[ファイトクラブ]ウクライナ半年とマット界上半期’22~11・20新日スターダム合同興行

[週刊ファイト9月1日号]収録 [ファイトクラブ]公開中

▼ウクライナ半年とマット界上半期’22~11・20新日スターダム合同興行
 真夏の祭典G1に思うIWGP〜遠い異国の蜃気楼かバニティフェアか?
 by 大島慶山 & タダシ☆タナカ+シュート活字委員会編
・有明アリーナ『新日本×スターダム Historic X-over』第1弾カード発表
・昭和蜃気楼のような夢:ウルトラマンと前田日明~IWGP女子王座新設
・大島慶山「さて、友人から送られてきたDVD見てから寝ようかな?」談
・Wall Street Journalビンス$5MMトランプ巨大扱い~第3次世界大戦
・アメプロ新黄金期と国内不調マット界上半期総括:東京D天心vs.武尊
・原点回帰マトリックス蘇生トリニティGhost in the Shell高層ビル少佐飛翔
・週刊ファイト伝統継承のアメプロにおける選手名カタカナ表記について


 8月23日『11・20新日本プロレス×STARDOM 合同興行 Historic X-over』会見があり、第1弾カードや橋本真也時代をモチーフにしたIWGP女子のベルト・デザインも公開された。

■ 新日本×スターダム Historic X-over(ヒストリック クロスオーバー)
日時:11月20日(日)開始17:00
会場:東京・有明アリーナ

<タッグマッチ>
トム・ローラー 朱里
vs.
ザック・セイバーJr. ジュリア

<タッグマッチ>
棚橋弘至 林下詩美
vs.
後藤洋央紀 舞華

<8人タッグマッチ>
タイチ 金丸義信 中野たむ なつぽい
vs.
エル・デスペラード DOUKI スターライト・キッド 渡辺桃

<IWGP女子王座決定戦>

※第0試合を含め、全9試合ほどを予定
※大会の模様は新日本プロレスワールドにて、PPV配信予定


▼IWGP女子王座決定トーナメント
◆一回戦:10・2新日本プロレス・ロンドン大会、10・22 STARDOM・後楽園ホール大会
◆準決勝:10・23 STARDOM・アリーナ立川立飛大会
◆決勝戦:11・20新日本プロレス×STARDOM合同興行・有明アリーナ大会
※エントリー選手に関しては追って発表

 第1試合のトム・ローラー抜擢は興味深い。なにしろ、自身が日本通の論客としてたびたびスターダム試合評も担当してきている。「トム・ローラー&朱里vs.ザック・セイバーJr.&ジュリア」~このカードは米国UFC経験者と、欧州系?の対決となるのだろうか。本人の希望が叶えられた格好になった。

昭和蜃気楼のような夢:ウルトラマンと前田日明~IWGP女子王座新設

 ロックマニアの友人から、うれしい贈り物が郵送で届けられた。ローリングストーンズのレアなDVD(※ブルーレイではなく、やっと筆者の希望通りの通常のDVDになった。画質優先より、利便性なのだ)や、NHK放送ウルトラマン番組のDVDだ。シンではない。

▼ノーパンとウルトラマンとグレイシー神話に”底なし沼”

[ファイトクラブ]ノーパンとウルトラマンとグレイシー神話に”底なし沼”

 初代ウルトラマンが初回放送(1966年7月17日)されてから、半世紀を超えてるのか。スゲェ! (シン)など付かない、初代ウルトラマンが最終回でゼットンに一敗地にまみれたのは、筆者もショックだった。ご飯は、普通に喉は通ったし、駄菓子も食べられたけど。
あの格闘王・前田日明氏が、その放送回を見て強くなりたい、格闘技がしたいと思った話は、書物に掲載された記事だけでなく、筆者は本人から直接、前田日明氏に尋ねたことがある。
 「本当の話、ウルトラマン好きだったし」と語ってくれたものだ。

 前田氏と藤原組長のトークショーでも、前田氏がその話をしたときに、藤原組長が「俺は名古屋で、ウルトラマン(ロビン)と戦ったことあるよ」と返すと、前田氏は、「えっ!? ウルトラマンですか?」と、驚いたように聞き返したことがある。名古屋のSGP(プロレス)で悪役の覆面レスラーが参戦してたこともあるが、現役時代の前田氏との夢の対決は実現することはなかった。当然か(笑)。

