ジェームズ・ラシュトンCEO、中村俊DAZN日本社長&マネージングディレクター

　国内のスポーツ放映権料で過去最大・総額2000億円超の大型契約がサッカーＪリーグと英Perform Groupで締結されたという衝撃のニュースが流れたのが7月20日のこと。金額のバカでかさの影響が未だ冷めやらぬ8月23日、東京・汐留のコンラッド東京にて、「100%スポーツに特化した」DAZNダ・ゾーンの配信サービス開始を告げる記者会見が開催され、広い会見場が報道陣で満杯になったことがニュースの重要度を物語る。
週刊ファイト7月28日号G1開幕UFC薬物WWE価格破壊興行ミルコRIZIN大怪獣BattleAid

　やはり目玉はサッカーＪリーグだ。いわゆるJ1、J2、J3の全試合中継を2017年から配信するという。10年契約は現契約の約７倍額、ソフトバンクとNTTのキャリア争奪戦が高騰の理由であり、スマホ料金値下げの社会風潮もあって、キャリア会社は新たな収益源をこうしたネット配信コンテンツに賭けているようだ。また、ブンダスリーグ、セリエA他、欧州のプロ・サッカーも楽しめる。米国メジャーリーグやNFL、NBAもリストにあり、国内プロ野球では横浜ベイスターズと、広島カープのホーム試合は全試合配信のリストに入っている。
UFCは「その他のスポーツ」扱いだったが、まぁしょうがないかも。

　ファイト業界にとってはUFCのナンバーシリーズ、ファイトナイト、FOXイベントなどの全試合を2年間、独占配信するとのこと。すでに『UFC 202』も日本語の実況・解説（西達彦氏&宇野薫）付きでプログラムに入っている。CMナシで、ゴールの瞬間を再生することも可能なら、スマホからタブレット、ネット接続されたいわゆるスマートテレビまで、全部で６つのディバイスを登録可能で、同時に２つまでストリーミング可能な点が大きい。わかりやすいファイト業界の比較では、「新日ワールド999円」はテレビには対応していないから、大きなテレビで見れないなら嫌という方にも、こちらは差別化されていることになる。

DAZNダ・ゾーン月額1750円+税

　会見は、ウラを探りたいジャーナリストには肩透かしだった。英国本社の方針で共通らしいが、現在の加入者数なり、日本での1年目の目標数値など、数字に関する質問は「公表してない」とのこと。また、ソフトバンクなど競合他社についても「競争相手については答えない」「共存共栄でいく」と述べるにとどまっている。但し、NTTと長期の販売パートナーであることは説明不要になろう。
「政府は2025年までにスポーツ市場の規模を現在の3倍になる15兆円市場にする」と力説する中村俊マネージングディレクター

会見の全容と考察は週刊ファイト9月1日号UFC配信DAZN五輪Tファンク夏WWE長瀬館長ミャンマー紅闘志也に収録されました。

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