11・15新日本キック有明大会!試合直前インタビュー!

クワンペット・ソースワンパクデー(泰国ルンピニースタジアム認定バンタム級王者/タイ)vs ペップンソーン・ペッチンダー(CPガイトーン ガンラーントーナメントバンタム級王者・プロムエタイ協会バンタム級9位/タイ)

 本場ムエタイの頂上対決がKick Insistのリングで実現する。クワンペット・ソースワンパグデーは現ルンピニースタジアム認定バンタム級王者で、左ミドルキックを得意とするサウスポー。一方のペップンソーン・ペッチンダーはCPガイトーン・ガンラーントーナメントのバンタム級優勝者で首相撲を得意とするオーソドックスだ。
 両者は12月にクワンペットがペップンソーンの挑戦を受ける形でタイトルマッチとして組まれる可能性もあるというのだから、とてつもなく豪華な前哨戦という見方もできる。これまで何人もの現役王者やトップランカーが来日して試合をしているが、必ずしも好ファイトを繰り広げるとは限らない。今回のようにタイ人の現役王者を呼び、タイのトップランカーと闘わせ、凡戦に終わった例もある。
 そういう時に限ってマニアからは「ホンモノのムエタイはこうじゃないのに」というため息も漏れる。ギャンブルの有無、採点方法の違いなど理由はいくつかあげられるが、そうした不平不満を払拭しようと今大会のプロモーターであるビクトリージムの八木沼広政会長は「だったらトップ同士の対戦を見てもらおう」と決断し、両者のマッチメークを組んだ。
 もちろん、ただ単にリングに上がってもらうわけではない。移動の飛行機もホテルも別々で、5Rになったら勝っている方は試合を流すという暗黙のルールを禁じてのマッチメークだ。なあなあも流しもなし。もうすぐ我々は超一流のナックモエだけが魅せる攻防が一体化した最高峰のムエタイを目撃する。
     (スポーツライター 布施鋼治)

1115mein sogavs.thai
蘇我英樹(WKBA世界スーパーフェザー級王者/市原)vs SANGARTHIT Y’ZD(元泰国ラジャダムナンスタジアム認定フェザー級6位/タイ Y’ZD)

 俺は打倒ムエタイの夢を諦めない。
 不屈の闘志を胸に秘め、WKBA世界スーパーフェザー級王者の蘇我英樹がディファ有明のリングに登場する。つねに妥協を知らぬ好ファイトを繰り広げることでメインイベンターとしての起用も多いが、最近は白星から見放されている。5月に”爆腕”大月晴明との大一番に惜敗し、8月には再起を期して臨んだペッシーニ・ソーシリラック(かつてTOMONORIにKO勝ちしている選手)戦も落としてしまった。
 だが、蘇我はこれまでにも千尋の谷に突き落とされては這い上がってきた。日本バンタム級王者の時には初防衛に失敗したあと、引き分けも含めて5試合も勝てなかった。一階級上のフェザー級王座も二度王座獲りに失敗したが、三度目の正直でようやく戴冠した。 七転び八置き。倒されても倒されても這い上がらなければ、蘇我ではない。とはいえ、青コーナーから登場するセーンアーティットYZDは強豪中の強豪だ。肩書こそ”元”ランカーながら、本人が記憶するだけでも150戦のキャリアを誇り、しかもまだ25歳とバリバリ動ける年齢だ。
 特筆すべきは首相撲の強さ。YZDで同門で元ラジャダムナンスタジアムバンタム級王者の肩書を持つシラーをして「もしかして、日本にいるタイ人の中ではセーンアーティットが一番首相撲が強い」と太鼓判を押すほどだ。ある選手はこのタイ人と首相撲を行い、3日間ほど痛みが残るほどのダメージを負ったという。果たして蘇我は首相撲地獄から逃れ、得意の乱打戦に持ち込むことができるだろうか。

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石原將伍(日本フェザー級3位/ビクトリー)vs.ナコンレック・エスジム(元泰国ルンピニースタジアム認定フライ級王者/タイ)

 8月30日のWINNERS3ndでは元INNOVATIONフェザー級王者のRYOTAを秒殺KOで下して6連勝と絶好調の石原將伍が国際戦に挑む。
 中学の時、親に連れられビクトリージムに入門して以来、日々猛練習に明け暮れ、日本タイトルまであと一歩というところまで迫っている。
 対するナコンレック・エスジムは元ルンピニー王者という肩書を持つが、ちょうど1年前に”日本人キラー”ダウサゴンも撃破している石原だけに臆するところはあるまい。
 得意の連打で勝負をかけるか。
 テクニシャンとして知られるナコンレックを下せば、本格的に打倒ムエタイ路線に進むというプランもあるだけに何が何でも落とせない。

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麗也(日本フライ級王者/治政館)vs. クックリット・ゲッソンリット(タイ)

 今年5月、アマチュア時代からの”宿敵”HIROYUKIとの5度目の対決を制して念願の日本フライ級王者になった麗也がタイ人との国際戦に挑む。兄のように慕う志朗の背中を追うかのように、頻繁に訪タイして現地のリングでも闘っている麗也にとっては打倒ムエタイはライフワークといっていい。
 15日に激突するクックリット・ゲッソンリットについての情報を入手したかと聞くと、麗也は「2試合だけ映像を見たけど、手足が長くて蹴りが上手いという印象を受けました」とサラリ。続けてどんな試合になると予想するかと水を向けると、日本とタイの試合をハッキリと色分けしているらしい解答が戻ってきた。「タイでムエタイで勝負するなら負けるかいい勝負くらいでしょう。でも、日本で、しかも3ラウンド制で闘うならば倒さなければならない相手だと思います」
 HIROYUKIを倒した勢いで、8月にはNJKF王者の”笑顔の切り裂き魔”ニモも撃破して、その名と実力を改めて世に知らしめた。と同時にHIROYUKIとニモを連覇したことで、麗也は同階級の選手からマークされる存在になった。
 最近はパンチを重点的に練習しているので、今回も倒す試合を意識するという。
「最終的にはどの技でもKOを奪えるようにしたい。見ている人たちの目が釘付けになるような試合をしたい」
 麗也の最大の武器は中盤以降も落ちない無尽蔵のスタミナだ。
「15日も最初から最後まで攻撃し続けるので、そこに注目してほしい」
 10月2日には20歳になったばかり。乗りに乗る若き王者はクックリットを倒すことしか考えていない。