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▼昭和プロレス「少年たちとプロレス」1章 ラッシャー木村とガメラの日々

昭和プロレス「少年たちとプロレス」1章 ラッシャー木村とガメラの日々

 前田氏が、第一回IWGPのヨーロッパ代表として日本に逆輸入されてきた時は、いずれ、IWGPの王座は、彼が君臨するのだろうなと想起していた。レッド・ツェッペリンが伝説のライブを行なった、イギリスのアールズ・コート・アリーナで、ウェイン・ブリッジからWFGB(レスリング・フェデレーション・オブ・グレートブリテン)認定欧州ヘビー王座を奪取したとのフレコミだった。
 上背も高く、様々なスープレックスも使い分け、空手を基盤にしたキックは対戦相手に恐れられていた。ルックスもいいので、瞬く間にスター街道をまっしぐらに、登りつめたのは、読者諸氏には説明する必要もないだろう。

 彼の経歴の中で紆余曲折あったので、結局IWGPのシングルタイトルは、一度たりとも獲得していない。タッグはある(木戸修と高田延彦とパートナーを変えて2度)。前田日明が、欧州代表となった第一回IWGPの、大会開始前の打ち上げ花火のような新間寿氏の大言壮語は、「ホンマかいな?!」と思う反面、猪木&新間コンビの大風呂敷とはいいきれぬことも多く、誰もが「本当に実現するのか!?」というような対戦や企画を実現してきたのも事実だ。

▼バブルと共に弾け散ったUWF、前田日明~マット界をダメにした奴ら

[ファイトクラブ]バブルと共に弾け散ったUWF、前田日明~マット界をダメにした奴ら

 遠い異国の砂丘に浮かぶ蜃気楼のような夢を、リアルな現実に変えたりしてきたのが猪木新間のコンビだ。絵に描いた餅を魔術師のように、本当に食べれるようにした。
 NWF世界王座が返上された時は返上なんてしなくていいのに、NWF王座がなくなるのは筆者個人としては反対だった。世界中の王座が統一されることもないだろうし、世界各国をサーキットをすることもないだろうしと考えてたが、もしかしたら「ありえるかな?」と思わせるのも、頭脳明晰で口が立つ新間氏の香具師(やし、テキヤ)顔負けの口上に、ファンもマスコミも幻想に酔わされた。寅さんも上回る口上だ。

 現在の新日本プロレス内で認定しているIWGP王座の数々は列挙はしないが、また増えてIWGP女子王座が新設されるという。果たして全王座と、現在のチャンピオンを全て、間違いなく覚えているツワモノ、ヘビーなファンは存在するのだろうか? 新間氏ならたぶん辛辣に批判しそうだ。

 タイトルが統一されたり、非公式タイトルができたりと覚えきれないことも多い。タイトル統一のコンセプトで出来上がったIWGPが、かえって乱立することになっているとの批判もあろう。
 所属レスラーの人員数も多いし、タイトル設立された時のコンセプトとか能書きは、大半の若いファンにはどうでもいいことなので、ベルト割拠が受け入れられている。様々なコンテンツを持つ新日本プロレスの複数スター制をサスティナブルしていく上で、必要なアイテムとなっている。
 全日本プロレスでも、諏訪魔と宮原の2枚看板から、他のレスラーの底上げが昨年あたりから行われ、3冠タイトルを軸にまわっている。3冠王者が全日本プロレスチャンピオン、ノアのGHCが、ノアのチャンピオン、IWGPが新日本プロレスチャンピオンなのは、令和の観客は理解している。もはや力道山や猪木、馬塲の時代ではないのだ。それぞれのテリトリーがあり、その地域のチャンピオンが必要なのは自明の理であり、アンデステューピッド・タイトルやベルトが一つしかないのは営業上困難なのだ。


▼木村プロ玉砕引退!タイヤファイト池袋西口公園IWGP春満開の足音

木村プロ玉砕引退!タイヤファイト池袋西口公園IWGP春満開の足音

 池袋を題材にした池袋ウエストゲートパークもIWGPだが、製作者サイドに熱狂的なプロレスファンがいるのだろうか!? 全くの偶然とは思いにくい。
 そんなプロレスファンでは人気ブランドというか、マストアイテムと化したIWGPの王座が、なんと女子にも設立に及んでは、プロレスファンに賛否両論の♪情熱の嵐(笑)を巻き起こしている。
 まだ、王座決定戦も開催されていないのに、新日本プロレスとスターダム(女子プロレス)の経営母体が同じだから、いずれは完全合体するのか? スターダムが新日本女子プロレスと成るのか、WWEの如く新日本の興行に毎回女子が参戦し、タッグを組んだり、本戦として、アングルにからんでいくのか?とか、マニアは連日、マスコミやネット情報で妄想を膨らませ、一喜一憂している。
 あまりに反響が大きく、新日本の木谷オーナーとスターダムのロッシー小川エグゼクティブ・プロデューサーが個々にコメントを出している。この2人がコメントを出したということは。この2人の話で企画されたプランニングの可能性が濃厚だ。

