古い話で誠に恐縮ですが、昨年末のGLORY13でリコ・ベホーベンと感動的な引退試合を行ったピーター・アーツのことについて今週は触れることにします。GLORY13前後の本人のインタビューからすでに「私は本当は引退したくなかったけど、GLORYに引退させられた」と発言し、波紋を呼んでいるようですが、いったいどうなっているのか？ 僕自身が「ピーター引退」もあって一夜限りのプロデュースをお手伝いしたこともあって、まるで僕が仕掛けたかのように思っている関係者もいるようですが、とんでもありません。

　一部ではステファニー・マクマホンの生中継番組での逮捕が本当の事件なんだそうだ。やはり無料のネット情報で事足りると思っていたら大変な恥をかくことになる。大人のファンを育てる努力を怠り、判断力のないサイトの氾濫がマット界地盤沈下の一因となった。
　経済誌『フォーブス』最新号によると、6月までの年間にて男優で世界最高額を稼いだ一位がロバート・ダウニーjr の7500万ドル、二位がロック様ドゥエイン・ジョンソンの5200万ドル、以下ブラッド・クーパー、レオナルド・デカプリオと続くのだが、映画『ヘラクレス』の公開を前にして邦貨にして50億円以上の年収総額というのは凄すぎる。ましてこの額にはWWEからの収入は含まれてない。この一年試合こそしてないが、『レッスルマニア』の顔見世だけでも億円単位のギャラである。さて…

　「エッ!?　彼（新日プロを）辞めちゃったの？　それじゃ日本に来た意味がない。俺、どうすればいいんだ！」初代タイガーマスクの新日プロ退団を知らないまま83年10月の『闘魂シリーズ』に初来日したエディ・ギルバートはそう呟いた。前年暮れにWWFマットで初代タイガーと4回対戦し、華麗なマットさばきにすっかり魅了されていたギルバートの来日目的は初代タイガーとの再戦および再会。出来ることなら弟子入りしたいとまで考えていた彼ほど初代タイガーをリスペクトした外国人レスラーはいなかった。

　本誌6月26日号に参戦、好評を得た大阪経済大学経営学部 ビジネス法学科の井形浩冶教授が、今度は「ショーマンシップ」についての論文を引っ提げて帰ってきた。ショーマンシップ(showmanship)は、「見物客を喜ばせようとする芸人としての心掛け」と訳されている。
　プロレスラーは、「強く」なければならない。何のために？ その「強い＝攻撃する＝勝つプロレスラーを見に来る」～観客・ファンが求めるからである。また一方で、彼らは「弱く」なければならない。何のために？　その「弱い＝攻撃される＝負けるプロレスラーを見に来る」～観客・ファンが求めるからである。プロレスラーは、２人だけではない。３人目は、その「中間」である。いや、１人のプロレスラーの中に、「強さ」と「弱さ」を同時に求める。
　プロレスラーは、それらを併せもった考え方として「ショーマンシップ」を重視する。そのスキルは、彼ら全員に必然的に求められる。さて・・・。

　海の日7月21日、大田区体育館で『DEEP CAGE IMPACT 2014～ミスターメガトン誠悟引退興行～』が開催され、主役の誠悟は2R3分25秒、セコンドからのタオル投入によって介錯人・中村和裕の打撃連打の前に沈んだ。
　但し、驚きだったのはキング・カズこと中村和裕もまた、12月21日に予定されるミドル級王座防衛戦で引退すると発表したことだ。この大会をオープニングファイト2試合から全試合をグラフ再現。貴重なドキュメントとなっている。

　国が認める唯一のキックボクシング団体である7・20新日本キック協会『MAGNUM 35』後楽園ホール大会を現役キックボクサーでもあるインサイダー、紅闘志也記者が大特集した。打倒ムエタイを旗印に揚げる新日本キック協会らしく、メインでは双子のチャンピオン弟・江幡塁が現役ムエタイ王者に挑んだがその結末はいかに？この記事を読むしかない。

　7月21日「WRESTLE-1 TOUR 2014 After The IMPACT」最終戦、後楽園ホールはWRESTLE-1 の真価が問われる大会であった。6日には両国でTNAからの豪華外国人レスラーを多数呼んでタイトル戦ラッシュを打ち出し、注目されたが、今回はそういった派手な仕掛け無しでどこまでいけるのか。
　W-1に入団した元WNCとの対抗戦、ZERO1との連係で〝火祭り〟の公式戦、更に混沌とするエース争い、KAIに代わって征矢学がメインに登場しデスペラードと対決・・・そんな中で、デビュー30周年に向けた武藤敬司、佐藤耕平を破り世界王者となった船木誠勝など、ベテラン勢の存在感が圧倒的であった。
　日本人主体のマッチメークで存分に楽しませ、WRESTLE-1の今後に注目だ。この回こそ、詳細版を問える電子書籍の真価が問われる。

　猫の進化論、新田猫子とアイスリボンの絶対王者藤本つかさとの試合は関節技の掛け合いなど男子顔負けの白熱した試合に。超満員のラジアントホールにアイスリボンの勢いを見た。7月21日、アイスリボン横浜大会 『横浜リボン2014・夏』の全容と詳細をレポート！

　開幕戦より、大波乱続きの〝火祭り〟試合も中盤を迎え、益々、混沌としてきた。そんなZERO1〝火祭り2014〟の7月23日新木場大会レポートが緊急入稿された。

　誰が何と言おうが、やはり猪木は凄い！現在は北朝鮮での〝平和の祭典〟開催へ向け、世間を騒がせているが、猪木が動き出すと、とどまるところを知らない。
　ゴールデンウィークのパキスタン・フェスティバル登場に続き、今回はブラジル。猪木とブラジルとの関係については『マット界舞台裏』の読者に、今さら説明する必要もないが、世界を股に賭けて大活躍する猪木。そんな猪木が、今回はリラックスムードでブラジルフェスティバルに登場した。

