リアルジャパンプロレス9・28(土)後楽園ホール大会 全試合見所解説!初代タイガーマスク&船木誠勝vsAKIRA&長井満也に潜む”運命”とは?

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 9月28日(土)に東京・後楽園ホールで開催されるリアルジャパンプロレス『超ストロングスタイル』が目前に迫ってきた。全対戦カードが出揃い、話題を集めている。
(構成・文:村上謙三久)
 まず目を引くのが、メインイベントで行われる初代タイガーマスク&船木誠勝vs長井満也&AKIRAの一戦だろう。船木にとって今回がリアルジャパン初参戦となる。
<メインイベント タッグマッチ60分1本勝負>
初代タイガーマスク(リアルジャパン)&船木誠勝(WRESTLE-1)
vs.
AKIRA(Wrestling New Classic)&長井満也(ドラディション)
 船木とリアルジャパンの間には不思議な縁がある。船木は2004年公開の映画『真説タイガーマスク』にタイガーマスク役で出演した際、初代タイガーから技術指導を受けている。その縁があって、2005年3月のリアルジャパン旗揚げ会見に出席していたのだ。あれから8年……。このタイミングで初参戦するのは何かの“運命”なのかもしれない。そのぐらい船木と初代タイガーの初タッグ結成には大きな意味がある。
 船木にとって初代タイガーは憧れの存在であり、プロレスラーを志すキッカケになった選手だ。中学生時代、地元・青森で雪が積もると、校舎の2階から外の雪目掛けて空中殺法の練習をしていた経験があるという。新日本プロレスに入門した時点で初代タイガーは離脱していたが、「自分が2代目になりたい」と思うほどタイガーマスクという存在に心酔していた。それだけに、今回のタッグ結成は「同じ空間にいること自体が夢みたいな感じ」と実感が湧かない様子。「プロレスに復帰して良かった」とまで語っていた。
 今年の5月29日、ドラディション後楽園ホール大会でタッグながら初対決が実現(対戦カードは藤波辰爾&初代タイガーvs船木&AKIRA)。 本来であれば「次はシングルで」という見方がされるが、船木は「正直、触れられないんですよ。自分もキャリアが長い方なんですけど、それでも初心に戻っちゃうというか。向かい合った瞬間、動けないんですよね」と今後の対戦について否定している。
 記者会見の席で何度も「別格」という言葉で初代タイガーを称えていたが、改めて試合で肌を合わせたことで憧れの気持ちを強くしたようだ。初参戦の船木が主役になってもおかしくないところだが、船木は「サポートに徹する」と明言している。憧れと思い入れの気持ちが強い分、タッグでサポートするというスタンスが一番しっくり来るようだ。
 8月は体のオーバーホールに徹し、しっかりと体調を整えてきた。そして、新団体・WRESTLE-1の9月旗揚げシリーズも乗り越え、試合勘も戻った。まさに万全の状態で、船木は初代タイガーとのタッグという「夢」に臨む。新団体が始動した直後の、一番いいタイミングでタッグ結成が実現するのは“運命的”だ。果たしてどんなチームワークを見せるのか? 連係攻撃は飛び出すのか? 船木の表情などにも注目しながら、2人のタッグを見守ってもらいたい。
 対戦相手のAKIRA&長井という存在も興味深い。AKIRAと船木は新日本時代の同期。若手時代はタッグを組み、当時新日本に参戦していた(旧)UWFの中野龍雄&安生洋二組と毎日のように激突していた。2人は近年でもタッグを何度か組んでおり、互いの手の内を知り尽くした仲でもある。
 初代タイガーとも対戦経験があるだけに、当然何らかの作戦を立ててくるのは確実。初代タイガーが「ダイナマイト・キッドと戦っている時のような気持ちよさを感じる」とかつてのライバルの名を出してまで絶賛するAKIRAが、この試合の鍵を握ることになるだろう。
 そのAKIRAにとって長井はとても心強いパートナーだろう。長井は元レジェンドチャンピオンシップ王者で、リアルジャパンの常連選手。その確かな技術と実力は初代タイガーも「ストロングスタイルができる選手で、一番の注目株」と高く評価している。
 その長井と船木はかつて“同じ釜の飯を食っていた仲間”だった時期がある。新生UWFの末期に長井が同団体に入門した時、次代のスター候補として注目を集め始めていた船木がガッチリと握手してくれたことを今でも覚えているという。プロレスから格闘技のリングに活路を求め、再びプロレスに戻ってきた2人の歩みには共通点が多い。そんな長井と船木が初対面から24年の時を経て初対決を果たすのも「運命的」だ。2人の蹴撃戦を期待したい。
 そして、一番強調しておきたいのは、船木、AKIRA、長井という実力者とともにリングに上がる初代タイガーが「どんなファイトを見せてくれるか?」という点だ。『ストロングスタイルの復興』を旗印に激しい戦いを繰り広げてきた初代タイガーだが、近年の試合の中で、特に今回のタッグマッチは本人が想い描く『ストロングスタイル』が体現できる試合になるはず。もしかすると、ここまで説明してきた選手たちの因縁や関係が一切吹き飛ぶような『超ストロングスタイル』な戦いになるかもしれない。
 メインイベントが『現在進行形のストロングスタイル』を見せるとするなら、セミファイナルは『未来のストロングスタイル』を表す試合になるだろう。藤波辰爾&タイガー・シャークvs長州力&スーパー・タイガーの一戦は、メインに負けないほどの意味を持つ試合だ。
<セミファイナル 60分1本勝負>
藤波辰爾(ドラディション)&タイガー・シャーク(RJPW)
vs.