大島慶山「さて、友人から送られてきたDVD見てから寝ようかな?」談

※500円電子書籍e-bookで読む(カード決済ダウンロード即刻、銀行振込対応)
▼’22年08月25日号石井慧3150Fight皇治 Chakuriki白鷺祭 終戦記念日G1クライマックス

’22年08月25日号石井慧3150Fight皇治 Chakuriki白鷺祭 終戦記念日G1クライマックス

 筆者個人としては、観客のニーズが多様化&細分化しているし、昭和じゃないから女子王座の創設も賛成だ。
 とあるスクエアなプロレスファンが、猪木さんならそんなこと(女子王座)を認めないし、女子が新日本のリングにあがるなんて!と否定して反対した意見を聞いたけど、猪木さんのプッシュもあり、故チャイナ(ジョーニー・ローラー)はマネージャーとしてではなく、選手として新日本プロレス所属の男子レスラーとして対戦してるし、エンターティメントとしても硬く考える必要はないと思う。

 それより、G1クライマックス覇者が決まったあたりから、季節外れの幽霊みたいにIWGP挑戦資格証があらわれるのは、反対だ。G1覇者とIWGP王者が新年の東京ドーム大会でタイトルを賭けて雌雄を決する期間が長いから、観客の注目度を維持させるためなのも理解できるけど、あんなWWEのモノマネどうにかならないか。
 それとIWGP実行委員会の構成メンバーは、名前は出せないのかな? なにしろ飯伏幸太セクハラ、パワハラ騒動の件からマッチメイカー菊池陽介、あるいは「よくセコンド回りにいる天パの小太り」(笑)は、他部署に回されたとのことで・・・。やれやれか。

 第一弾カードが発表された『新日本×スターダム Historic X-over』では、男子と女子のIWGP王者のタッグとかも見られそうだ。
 ロシアのウクライナ侵攻から半年の2022年夏、平和ボケは困るが楽しみは取っておきたい。

Wall Street Journalビンス$5MMトランプ巨大扱い~第3次世界大戦
               タダシ☆タナカ+シュート活字委員会編

―― 以下、オフレコ対談にバトンタッチとします。確かに平和ボケは困りますね。

オフレコ 日本のニュースしか見てない方にはわからないのだろうけど、深夜は英語のまま流しているBBC/CNNをCS放送で見ている習慣からしたら、「なにかの偶発的な事故から第3次世界大戦が起きても不思議でない議論」がアチコチで論客の発言から出ていることを紹介しないわけにはいかない。

―― なにしろ、プーチン側近の暗殺目的から車が爆発・炎上した。しかし、実際に運転していたのは娘だった事件の扱い。日本はちらっと程度でしたが、海外ではもの凄く大きな扱いでした。ウクライナは「我々はテロ国歌ではない」と関与を否定しているんですが、こういう要人の暗殺から展開が変わってくることはありうるシナリオなんです。

オフレコ 台湾問題での軍事演習で、ミサイル一発がコンピューターの誤作動で日本や台湾にマジに飛んでくるリスクがゼロとは言いきれない。

―― auのスマホ、また通信障害起きましたが、「二度あることは三度ある」と言ってた通りになりましたからね。

オフレコ だから、東京開催五輪の負の遺産であるまだピカピカの有明アリーナで、『新日本プロレス×STARDOM 合同興行 Historic X-over』があるとか浮かれてる場合じゃないかもという・・・。

―― 21世紀になって、大きな戦争がまた起きたという超のつく驚きがあった2022年ですから。

オフレコ もの凄く大きな扱いということなら、我々の対談を収録したあと知ったんだけど、ビンス・マクマホンの(新たな)500万ドル使途不明金が、トランプの財団に支払われていた件のウォール・ストリート・ジャーナル紙面の割きようにもビビったけどな。

