“平成のテロリスト”村上和成、スーパー・タイガーとレジェンド選手権試合! 「自分のプロレス人生の原点である佐山先生のリアルジャパン参戦の想い」

 18日、掣圏真陰流興義館の近所にある毘沙門天で知られる『善國寺』にて村上和成が報道陣を召集、緊急の囲み会見が行われた。3月22日(金)に後楽園ホールで開催される『聖域~SANCTUARY~』に“平成のテロリスト”がリアルジャパン初参戦、第7代王者スーパー・タイガーとレジェンド選手権試合を争う。

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 会見は、「初代タイガーマスク 佐山サトル先生はプロレスにたずさわる道筋をつけていただいた方」との話から始まった。そこから猪木会長に紹介していただく運びとなり、UFO旗揚げ参戦に繋がっていく経緯があったという。
「デビュー15周年の節目に(参戦の)話をいただけることに運命を感じる」という。「第二のスタート(16年目~)として絶好のタイミング」になる。
 対戦相手のスーパー・タイガーとは、石川塾興行で、昨年の12月と今年の1月の2回、タッグ対戦している。「面白いなぁ。僕が習ってきたものとの違いを確かめるもの」だったという。

 「僕の中では試合はケンカ! これはもう、佐山先生と猪木会長が僕に、(闘いにおいて)最も重要と教えてくれたこと。リアルジャパンに上がって大暴れします」と述べたが、同時に「15年経った僕をどう見てくれるのか、佐山先生の試合後の評価も楽しみにしている」という。「初めて複雑というか、感じたことのない感覚・・・わくわくそわそわ。いい緊張があり、(3.22の)試合日が待ち遠しい。トンネルの先の明るい先が見えるかのようで、まるで、もったいないと思うほどに遠足を楽しむ子供のような気分」なのだそうだ。その上で「あと数日、(自分を)追い込んでいきたい」という。
 そして、村上和成の口から、自身のプロレス人生のスタート時代における佐山サトル総監との非常に深い関係が語られた。

初代タイガーマスク 佐山サトル総監との出会い

「大学(拓殖大学)4年の時でした。柔道部の先輩にあたる西良典さん(和術慧舟會代表)に、東京で大会をやる。街中でケンカしてるんじゃなくてこの大会に出てみろ、と言われて、押忍の世界ですから断れません。相手をぶちのめして誉められる格闘技というものだと。ただその際に、プロの選手も出てくるから、佐山先生のところにキックを習ってこい。東大宮のジムに行って来いと」
「そこで初めて、ミット持って、サンドバック蹴ってという体験をしたんです。その時にマンツーマンで指導してくれたのが佐山先生で、それがキックの初体験でした。また佐山先生との関係が深い、黒崎道場の藤原敏男先生に習ったこともありました。不思議と繋がっているんですね。縁を感じます」
「自分の場合闘いはケンカなんです。米国の金網(エキストリーム・ファイティング・チャンピオンシップ、1996-97年)に出た時は、まだ総合は整備されてなくて、選手もレフェリーも未熟というか、あれは本当にケンカだったんです。生きるか死ぬか、殺すか殺さないかでした。その引用が強すぎて、それからPRIDE 1(1997年10月11日)に参戦した時に、ルールがあって、ある意味スポーツになったなぁと。自分の中でやり尽くした感があったんですね」
「それから2年ほどして、自分が総合格闘技辞め、道場の指導を始めるという状況になった時に、佐山先生からお電話を頂き、どこに行き、誰に会うかもわからない状況で、とある事務所にお伺いしました。そうしたら、アントニオ猪木会長が出て来て、『あ、猪木さんだ!』とビックリしました。そこは猪木事務所だったんですね。佐山先生に猪木さんを紹介いただいたら、『一緒にがんばろうな』と猪木さんに言われる経緯になり(笑)」。
「それからほんの一、二週間後に、詳細は聞かされない状態でロス行きを指示されロス空港に到着したら、出迎えてくれた方が、なんと、小川直也さんだったんです。自分にとっては、日の丸背負って戦ってきた憧れの選手。独占で一緒に練習できるなんて滅多にない。これは最大のチャンスだと。そこで、UFO入団、大会出場となり・・・。ロープワークも、受け身もなんも知らないままでしたので、全て実戦で覚えました。試合はケンカ、格闘技はケンカ。すべては押忍の世界ですから」