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瀧澤博人(日本バンタム級王者/ビクトリー)vs. チャンプアック・ゲッソンリット(タイ)

 8月30日、かつて引き分けた伏兵の古岡大八を挑戦者に迎え、日本バンタム級王座初防衛に成功した瀧澤博人がさらなる高みを目指し、打倒ムエタイに挑む。         
 絶好調のチャンピオンと拳を交わすのはチャンプアック・ゲッソンリット。そう、80年代から90年代にかけ、日本のキック界だけではなく、総合格闘技やプロレスのリングでも暴れ回ったチャンプアの二世ともいえるサラブレットだ。ゲッソンリットジムは初代会長の息子が受け継ぐ形で活動を再開し、名門復活を目指している。
 ビクトリージムの八木沼会長は「チャンプアックはとにかく若い。勢いに呑み込まれないようにしないと」と警戒心を強めるが、瀧澤は今年5月のビアソッド戦以来2度目となるタイ人との国際戦に闘志を燃やす。その意気込みを瀧澤は自身のブログで次のように語っている。
「昨年8月、当時無敗の王者を倒して日本チャンピオンベルトを巻きました。それから韓国5冠王、タイの地方王者、そして初防衛をクリアして世界への入り口に立つことができた。俺はチャンピオンベルトにたくさんのことを学ばせてもらいました。周囲に認めてもらえない世界タイトルなんて俺はいらない。俺は本物の世界チャンピオンになってやる」 どうやらこの一戦を瀧澤は世界への入り口と捉えているようだ。無理もない。チャンプアックを撃破すれば、来年1月開催のWINNERS1stで、とんでもない対戦相手との一騎討ちが計画されているというのだから。最近はバンタム級では長いリーチや身長を十分に活かして闘えるようになった。キッチリとタイからの刺客を下して、次のステップへと進めるか。

(スポーツライター 布施鋼治)

対戦カード・大会概要
11・15東日本大震災復興チャリティーイベント KICK Insist 5全カード決定!
■ 東日本大震災復興チャリティーイベント KICK Insist 5
日時:11月15日(日) 開場・15:45 開始・16:00
会場:東京・ディファ有明

<第13試合 メインイベント 56kg契約 3分5R>
クワンペット・ソースワンパクデー [Kwanphet Sor.Suwanpakdee](タイ/ルンピニー認定バンタム級王者)
vs.
ペップンソーン・ペッチンダー(タイ/タイ国プロムエタイ協会バンタム級1位、CPガイトーン ガンラーントーナメントバンタム級優勝)

<第12試合 メインイベント 63kg契約 3分3R>
蘇我英樹(市原ジム/WKBA世界スーパーフェザー級王者)
vs.
セーンアーティット・ワイズディー [Sangarthit Y’ZD](タイ/Y’ZD GYM/元ラジャダムナン認定フェザー級6位)

<第11試合 メインイベント 55kg契約 3分3R>
瀧澤博人(ビクトリージム/日本バンタム級王者)
vs.
チャンプアレック・ゲッソンリット(タイ)

<第10試合 メインイベント 52kg契約 3分3R>
麗也(治政館ジム/日本フライ級王者)
vs.
クックリット・ゲッソンリット(タイ)

<第9試合 セミファイナル 59kg契約 3分3R>
石原將伍(ビクトリージム/日本フェザー級3位)
vs.
ナコンレック・エスジム(タイ/エスジム/元ルンピニー認定フライ級王者)

<第8試合 63kg契約 3分3R>
永澤サムエル聖光(ビクトリージム/日本ライト級1位)
vs.
村中克至(ブリザードジム/NJKFライト級5位)

<大塚隼人 引退エキシビションマッチ 2分1R & 引退式>
大塚隼人(ビクトリージム/元日本ウェルター級1位)
vs.
緑川 創(藤本ジム/元日本ウェルター級王者)

<第7試合 58.5kg契約 3分3R>
拳士浪(治政館/日本フェザー級4位)
vs.
戦ふ神主 櫻木崇浩(武勇会/INNOVATIONフェザー級4位)

<第6試合 フェザー級 3分3R>
櫓木淳平(ビクトリージム/日本5位)
vs.
森下翔陸(CRAZY WOLF/GRADIATOR武士道王者)

<第5試合 ライト級 3分3R>
興之介(治政館ジム/日本ライト級6位)
vs.
内田将仁(Ys,K)

<第4試合 フライ級 3分3R>
幸太(ビクトリージム)
vs.
高坂侑弥(ワイルドシーサー群馬/INNOVATIONフライ級6位)

<第3試合 フェザー級 3分2R>
金子大樹(ビクトリージム)
vs.
深水康弘(トーエルジム)

<第2試合 63kg契約 3分2R>
鈴木裕也(治政館ジム)
vs.
鈴木智久(拳伸ジム)

<第1試合 フェザー級 3分2R>
渡辺航巳(JMN)
vs.
龍斗(横須賀太賀ジム)

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