―― こっちが先なんですけどね。ビンスが坊主にされてる写真を使う点でもセンスまでそっくりでした。

▼今週の要:トランプとビンス身から出た錆 終戦記念日 G1 CLIMAX総括

[ファイトクラブ]今週の要:トランプとビンス身から出た錆 終戦記念日 G1 CLIMAX総括

オフレコ いかに毎日、毎日、トランプがどうのをCNN以下が取り上げていることかも、日本の読者に知らせておくべきとなる。マット界に直接に関係してくるからな。

―― 商業媒体の役割は、なにが肝心かを伝えることにあります。いきなりミクロの直近RAW評を例にするなら、そりゃWWEジャパンさんの広報だと、紫雷イオとアスカの日本人対決があったことが強調されるのは仕方ありません。

オフレコ でも週刊ファイトは、トロントの超満員会場からの中継であり、カナダ出身のエッジがトリで勝利、元NXTのジョニー・ガルガノが登場、視聴率も高かったことに報道の力点を置くことになる。

▼カナダRAWトリッシュ~エッジDプリースト☆ジョニー・ガルガノTakeover2.0

[ファイトクラブ]カナダRAWトリッシュ~エッジDプリースト☆ジョニー・ガルガノTakeover2.0

―― 現地8月25日夜には、ゴシップ紙TMZが、退任後初めてビンス・マクマホンをフォーカスすることに成功しました。ジョン・シナ夫妻とマンハッタンのレストランで食事したんですが、なんとビンスは知らない女性同伴だったという・・・。

オフレコ フォーカスされたビンスは顔隠そうとしたんだけどな。もう長く別居しているとはいえ、リンダとはまだ離婚はしてないからな。そこがミソになる。

アメプロ新黄金期と国内不調マット界上半期総括:東京D天心vs.武尊

―― いずれにせよ、平和ボケだけは困ります。心地よい安住の小宇宙に閉じこもるプロレス宗教ファンも困ります。ロシアのウクライナ侵攻から半年ですから、マット界の専門媒体としては上半期を総括して反省することも必要になります。

オフレコ 辛口でやれってなら、「アメプロ新黄金期と日本絶不調」に尽きるんじゃないか? 

・1・4-5東京ドーム集客不調、1・8ノアとの対抗戦横浜アリーナの方が盛り上がる
・怒涛の怪力★ストロング小林81歳で死去~その偉大なる足跡を辿る

[ファイトクラブ]怒涛の怪力★ストロング小林81歳で死去~その偉大なる足跡を辿る


・ロシアのウクライナ侵攻勃発
・セクハラ、パワハラ告発以下、飯伏幸太の新日プロとの去就問題へ

―― 安部元首相が凶弾に倒れた事件も宗教絡みの怨念からだったと判明するんですが、日本のプロレスファンは聞く耳を持たない頑固な宗教信者ばかりで、結局「ヲタクがジャンルを滅ぼす」の格言通りなのがじり貧市況ではないでしょうか。自らの首を絞めてしまっている。

オフレコ 自身の妄想ファンタジーに浸る、閉じこもる方が心地良いからな。これぞ「巣籠生活」なんだけど、現実には日米格差がますます広がってしまった。

―― 大島慶山さんのコラムも『真夏の祭典G1に思う』で始まるんですが、「これで終わり? 短いよ」とは返したんですが、「保守的にまたオカダ・カズチカにしたのかぁ」と、肝心のG1内容にはあまり興味を持たれてないようで・・・。

オフレコ ウィル・オスプレイとの決勝戦以下、試合の中身は誉めて然るべきなんだが・・・。

―― 一歩、外に出たら誰もなにも知らない。新日に限らず国内のマット界への関心度が著しく低下している。さて、コロナのせいばかりではないんではないかと。

・天心Ghost In The Shell武尊ネット海に消えたのは格闘技6年間なのか

[ファイトクラブ]天心Ghost In The Shell武尊ネット海に消えたのは格闘技6年間なのか


・業界Game Changer好試合連続AEW新日Forbidden Doorシカゴ大熱狂

[ファイトクラブ]業界Game Changer好試合連続AEW新日Forbidden Doorシカゴ大熱狂


オフレコ 環状線の内、外でいくなら「天心vs.武尊」のThe Matchが東京ドームを56339人で埋めたはあっただけど、RIZINが借りたカネを巡っての醜聞発覚でフジテレビに切られたカードの裏面もあった。