長州 力(リキプロ)&スーパー・タイガー(RJPW/第7代レジェンド王者)
 これまで数々の『名勝負数え歌』を重ねてきた藤波と長州が対峙すれば、自然とそちらに注目が集まるが、そこに、シャークとスーパーが加わることで大きな変化が起きる。
 これまでの2人は、リアルジャパンマットでもそれぞれ別の戦いを繰り広げてきた。シャークはジュニア戦線で、スーパーはレジェンドチャンピオンシップ戦線で戦っており、交錯することはなかった。しかし、8月25日に西調布格闘技アリーナで開催された『BREAVE HEART.2』でタッグマッチながら久々に激突。激しい蹴り合いを展開し、改めてこの2人は“ライバル”であることを知らしめた。
 その流れを受けて、今度はリアルジャパン本戦でも対戦することに。この一戦はシャークとスーパーの「ライバル闘争」であるのと同時に、藤波vs長州という「“名勝負数え歌”との戦い」でもある。ベテラン2人の攻防は一瞬にして観客の視線を集中させ、場内のムードを一変させるほどのパワーを生み出すが、それに負けない戦いをシャークとスーパーが披露することができるのか? これがこの試合が持つ大きなテーマと言えるだろう。もしそれを成し遂げることができれば、『未来のストロングスタイル』が見えてくるはず。そして、初代タイガーの後継者を巡る“真のライバル関係”がスタートすることになるはずだ。
<第4試合 タッグマッチ 30分1本勝負>
アレクサンダー大塚(AODC)&若翔洋(フリー)
vs.
関本大介(大日本プロレス)&岡林裕二(大日本プロレス)
 第4試合のアレクサンダー大塚&若翔洋vs関本大介&岡林裕二も、濃厚な『ストロングスタイル』を見せてくれる試合だろう。
 関本&岡林は2011年プロレス大賞最優秀タッグチームを受賞。アジアタッグ王座を2度戴冠し、今や日本代表するタッグチームと言っても過言ではないだろう。特筆すべきは個々の実力もハイレベルだということ。関本は言わずもがなだが、岡林もメキメキと力を付けている。
 だが、ここはリアルジャパンのリングだ。元レジェンドチャンピオンシップ王者のアレクは、関本組においしいところを取らせるつもりはさらさらないだろう。このマットで身をもってストロングスタイルとは何たるかを体現してきた意地もある。パートナーの若翔洋も、少しずつこのリングに順応してきており、大相撲で培われたパワーは関本たちを凌駕する。アレクのテクニックと若翔洋の爆発力がガッチリとかみ合えば最強の力が発揮されるであろう。今大会随一の肉弾戦が期待できそうだ。
<第3試合 シングルマッチ 30分1本勝負>
ウルティモ・ドラゴン(闘龍門MEXICO)
vs.
MAZADA(東京愚連隊)
 第3試合はジュニアヘビー級の好カード。ウルティモ・ドラゴンとMAZADAがシングルマッチで対戦する。業界内外から高い評価を受ける2人は、ルチャというしっかりとした下地があり、ハイスピードの好勝負が期待できそうだ。
 そんな試合が『ストロングスタイル』を掲げるリアルジャパンで実現するのも興味深い点。ワールドワイドな活躍を見せるウルティモが、普段はなかなか見せない“別の顔”を見せてくれるかもしれない。近年はヒールファイトが目立つMAZADAも、もともとは藤波が立ち上げた『無我』出身。こちらも最近はあまり見せない“引き出し”を開けてくる可能性がある。実力者同士の対戦は『ルチャ流のストロングスタイル』をファンに披露してくれるはずだ。
<第2試合 タッグマッチ 30分1本勝負>
グラン浜田(フリー)&青柳政司(誠心会館)
vs.
折原昌夫(メビウス)&ベアー福田(シークレットベース)
 第2試合はグラン浜田&青柳政司vs折原昌夫&ベアー福田のタッグマッチ。青柳はリアルジャパン初参戦となる。
 92~93年頃に勃発していたWARvs反選手会同盟(平成維震軍)の抗争の中で、折原と青柳はたびたび対戦。92年9月15日のWAR横浜アリーナ大会ではシングルマッチで激突し、青柳が蹴り技で圧倒して、場外リングアウトで勝利している。危険な再会を果たす青柳と折原。試合巧者の浜田と福田も加わることで、さらに激しい戦いとなりそうだ。
<第1試合 タッグマッチ 30分1本勝負>
スーパー・ライダー(RJPW)&間下隼人(RJPW)
vs.
河上隆一(大日本プロレス)&橋本和樹(大日本プロレス)
 第1試合はスーパー・ライダー&間下隼人vs河上隆一&橋本和樹のタッグマッチ。河上と橋本は大日本プロレス所属選手で今回がリアルジャパン初参戦となる。間下が「同世代の選手と戦いたい」とアピールしたことで実現した試合だ。
 河上はストロングBJの注目株。関本や岡林に引けを取らないパワーを持ち、急浮上している。橋本もアニマル浜口ジム出身だけに、リアルジャパンにもキッチリ順応しそうだ。だが、キャリアでは間下の方が上。ましてやライダーがパートナーを務めるだけに、敗北は許されない。実力者がひしめくリアルジャパンマットでは、どうしても「間下=若手」という印象は消せないが、団体対抗戦で勝利し、“強さ”をリアルジャパンのファンに見せつけてほしいところだ。
 好カード6試合が並ぶ9・28後楽園ホール大会。暑い夏が過ぎ去っても、リアルジャパンのリングはこれまで以上にさらに熱く燃えさかる!
大会概要はこちら
9・28リアルジャパン後楽園ホール大会『NATURAL』全カード決定!船木誠勝リアルジャパン初参戦にて初代タイガーとドリームタッグ結成でストロングスタイル戦!
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