＜今週の見出し＞
▼谷川貞治の『プチ格闘技通信』第７回
　ピーター・アーツは本当に引退したのか？
　その問題にお答えします！

▼ピーター・アーツ　アンディ・フグの墓参り！貴重な写真集

▼悲壮運命の翼を背負う古兵が贖罪の化身となりて魂を救う？
　ロック様映画収入50億円＋とWWEネットワークの不振
　by タダシ☆タナカ

▼スーパー外国人列伝　第43回　エディ・ギルバート
　タイガーマスクのような選手になりたい
　それが21歳の若者の夢だった！
　by 井上譲二

▼エディ・ギルバート&タイガーマスク貴重写真と知られざる逸話

▼ショーマンシップはプロレスだけの専有物か、人類の知的資産か？
　by大阪経済大学　経営学部 ビジネス法学科教授 井形浩冶

＜イベント/会見取材+コラム/資料+連載/海外情報局＞

▼7・21DEEP CAGE大田区体育館～ミスターメガトン誠悟引退興行～
　Photo by永井鋭次 構成：編集部
・中村和裕12・21ミドル級王座防衛戦で引退示唆、ボコボコ誠悟
・白井祐矢2-1で岡野裕城を下し次期ウェルター級挑戦者x悠太
・アン・チャンリュル受け身失敗右肩負傷、井上俊介投げ技一本
・投げる石司晃一2Rチョークスリーパーで小林博幸に完勝
・公武堂ファイトの加藤直之pitbull小林聖人の顔面ボコボコに

▼7・20新日本キック協会『MAGNUM 35』後楽園ホール大会
　Photo & Text by 紅闘志也
・双子のチャンピオン弟・江幡塁、元ムエタイ王者に完勝！
・他団体王者クラスとの対戦も視野に！
・緑川創返上後の新日本ウェルター級王座決定戦！
・大塚隼人vs.渡辺健司 1勝1敗2分の決着戦！
・久々実戦のイソラサックは新日本トップランカーに判定勝ち！
・栄基vs.松岡力今大会日本人同士の対決では一番テクニカルな戦い

▼征矢学デスペラード軍門に下る！エース真田聖也不在7・21W-1
　自称エースKAI〝火祭り〟先ずは1勝！W-1vs.WNC抗争激化！
　レジェンド・コンビ武藤敬司&船木誠勝がW-1の牙城を守る
　Photo & Text by斉藤雅治Fb.ワールド・レスリング・アライアンス
・ZERO1ブランド〝火祭り〟W-1リングで負けられないKAI-崔領二
・W-1vs.WNC030周年に向け武藤敬司が満身創痍のSウィザード
・意地のぶつかり合いWNC軍が対抗戦2連勝児玉裕輔x中之上靖文
・W-1イケメンの世界に染まる・・対抗戦WNC軍が先制！
　土肥孝司&黒潮二郎&藤原ライオンxAウー&稲葉大樹&村瀬広樹
・カズハヤシ復帰戦 近藤修司キングコング斧爆弾SAKAMOTO炸裂
・大和ヒロシ試合度外視ハッスル！高山善廣浜亮太ヘビー激突

▼7・21アイスリボン横浜大会噂の寿ゆり 藤本つかさ8度目防衛成功
　Photo & Text by いっせい
・元大阪プロレスの吉野恵悟レフリーの突っ込みが冴えるタッグ戦
　くるみ&小林萌香x内藤メアリ&藤田あかね
・ギャル系レスラー寿ゆりパラパラダンス披露xぶっちゃーず&神田
・つくしラビット美兎の春兎Teens向けて気合満々x真琴希月あおい
・高校生レスラー優華の挑戦w/紫雷美央x成宮真希&世羅りさ防衛
・アイスリボンの絶対王者藤本つかさに猫が挑むICEx∞選手権

▼〝火祭り〟大混戦！デーモン植田が大谷晋二郎を〝毒霧祭り〟
　鈴木秀樹がWRESTLE-1自称エース・KAIを破る！7・23ZERO1
　Photo & Text by斉藤雅治Fb.ワールド・レスリング・アライアンス
・必殺ダブルアーム炸裂！鈴木秀樹〝火祭り〟首の皮一枚繋がる
・ZERO1大日本最強連合ツインタワーズにも悪の副社長電気ドリル
・田中将斗の厳しい洗礼！スライディングDで沈む！横山佳和
・崔領二のタマ・ウィリアムス退治！それでも怪物は強かった・・
・ZERO1軍がW-1選抜チームを撃破！ショーンキャプチャー炸裂
・〝火祭り〟参加選手以外の闘い！YASSHIナイスジャマイカ！

▼猪木が今年も代々木にやって来た！ブラジルフェスティバル
　Photo & Text by斉藤雅治Fb.ワールド・レスリング・アライアンス
・アントニオ猪木登場「元気ですか?っ！
・本当はワールドカップに招待されていた・・
・世界平和の為に寝ないで頑張ります！

▼タブー満載企画【海外情報局251】
WWEトリプルHがプランC選択！UFC小谷直之、無念の完敗
・Jシナ王座防衛も酷評波紋WWE配信大会『バトルグラウンド』
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・ROHケビン・スティーン壮行試合！有終の美でWWEへ巣立つ
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