9・18リアルジャパン『STRONG STYLE』後楽園大会見どころ+石川雄規インタビュー

大注目のリアルジャパンプロレス9・18後楽園ホール大会直前!
4人の虎戦士が豪華共演!メインイベントで交錯する様々な“視点”
波乱含み!? スーパー・タイガーが“師匠?”鈴木みのると久々にタッグ結成!

 リアルジャパンプロレスとしては2014年第4戦となる『STRONG STYLE』後楽園ホール大会がいよいよ9月18日に開催される。“ストロングスタイルの復興”をテーマに掲げる同団体らしい注目の全対戦カードが出揃った。

■ 4人の虎戦士が並ぶ豪華なメインイベント
 メインイベントは初代タイガーマスク&藤波辰爾&船木誠勝vs金本浩二&グレート・タイガー&タカ・クノウの6人タッグマッチ。初代タイガー、藤波、船木はそれぞれタッグを組んだことはあるが、トリオを結成するのは今回が初めてとなる。一見すると、雑然と組まれたように見えるが、実に様々な視点で楽しむことができる魅力的なカードだ。

 その視点のひとつは、『タイガーマスクの魅力が詰まっている』ということ。大きなブームを巻き起こした初代タイガーはもちろんのこと、船木も虎の覆面を被った経験がある。総合格闘技から引退した後、役者時代に映画『新説タイガーマスク』(2004年)でタイガーマスク役を熱演。この時に技術指導をしたのは初代タイガー本人であり、改めて初代タイガーの運動神経の高さに舌を巻いたのは有名な話だが、その縁がリアルジャパン設立記者会見(2005年)出席、そして8年の歳月を経て昨年(2013年)の参戦に繋がっている。

 対戦相手の金本も新日本時代に虎の覆面を被っていた男。1992年3月に変身し、94年の7月まで3代目タイガーマスクとして活動していた。リアルジャパンには初参戦となるが、3代目時代には初代タイガーに師事。また、97年10月に両国国技館で開催された『格闘技の祭典SPECIAL』ではともにタイガーマスクとして対戦している(対戦カードは3代目タイガー&2代目タイガー[中身は金丸義信]vs初代タイガー&4代目タイガー)。

 当然、“虎の最終兵器”グレート・タイガーもタイガーマスクの遺伝子を引き継いでいる選手。昨年の12・12後楽園で師匠・初代タイガーを病院送りにして鮮烈デビューを果たすと、その後はレジェンド王者のスーパー・タイガーと激しいライバル闘争を繰り広げている。

 虎のマスクを被っている・被っていた4人が揃う試合は滅多に実現しない。ましてや4人ともリアルジャパンが提唱する“ストロングスタイル”を体現できるレスラーなのだから、まさにメインイベントに相応しい戦いと言えるだろう。

 役者揃いの対戦カードの中で、やはり中心となるべきは初代タイガーだろう。膝の負傷も順調に回復し、最近は好調をキープしていたが、前回の7・2後楽園は前日に肉離れを起こし、負傷欠場となってしまった。体調が良すぎて動きすぎてしまい、試合直前にコンディションを崩すことが多い初代タイガーだが、今回は500万円するという微弱電流治療器を導入して、態勢は万全。まずはホームリングで欠場を帳消しにするようなファイトを披露し、今年後半の活躍に繋げたいところだ。

■ 大先輩を前にした船木誠勝のファイトに注目

 “視点”という言い方をするならば、船木から見たこの試合は大きな意味を持つ。タッグを組む2人は船木にとって大事な存在だからだ。

 初代タイガーは船木がプロレスラーを志したキッカケとなった憧れの選手。昨年の5・29後楽園、ドラディションの5・11後楽園と2度タッグを組んでおり、コンビネーションの精度も上がっている。

 そして、藤波は新人時代に付き人に付いていた大先輩だ。昨年の11月に行われた藤波の息子・LEONAのデビュー戦の相手を務めており、W-1の5・4東京ドームシティホール大会ではその3人でトリオを結成するなど、未だに縁は深い。

 W-1マットではベテラン組の船木が、大先輩2人をパートナーにしてどのような戦いを繰り広げるのか。船木本人は主役になるのではなく先輩を立てて戦うと宣言しており、その立ち振る舞いも注視したい。