「今回頂いた(リアルジャパン参戦の)お話は、あれから15年を経て、佐山先生の元に帰るというか。良い意味での再スタート、恩返しかも知れません。佐山先生、猪木会長、小川直也さんと、厳しい波の中で揉まれてきましたし、これまでのプロレス人生の中で、三途の川を渡りかけたこともあります。緊張の中でやってきたからこそ、との感情です。身が引き締まる思いです。(プロレス界に)復帰して良かったな、という気持ちがあります」
今回のリアルジャパン初参戦、スーパー・タイガーとの激突をはじめ、これからのプロレス人生における対戦相手については、「自分が怪我して休んでいて、現在、一試合、一試合これが最後かも!という気持ちで闘っている」とのことで、「名前があるとかないとか、新人とか、インディーがどうとかは関係なく、闘いへの気持ちをしっかり持っていて、プロレスが本当に好きだ、という相手でないと。逆に言うと、名前があっても大きな大会であっても、魂が伝わってこない相手だと闘うつもりはありません」

「相手が、うまい、へたとか僕の中では関係ない。技術なんて言うのは、練習すれば強くなるもの。好きでないと追い込めないでしょうし、そういう選手と残された試合をやりたい。この前は女子選手とも試合しましたけど、僕の中では男子とか女子とかは、関係ないんです」
「元々(デビュー前)プロレスも知っているのは、ロードウォリアーズと、ライオネス飛鳥と長与千種くらいだった。プロレス雑誌も読んだことなかった」という村上和成。かといって、格闘技が好きだった訳もない。最初は、ケンカの延長で試合に勝っていましたが、慧舟會の『トーナメント・オブ・J ’95』に出て、自分より小さい選手にハイキックされて負けてしまった。しっかり練習してきた選手に、ちっちゃい奴にやられてしまった。そんなことって街のケンカではないことなんです。そこで、絶対にリベンジしたいというのが格闘技人生の始まり、それで続けることになったんです。その後、リベンジを果たし、勝つことの楽しさ、厳しさをちょっと覚えた。そういう中でアメリカで試合して、PRIDEに出て、格闘技に関しては、一区切りついたという気持ちでした」

アントニオ猪木会長の言葉でプロレス開眼!

 さて、もう格闘技辞める決意をした村上だったが、前出の小川直也との海外武者修行に繋がってくる。「ロスのコーヒーショップ、日本に戻る前日でした。猪木会長にいきなり『(リングの)キャンバスに絵を描けるか?』と言われたんです。そこから、ストリートファイト、格闘技、プロレスの違いという深い話をしていただきました。猪木会長のお話を聞かせていただき、(それまでプロレスに興味も関心もなかったんですが)振り子をバーンとこっちからあっちにいきなり振り飛ばされたみたいになり、逆に格闘技に興味がなくなって、プロレスという凄い世界に入っていきました。それから15年の月日を経て、15年という節目の今、自分のプロレス人生の原点である佐山先生のリング(リアルジャパン)に上がらせていただくことに“運命”を感じます」

 本日の取材をしてみて、“村上和成vs.スーパー・タイガー”というカードに込められた様々な人間ドラマと歴史を知ることになり、驚くと同時に感銘を受けた! 3月22日(金)のリアルジャパンプロレス『聖域~SANCTUARY~』から、俄然目が離せなくなったのだ。

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■ 初代タイガーマスク リアルジャパンプロレス 『聖域~SANCTUARY~』
日時:3月22日(金) 開場17時30分 試合開始18時30分 
会場:後楽園ホール
主催 :有限会社リアルジャパン、リアルジャパンプロレス、掣圏真陰流本部 興義館
お問合せ :KIAI PROJECT リアルジャパン事務局 03(3833)3662

全カード~3・22リアルジャパン『聖域~SANCTUARY~』初代タイガーマスクx高山善廣

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