周りはどう思っているかはわかりませんが、年齢は問題ではないと思います。もちろん、一般的に考えれば20代と比べたら30代は衰えていくものです。でも自分が格闘技を始めたのは23歳、そして24歳ぐらいのときにプロデビューし、格闘技年齢的にはまだいける感覚があります。

――強くなっている感覚もありますか?
内田 まだ伸び代があって、ここを修正していけば強くなるという自信があります。今まで自分は“うまくて強い”選手になりたいと思ってましたが、タイトルを失って前回も負けたことで“強くてうまい”選手になりたいと感じるようになりました。今は強ウマを目指して頑張っています。これからは一試合一試合大事に進化しながら戦っていこうと思います。

メインイベント 日泰国際戦54K契約3分5R
瀧澤博人(日本バンタム級王者/ビクトリー)vs ヨーブアデン・ソーシリラック(元泰国ラジャダムナンスタジアム認定ライトフライ級王者/タイ)
takizawa thai
――試合が近づいてきましたが、現在はどういう心境ですか?
瀧澤 やれることを全てやってきたので今は楽しみしかありません。今回の相手はラジャダムナンスタジアムの元チャンピオンです。僕たちビクトリージムは本物にどんどん挑んでいくジムなので、八木沼広政会長、そしてジムの評価を上げるときが来たなという感じです。

――今回の試合に向けて強化してきたことはありますか?
瀧澤 6月半ばから6月末までタイに行き、チュワタナジムとサシプラパージムの二カ所で練習させていただきました。自分の成長のバロメーターを確認するのももちろんですが、タイ人に勝つためにどうしたらいいのかを徹底的に学んできたので“打倒ムエタイ”に向けて自分の力を試す一戦になるんじゃないかと思います。僕がムエタイに勝つところを見て欲しいですね。

――タイ修行で一番自信の付いたところはどこでしょうか。
瀧澤 自分がタイ人よりも優れている部分とタイ人が自分よりも優れてる部分が明確に出ました。倒ムエタイに向けての戦い方を徹底的に身体に覚えさせることができれば、ムエタイを倒すことは不可能ではないことを確信を持って帰ってくることが出来ましたね。

――前戦を振り返ってもらいたいのですが、5月の日本バンタム級タイトル2度目の防衛戦では勝岡健選手を跳びヒザ蹴りで見事にKOしました。
瀧澤 僕は正直日本人に興味がありません。日本人で僕を脅かせるような存在だったり、打倒ムエタイに向けて世界で活躍してるような選手が僕と同階級に出てきてくれるのであれば、日本人とやる機会があってもいいかなと思うのですが、そういう選手は今のところいません。日本人に勝つのは当たり前という気持ちだったのでKO勝ちは自信になったとは思えませんでしたし、正直、防衛戦で勝利したことは嬉しくありませんでした。すぐにタイ人との試合に向けて休まず練習に取り組んできました。

――ご自身にとっては、その前の1月のバカイペット・ニッテイサムイ戦でTKO負けしたことが大きかったですか?
瀧澤 そうですね。バカイペット選手はタイ人のトップ選手です。負けはしましたが、戦ってみてこれから2年間本気でやればこの選手に勝てるという確信が出来ました。僕にとってはバカイペットが全てではありませんが、リベンジする機会があればすぐにでもやりたい気持ちはありますし、次は絶対に勝ちます。悔しさの原動力はあの試合から得られたのだと思います。

――今回の試合でお客さんにはどういうところを見てもらいたいですか?
瀧澤 今大会の対戦カードを見てもらえればわかりますが、青コーナーの選手の中で自分の相手のタイ人が一番強いというのをみんなわかってると思います。そこで僕がキッチリと倒して他の日本人選手とはレベル、格の違いを見せ付けようと思います。

――ここ数カ月、新日本キックの王者勢は毎月ラジャダムナンスタジアムに出撃しています。瀧澤選手も近いうち、乗り込んでみたいという気持ちはありますか?
瀧澤 チャンスがあればいつでも挑戦したいと思っています。でも周りが認めてくれないのであれば、認めてもらえるまで自分の実力を証明していくしかないと思っています。正直、他の日本人選手は勝てそうなタイ人を呼んできて、勝てる試合しかしてないと思っています。僕はさらさらそういう試合をやる気はありません。自分よりも強い選手、もしくは僕を脅かしてくれるんじゃないかと思える相手としかやるモチベーションはありません。強い相手が僕の前に立ちはだかるのであれば、いつでもやるつもりでいます。

――今後の活躍が楽しみです。瀧澤選手は“歌うキックボクサー”としても注目を集めていますが、現在もバンドの方は活動されているのでしょうか。
瀧澤 定期的にライブ活動はしているのですが、僕的には“歌うキックボクサー”というのを前面に出してるわけではありません。瀧澤博人という人間をどう表現できるか、試合、練習で色々と感じることをどう伝えていけるか、そのアクションの中に歌があるだけなので、瀧澤博人という全体を見て欲しい気持ちはあります。

――ちなみに近いうちライブを行う予定はありますか?
瀧澤 試合が決まっているとその前後は試合に集中するようにしているので、今のところ先の予定は決まっていませんが、どんどんメッセージを発信していきたいと思います。

――最後に、会場に来てくれるファンに一言お願いします。
瀧澤 強豪タイ人が今回たくさん出てきますが、本物が戦う姿を見て欲しいと思います。僕の最終目標は、ラジャダムナン、ルンピニーのタイトルを獲った後に世界中から目標とさせる選手になることです。ラジャダムナンやルンピニーのタイトルに瀧澤なら挑戦させてもいいんじゃないか?と可能性をお見せしたいと思います。そこを楽しみにしながら応援して下さい。

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当初対戦予定だったグッサコンノーイ・ソーシリラックが盲腸で入院。試合に出場することが不可能になったため、急遽ヨードウィッタナ・シリラックムエタイと対戦することになりました。相手の情報は?

麗也  田舎のタイトルは獲っている(チョンブリ県パタヤにあるテーパシットスタジアムの元フライ級王者)という話は聞きました。試合映像も見ました。オーソドックスで右ミドルキックと右ストレートがいい。あとは組んだ時の力が強いですね。

──相性は良さそう?
麗也  あ~、ちょっと自分が好きなタイプではない。たぶん身長は170㎝くらいあるので、自分より5㎝程度は高いと思います。でも、体は細いですね。

──どんな試合展開を予想しますか?
麗也  できれば倒したい。(体型からして)ローキックやボディ攻撃は効くと思う。うまく散らしてローやボディでダメージを与えて中盤以降で倒したい。

──今回は大トリ(最終試合)での登場です。
麗也  なんか自分でいいのかなって思いますね(照れ笑い)。その一方でやるべきことはやらないといけないという使命感もある。いずれにせよ、練習は一生懸命やっています。

──現在のベスト体重は?
麗也 バンタム級がベストです。この体重が一番動きがいい。

──客観的に判断してここだけは他の選手に負けないと思う部分は?
麗也 スタミナと手数、コンビネーションは結構いいんじゃないかと思います。

──反対に課題点は?
麗也 スピードとディフェンス面の強化ですね。一発の攻撃がない分、もうちょっとスピードをつけないといけないと思っています。

(スポーツライター 布施鋼治)

対戦カード・大会概要
メインのタイ人変更も全対戦カード決定!8・28(日)新日本キック『WINNERS 2016 3st』ディファ有明大会

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