 対戦相手の中で注目したいのは、やはり金本の存在だ。リアルジャパン初参戦ながら、相手チームの3人とは深い関係で繋がっている。前述した初代タイガーとの関係はもちろんのこと、藤波はかつて付き人についていた先輩にあたる。また、船木とは全日本プロレスマットでユニット・STACK OF ARMSとして行動をともにしていた時期があり、対戦経験は意外に少ない。今後、リアルジャパンの常連となる可能性もあるだけに、いつも以上のケンカファイトで後楽園を盛り上げてくれるだろう。

 そして、タカ・クノウの名前があるのも興味深い。グラップリング世界王者として絶対的な関節技テクニックを持つクノウは、昨年の12・12後楽園でリアルジャパン初参戦。いきなりスーパー・タイガーと名勝負を繰り広げ、確かな存在感を示した。その後も定期参戦しており、初代タイガー、船木とは初対決となる。大物相手でも極めの技術を発揮できるのか。“クノウ視点”もこの試合の隠れた楽しみと言えるだろう。

■ スーパー・タイガーが“師匠”鈴木みのると3年7ヵ月ぶりにタッグ結成

 セミファイナルでは3年7ヵ月ぶりにスーパー・タイガーと鈴木みのるがタッグを結成し、齋藤彰俊&柴田正人と対戦する。

 S・タイガーが外敵である鈴木に共闘を志願したのは、2009年5月のことだった。虎の遺伝子を継ぐ者として未来を嘱望されながらも、「自分には足りないものがある」と感じた当時のS・タイガーは、自分自身の内側にある感情をもっと前に出そうと鈴木に接触。そんな悩める男を「まだ毒が足りない」と斬り捨てた鈴木だったが、初代タイガーとの対決姿勢を強めるためにもタッグ結成を了承した。

 2人のタッグは同年の6・17後楽園で始動するも、初戦で石川雄規&長井満也組に敗退を喫した。試合後、鈴木は「お前なんかニセモノだ。お前みたいなヤツを親の七光りって言うんだ」とバッサリ。「今日は2代目スーパー・タイガーが死んだ日。新たに生まれ変わる日だ。もっと客が目を見開くような試合を見せろ」とゲキを飛ばした。

 その後も鈴木は、敗北したのにもかかわらずマイクアピールを続けたS・タイガーに激怒したり、長井満也の首を要求したり、同門にあたるスーパー・ライダーのマスク剥ぎを命令するなどやりたい放題。しかし、S・タイガーは“世界一性格の悪い男”に振り回されながら、徐々にマスクの下に隠されていた感情が表に出せるようなり、真の虎戦士に変貌していく。肉体改造にも着手。そして、鈴木とのタッグを自ら解消すると、2011年の7・21後楽園で長井を撃破し、レジェンド王座初戴冠を果たした。

 今やS・タイガーは押しも押されぬリアルジャパンの中心選手に成長。一度は奪われたレジェンド王座も奪還を果たし、現在は4度の防衛を成し遂げている。

 初代タイガーとはまったく違う形ながらもプロレスの神髄を教えてくれた鈴木と、今大会で久々に再会するS・タイガー。当然、気負いもあるだろうが、“師匠”に成長した姿を見せつけたいと考えているはず。鈴木は今年からリアルジャパンマットに再び継続参戦をしており、今回の結果如何によっては、対戦の機運が高まる可能性もある。年末に向けて、大きなうねりを生むこともありえる波乱含みの試合になるだろう

4月大会で実現した一騎打ちで初代タイガーに大きな爪跡を残した齋藤彰俊、S・タイガーへのリベンジを虎視眈々と狙っている巨漢ファイター・柴田正人の2人も一筋縄ではいかない相手となるが、先を見据えたS・タイガーはキッチリと結果を出したいところだ。

■ 他カードも充実のラインナップ
 他カードにも注目の対戦が並ぶ。第4試合は石川雄規&鈴木秀樹vsアレクサンダー大塚&関本大介のタッグマッチだ。

 石川は昨年の6月大会を最後にリアルジャパンマットを離れ、カナダにある総合格闘技ジム、バトル・アーツ・アカデミーの指導者に就任。拠点をカナダに移し、日本マットから離れていた。

 一時帰国に合わせて12月大会にも出場したが、今回も帰国の日程と大会日が重なり、8ヵ月ぶりの日本マット登場となる。

 パートナーの鈴木は2010年からバトラーツに参戦しており、石川とはシングルで対戦した経験もある。高い壁として立ち塞がった石川に真っ向勝負を挑み、激闘を繰り広げていた。当時IGF所属だった鈴木がフリーとなって石川と再会するのは、面白いシチュエーションと言える。