―― 新日の会場と違って、そもそも小池都知事に嫌われている格闘技は、「声出すな」の場内アナウンスなかったです。

・今週の要:トリプルHタレント&Creative部門掌握もWWE売却加速か

[ファイトクラブ]今週の要:トリプルHタレント&Creative部門掌握もWWE売却加速か


・Jim Crocket Promotion死ぬかもと心配させたネイチ最後悲しいお別れ

[ファイトクラブ]Jim Crocket Promotion死ぬかもと心配させたネイチ最後悲しいお別れ


・ジーン・ラーベルさん89歳逝去!猪木アリ戦レフェリー「ケーフェイは墓まで持っていけ」

[ファイトクラブ]ジーン・ラーベルさん89歳逝去!猪木アリ戦レフェリー「ケーフェイは墓まで持っていけ」


オフレコ 結局はビンス・マクマホンの退任がマット界最大ニュースになるなぁ。もちろん、新日AEWの「禁断の扉」が開いたのはあったんだけど。

―― DDTの竹下幸之助が、自力で下から這い上がってRampageやDynamiteで認められたんですけどね。

原点回帰マトリックス蘇生トリニティGhost in the Shell高層ビル少佐飛翔

オフレコ ようやく『マトリックス レザレクションズ』のBlu-ray入手。鑑賞中もひっきりなしに電話がかかってくるから中断を余儀なくされたこともあるけど、やや長く感じたかなぁ。

―― 20年前のトリロジー、忘れてることも多く「ウサギのタトゥーって何だっけ?」とか気になったまま見続けたのもあったのでは?

オフレコ その通り。Blu-ray特典メニューの「トリロジーおさらい」から先に見るべきだった。

―― 本篇は悪くはないにせよ、なにせトリロジーのインパクトが戦慄すぎて、「さらにスケールアップ!」と言われても・・・。まぁ主人公たちが死んでいるから、リブート作品とするのか、理由くっつけて「復活・蘇生」にするのか。ネオ(キアヌ・リーブス)とトリニティ(キャリー=アン・モス)をそのまま使うんで、年齢に合わせてこうなったんですけど。

オフレコ 原点回帰の内容だったね。ただ、Blu-ray特典メニューの方が本篇よりはるかに面白くて・・・(笑)。やはり映画マニアは特典メニューまで見ないと作品を堪能できない。

―― 「週刊ファイトを定期購読してくれないと、上辺のどっちが勝ったとか試合経過は無料のネットに溢れているから、深くマット界を味わう体験できません」~というのと一緒ですかねぇ。

オフレコ なにしろ『マトリックス』以降、影響モロの作品なんかゴマンと氾濫しているから、ネオとトリニティのLOVE STORYにした本篇自体はあまり強い余韻を残す作品にはならない。

―― ラストは良かったかと。なにしろ『マトリックス』は、例の縦に流れるカタカナも入ったコンピューターのグラフィック以下、押井守監督の『Ghost in The Shell』(1995年)に強く感化された作品だったんで、トリニティが草薙少佐になって高層ビルから飛翔すると。ネオの手を握ったまま一緒になんですけど。

オフレコ あれは良かった。その観点からも原点回帰なんだよなぁ。そしてCGのグリーン背景使ったスタジオ内制作ではなく、本当にサンフランシスコの高層ビル屋上借りて、もちろんワイヤー・ロープは使うんだけどリアルに撮影されたことが特典メニューで明かされる。

週刊ファイト伝統継承のアメプロにおける選手名カタカナ表記について

―― もっとも『マトリックス』といえば、大量の薬きょうがバンバン画面に落ちてくるんですが、日本語字幕は「ブレット」ではなく「バレット」表記なのは違和感ありました。

オフレコ 新日本プロレスも「バレット・クラブ」なんだよなぁ。なんでやねん。

―― 米国会場現場組が集結している週刊ファイトは「パトリオット」でなく「ペイトリオット」で通したんだけど、自衛隊もミサイルを「パトリオット」と表記していると言われました(笑)。

オフレコ でも「パトリオット」と発音しても、現地ではまったく通じないよ。

―― 本誌は独自路線を貫くだけです。元ビー・プレストリーはブレア・デボンポートなんです。

オフレコ 我々はジャーナリズム主義。濃く深い分析と情報で、卒業しないファンを養成してファンの底辺拡大に貢献する。不変かつ普遍のテーマに違いない。