 対戦相手を務めるアレクサンダー大塚は石川と同じくバトラーツ出身の強豪。もうひとりの関本大介もノアマットでGHCヘビー級王座挑戦が決まっており、そのパワーファイトに磨きがかかっている。日本のプロレス界から遠く離れて“浦島太郎”状態の石川が、どんな戦いを披露するのかがこの試合のキーポイント。衰えぬ情念の爆発を見せてほしいところだが……。

 第3試合はウルティモ・ドラゴン&間下隼人vs折原昌夫&若翔洋のタッグマッチ。日本のジュニアヘビー級をけん引してきたウルティモと折原は、WAR時代から時にぶつかり、時に共闘してきた因縁の関係にある。その2人と絡むのは、今後に期待のかかる間下と若翔洋。着実に実力を付けてきてはいるものの、なかなか結果に結びつけられないこの2人の奮起にも期待したい。

 第2試合は、百田光雄&我龍真吾vs小笠原和彦&“力道山三世”力のタッグマッチ。
リアルジャパンだからこそ実現した異色の対戦だ。

 百田と力の親子対決は、メビウスの8・11新木場大会で実現。その時は一騎打ちだったが、今回はタッグでの対戦となる。今回も2人の絡みに注目が集まるのは確実だが、それぞれのタッグパートナーが元キックボクサーの我龍と空手出身の小笠原となるだけに、百田vs小笠原、我龍vs力という異次元対決も現実のものとなる。百田が空手の蹴りにどう対応するのか。そして、経験の少ない力は元キックボクサーの打撃に対応できるのか。試合前から混戦が予想されるが、力の成長を測る上でも試金石となる一戦になりそうだ。

 そして、第1試合はスーパー・ライダー&グラン浜田vsタケシマケンヂ&那須晃太郎のタッグマッチ。ベテランと新鋭が対峙するオープニングマッチに相応しいカードだ。那須は2012年の11・11北千住、今年の1・19浜松でライダーに連敗中。タケシマも2013年の8・25北千住で同じくライダーに敗北している。今回は浜田という難敵も加わり、かなり厳しい戦いが想定されるが、ベテラン勢から勝利を挙げなければ、リアルジャパンマットでの浮上は叶わない。「超えたい新鋭」と「超えさせてなるものかと潰しにかかるベテラン」による激しい競り合いが行われるだろう。

 見所満載の全6試合。「STRONG STYLE」の大会タイトルに相応しい熱く激しいファイトが後楽園ホールで展開されることは間違いない!

【9.18(木)リアルジャパンプロレス参戦!】
“情念”石川雄規の生きざまを見よ!カナダの地で、20歳、若返った俺を見せつけたい!

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[石川雄規インタビュー於:勇接骨院(吉田勇次郎院長)]

 石川雄規が単身カナダに移り住んだのは昨年6月のこと。かつてバトラーツのリングで活躍していたジョー・バスコ(現サンティーノ・マレラ=WWEのスーパースター)が地元カナダ・オンタリオ州ミシサガ市で総合格闘技のジムを開き、そこのコーチとして招かれたのだ。そのジムは「Battle  Arts Academy」。そうバトラーツだった。バスコがバトラーツで学んだこと。その魂をジムに注入したいんだという熱い気持ちを入れた名前だった。石川はそこには夢がいっぱい詰まっているような気がした。そして日本を捨て、カナダに行って、ひたすら指導の熱い日々。いま、石川はその選択が間違っていなかったことを確信した。精神的にも肉体的にも20歳若返ったという。リアルジャパン9・18後楽園ホール大会。石川雄規のバトラーツ魂をリングに見よ!(構成・文:安田拡了)
     
● カナダは自分の集大成を発揮できる!
―石川さん、47歳になったんですね。指導とはいえ単身カナダに行くこと。年齢的に悩まなかったですか。
石川 まったく悩まなかったですね。息子たちの成長をもう少し見ていたかったですが、親父がカナダで(プロフェショナルレスリングの)文化を作っているほうが、子供たちにとってカッコいいでしょ。
―男としてカッコいいですよ!
石川 あのまま日本にいたら、俺、早死にしているかもしれない。
―うん、うん。石川さん、歯を食いしばって頑張ってきたけど、日本ではバトラーツスタイルで暮らせていけなかったですからね。
石川 これまで何のために血反吐を吐いて頑張って生きてきたのか。
―大げさですけど神様が石川さんにまだまだやらせたいことがあるから生かせてきたのかも知れない。
石川 面白いのはね。カナダに行ってから、ふとあることを思い出したんですよ。15年くらい前にビクター・クルーガーの主催でドイツのブレーメンで試合をした。その時に未来を霊視できる女性から僕の未来を見てもらったんですよね。
―それは?
石川 「あなたは将来、外国に行って大きな湖の近くに拠点を持つ。湖と赤っぽい大きな建物が見える」と言われたんですよ。いまのジム「Battle  Arts Academy」が赤っぽいレンガの建物で大きい。それにそばにはオンタリオ湖があるんです。あっ、ここのことだったのか、と。
―え、15年前に見てもらった未来。石川さんがカナダに移ったのは運命なのかもしれないですね。
石川 そうかもしれない。いままで生きてきた集大成というか。自分の集大成を発揮できる場が「Battle  Arts Academy」なんですからね。ジョー・バスコが石川ならきっと理想のジムを作り上げてくれると任してくれたんですから、自分の集大成を注ぎ込みますよ。
―ジョー・バスコは小さい頃から柔道をやっていてオリンピックの柔道カナダ代表候補になったほど強かったらしいですね。
石川 そうそう。だから本当のプロレスラーに必要なのはバトラーツのプロフェショナルレスリングのテクニックなんだということをわかっている。

ジョー・バスコは石川の来るのを首を長くして待っていた。かつて埼玉の越谷バトラーツ道場で石川が本物のレスリングスタイルを教えてくれた。それが自分のプロレス生活にどんなに役に立ってきたことか。それが分かっていたからだ。だから石川がコーチを引き受けてくれてからというもの、今か今かと石川を待ちわびていた。バスコの夢はカナダにバトラーツスタイルを持ち込みたかったのだ。

● ぬるま湯から出ろ!
―いまどのくらいの人数を教えているんですか?
石川いろんなクラスがありますけどプロレスリングクラスだけで40名を超えましたね。
―ブログを見ると基本的に日本人とは教えてもらう姿勢が違うから、指導は大変そうですね。
石川 キッズクラスが本当に難しい(笑)。信じられないくらい、ぬるま湯につかっているような考え方ですからね。親がベビーシッター代わりのように子供をジムまで送ってくる。
まったく集中力がなくて、あっち向いたり、こっち向いたり。何かをやらせると1回だけやって「やった。終わった」と言ってボーッとしている。手抜きをしているのに「誰々もやってる」と弁解する。
―その時、どんなふうに説得する?
石川 「手抜きをしている人はほっとけ。お前はお前だ。大切なのはお前が何をするかだ。時間を無駄にするな。いいか、これはお前たちの未来、人生にとって大事なことなんだ」と言いますよ。俺がプロレスラーを目指していた頃は毎日4000回スクワットをやっていたと言うと「信じられない。その間、何回、休憩を入れたのか」と訊いてくる。「やる前から休憩のことを考えるな! 死ぬまでやれ!」と叱る。僕はしつこいですよ(笑)。何度もでも叱り「俺に従うのかいいか、従わずに殴られるのかいいか、従わずに蹴られるのがいいか」って(笑)。そんなことばかり叱っていて、日本で子供たちを教えてきたやり方も忘れそうになるくらいでしたよ。
―あはは。早くぬるま湯から出ろ!って感じですね。子供の時って、そのように叱ってくれる人が必要だから、ラッキーな子供たちですねえ。しかし、いつまでもそんな状態じゃ、ストレスも溜まってしょうがない(笑)。
石川 いまはそういう体験を経て、あきらめずに残っている子供たちが雰囲気を良くしていますね。やっぱり叱るところは叱って、つらいんだけど何か面白いなと思わせればいいんじゃないですか。いまじゃバトラーツの試合DVDも食い入るように観て勉強してますよ。DVDで観た技を自分でやってみて、それから組んでみて、どんどん自分で理解していますね。
―プロレスリングクラスはどうですか?
石川 とにかくプロレスもどきの練習もどきを本当の正しい方向に修正していくんですよね。僕の言っていることが、すべてに意味があるんだということを理解させる。たとえば一つ練習をする。この時、生徒たちは何のために練習をしているのかわからない。しかし、そのあとで、じゃあ、次にこの技をやってみなさいと教える。するとさっき何だかわからないけど僕の言うとおりに練習していたことが、この技を掛ける時につじつまがあって、生きてくるんだということがわかるわけですよ。
―ああ、そうか!ってなる。信頼関係がそこで生まれるわけですね。
石川 そうなんですよ。僕の指導が沁み込んでいって、僕を信じてついてきてくれて最高のクラスになっていますよ。みんな熱いですよ。何も言わなくたって、自主的に練習をやってますからね。 

カナダにはWWE以外の小さなプロレス興行団体が多く存在している。そこに上がっているレスラーの多くは、本物のプロレスリングを知らない。見よう見まねのプロレスラーもどき。つまり、ニセモノのプロレスラーがいて、彼らのもどきの試合を見ているプロレスファンがいるのだ。そのような土壌の中で、カナダの多くのジムで4年かかってプロレスのテクニックを習得するところを石川の腕にかかっては1年で習得できるのだから、アカデミーの品質が自然に高まってきた。「Battle  Arts Academyで習えば本物のプロレスラーになれるぞ」。いま口コミでどんどんアカデミーの噂が広がっているらしい。

● バトラーツスタイルの試合が行なわれる
140915RJPW-IshikawaYoshida
石川 僕は彼らに言うんです。
「Battle  Artsというのは、サムライ・スピリッツという意味なんだ。試合の前は自分の部屋の整理をしておくんだぞ。どういう意味かわかるか。いつ試合で死ぬかもしれない。そういう気持ちでリングに上がるんだ。プロレスを甘く考えるんじゃない。プロレスというのは究極のスタントなんだ」と。
―そうなんですよね。プロフェショナルレスリングとはそうなんですよね。
石川 来月から生徒をチョイスしてクオリティーが高いバトラーツスタイルの試合をやることにもなりました。これはテレビの放映も決まったようです。まだ僕らがバトラーツをやっていた頃の質ではないですけど、それでも放映されたら、みなカナダのプロレスファンはびっくりすると思いますね。カルチャーショックを受けるんじゃないですかね。カナダはWWE以外はWWEもどきのプロレスごっこのような興行が多いですからね。
―そういうカナダのプロレス土壌の中に石川雄規直伝のバトラーツスタイルの興行ができるなんて、これは凄いことですよね。
石川 凄いことですよ。まずい回転寿司しか食べたことがない人たちの前に突然、特上の美味い寿司が出てくるようなもんですよ。いままで僕たちは何を食べていたんだ!? という驚きですよ(笑)。
―そうですね。将来はバトラーツスタイルがカナダに根付くかもしれない。
石川 ほかのジムで3年間プロレスを習っていた人が僕の指導を体験にくるわけですよ。その人が「今日の2時間はこれまでの3年間よりも濃い」と目を丸くして驚いていたくらいですからね。
―石川さんのブログを見たら、新日本プロレスに参戦しているデイビー・ボーイ・スミスJrがジムに来ていましたね。「Battle  Arts Academy」の噂を聞いてやってきたんですか?
石川 そうなんですよ。それまで会ったこともなかったんです。スミスは練習熱心で真面目。ビル・ロビンソンの影響を受けていて、一通り、テクニックは知っているんで、僕の指導をもの凄く気に入ってくれました。今回もカナダに戻ったら、また2、3日練習にくるかもわらない。楽しみですよ。
―スミスは地元では有名人だから、そのスミスと一緒にスパーリングをやって指導をする石川さんを生徒も尊敬の眼差しで見ているんじゃないですか?
石川 彼はスーパースターですからね。そのスーパースターがイシカワと練習したいと訪ねてきてくれるわけですから、確かに生徒たちはそういう目で僕を見てくれていますね。
―近い将来、「Battle  Arts Academy」から日本にプロレスラーを送りこむ時がきますね。
石川 そうですね。昔は本物のプロレスラーになりたい連中は日本にプロフェショナルレスリングを学びに行こうとしました。しかし、いまは「Battle  Arts Academy」で僕からしっかり学んで、日本では経験を積んでくる。そういうふうに考えるようになってきましたね。
―かつて技術を学びたい日本のレスラーたちが神であるカール・ゴッチのもとに集まった。いま石川さんはカナダのレスラー志望の若者からはゴッチのような存在なんだなあ。石川さん、47歳。カナダに行った甲斐があった(笑)。

● 9・18後楽園。もうアレクの知っている俺じゃない!

石川 ええ。年齢だって20歳くらい若くなってますから(笑)。ウエストも20㎝近く減ったし。体重は15㎏減って85㎏。ジムでは身長2m近いヤツとしょっちゅうスパーリングをやって、やっつけて僕のしもべにしてますよ。しかし、彼らは学び始めたら強いですよ。僕の言うことをしっかり学んでいればもう少しで僕は敵わなくなりますよ。
―「Battle  Arts Academy」で新しいプロレス文化が立ち上がってきたんですねえ。
石川 周りから認められてきましたね。オンタリオ州ミシサガ市では早くもゴールド評価の人気ジムになっています。ミシサガ市は人口66万人ですから、大都市ですよ。その中で人気№1ジムになっている。そのうち(同州)トロント市も含めて、№1に近いジムになると思いますね。そしてきっとカナダで独り勝ちすると思いますよ。
―充実してますねえ。
石川 最高の可能性と夢をもらいましたよ。
―今後はどうするんですか?
石川 行けるところまで行きますよ。だって、カナダには自分がこれまでやってきた集大成を生かす夢のような仕事がある。日本じゃ、僕のやれる仕事はないですからね。
―食うためだけに働く。そんなのは石川さんにはもったいないからね。
石川 そうです。日本はバトラーツはいらないらしいから。僕はバトラーツスタイルが欲しいというところに行っているだけなんです。
―悔しいよね。日本でいらないというのは。しかし、リアル・ジャパンの9・18後楽園ホールで日本のプロレスファンにバトラーツスタイルを見せることができる。少なくとも本物のプロレスを残そうとしているリアル・ジャパンは石川さんのバトラーツスタイルを必要としている。
石川 嬉しいですね。そういう場所がまだ日本にあるということは。
―さて、今回のカードですが4人タッグマッチ。対戦相手はアレクサンダー大塚&関本大介組。石川さんはバトラーツにも参戦していた鈴木秀樹選手と組むことになりました。
石川 鈴木選手はバトラーツでも闘ってきているしパートナーとしても頼りがいがありますね。相手はアレクと関本選手ですか…。
アレクよ、いまお前はノロいだろ(笑)。俺のスピードについてこれるかな。
―あはは。さっきの話では2m近くの連中といつもスパーリングしてるから、大きいアレク選手もさほど気にならない? さらにアレク選手に一言どうぞ。
石川 アレクよ、もう君の知っている俺じゃない。俺は20年若返っているんだ。逆に君は20年歳を取っている。
―やっぱり、毎日、大きい連中とスパーリングやっていると肉体的にも精神的にも違うようですね(笑)。
石川 そりゃ違いますよ。連中とひたすらスパーリングやっているわけですから、それが毎日のトレーニングになっていますね。腹筋なんかにしても、みんなにやらせるわけだけど、僕ができないとみんなにやらせられないからね。みんなが出来なくなってしまうのを見るのも面白いし。クラスをいくつも受け持っていますから毎日、なんだかんだで千回くらい腹筋やってますよ。
―へえ。
石川 それだけじゃなくてグラップリングも打撃もやるし、フットワークもやるしね。だから、アレクも若返った僕に驚くんじゃないですかね。20歳若返った俺を見せつけてやりますよ。だけど、実際、アレクと組むとあいつ重たいんだろうなあ(笑)。関本選手も重いですからねえ。関本選手にぶつかってこられると、いつも交通事故にあったようなダメージを受けるんです。チョップも痛いんですよね。
―関本選手は質量がありますからねえ(笑)。そんな関本選手に対する攻撃の狙い目は?
石川 凄い力なんですけど筋肉が凄いですから、その分、関節の可動範囲が狭いですからね。うふふ。
あっ、関本選手に伝えておいてください。押入れを開けるとな。日本髪を結った人形がいるんだ。そいつが毎晩夜中にお前のまわりを歩き回るんだ。気をつけろよ。
―え、どういう意味ですか?
石川 関本選手、霊が怖いんですよ。よく心霊写真を送ってあげて遊んでました。あのデカイ体で「止めてください、止めてください!」と哀願するんですよ(笑)。精神的な揺さぶりをかけます。これを読んだら、きっと関本選手はビビり始めますよ。チョップを出して来たら、心霊写真を送ってやりますよ。
―それはともかく、石川さん、体も絞れてカッコいい体になってますよ。20歳若返った石川雄規をたっぷり日本のプロレスファンに見せつけてください!

■ 初代タイガーマスク リアルジャパンプロレス『STRONG STYLE』
日時:9月18日(木)開場/17時30分 試合開始/18時30分 
会場:後楽園ホール
席種・料金:VIP席(特典付):12,000円/RS席:8.000円 /A席:6.000円/ B席:5.000円
主催:有限会社リアルジャパン、リアルジャパンプロレス、掣圏真陰流本部 興義館

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