[ファイトクラブ]今週の要:トリプルHタレント&Creative部門掌握もWWE売却加速か

[週刊ファイト8月4日号]収録 [ファイトクラブ]公開中

▼ビンス引退業界歴史転換!ステファニーとニック・カーン共同CEO就任
 今週の要:トリプルHタレント&Creative部門掌握もWWE売却加速か
 タダシ☆タナカ+シュート活字委員会編
・WSJ醜聞報道からビンス「辞任」トリプルH全権掌握までの時系列
・RAW視聴者Up~NXT番組冒頭「ここ数日WWEがお騒がせしてます」
・注意:現時点で証券取引委員会への修正1,460万ドルは口止め料と別
・新日G1開幕も世間的には忘れられている他、国内の状況をおさらい
・喪失と再生『ドライブ・マイ・カー』に触発される天心x武尊の「ごめんな」


―― ついにこの日がやってきました。WWE会長ビンス・マクマホンの高齢を理由にした「引退」発表です。証券取引委員会への財務資料だと「辞任」なんですけど(笑)。

オフレコ わかっていたこととはいえ、グローバルなマット界見渡しても最大のニュースになる。

―― SmackDown生中継を控えた現地時間金曜の午後、内部者へのメールにて辞任が発表されました。「77歳になったので・・・」という高齢を理由にはしていますが、本誌既報通りウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)紙が、「不倫相手の口止めで(邦貨にして)4億円の支払」をスッパ抜いたことに端を発するスキャンダルが引き金になります。

オフレコ ハリウッドの大物プロデューサーだったハーベイ・ワインスタインの失脚も、ニューヨーク・タイムス紙の調査取材を契機に、次から次へと事例が明るみになって失脚となっている。こちらはようやく『She Said』のタイトルで映画化、近く現地でも封切られるニュースが洋画好きファン間の最新情報になる。やはり本誌だけでなく、そういう対比で報道しているのをあとから見つけた。本誌が先なんだけど。

――  こちらのマット界醜聞の方は、その後「16年の間に4人の女性(女性初のリングアナや、750万ドル払った女子選手含む)に合計で1200万ドルもの口止め料を払った」ことが一般媒体でも書き立てられ、もはや本誌のチラシ文言だと”絶壁”に立たされていました。詳細・拡大版の電子書籍ジャーナルには逐一詳細してある通りでした。どうか、バックナンバー購入願います。

オフレコ いや、「定期購読で全部揃えてください」やろが。
 醜聞の報道後、あくまで「テンポラリー(暫定的)にCEOを(娘)ステファニーに委ねる」という取締役会の措置だけのみならず、Creativeのトップという金看板は譲らないままで、何食わぬ顔でSmackDownの会場などに「出社」して、シナリオ班の草案を開始数時間前に「こんなのダメ」と没にするなど、番組作りの最終決定権はギブアップしていなかった。それが日本時間の土曜23日になって、ようやく「すべての職から降りる」との発表になった経緯になる。

―― この時点ではとりあえず、現社長であり超巨額のテレビ放送権料獲得に貢献してきたニック・カーン(AEWのトニー・カーンとは無関係)と、実娘ステファニー・マクマホンが共同CEOに就任の発表でした。
 またステファニーの夫であるトリプルHことポール・レベスクが、心臓疾患で手術は本当の話ながら、国際部長の肩書も剥奪されていたのですが、今回の組織変更でタレント部門のトップに返り咲きました。

▼SDサンキュービンス!セオリー死すべしレスナー豹変エバンス真輔キレキレ

SDサンキュービンス!セオリー死すべしレスナー豹変エバンス真輔キレキレ マカフィー泥沼コービン

オフレコ その現地金曜夜のSmackDownでは、”Thank you, Vince”の合唱になる。日本からは日曜以降にYouTubeで手軽に視聴できるようになった。いずれにせよ、遅ればせながらもグローバルなマット界の最大事件になり、歴史の転換点が公式に確認されたことになろう。


▼トリプルH25周年SmackDown Liveビンス・マクマホン飛来祝福!

トリプルH25周年SmackDown Liveビンス・マクマホン飛来祝福!

―― 画像上左が2020年4月のトリプルH25周年のSmackDownから。右は7月27日が誕生日なんで、英国で中継しているBT SPORTSのお祝い画像なんですが、トリプルHが当初発表のタレント部門トップへの返り咲きだけでなく、最初に醜聞がウォール・ストリート・ジャーナル紙に出て以来、暫定という形でCEOのポストから降りていたとはいえ、最後まで死守していたCreativeトップの座も「引退」宣言で降りていたんですが、なんとこれもトリプルHが就任という新体制になったことが発表されます。

オフレコ 述べるまでもなくNXTの創設者であり、専門媒体目線からなら正直、トリプルHのプロデュースする「旧NXT」がSmackDownやRAWよりもはるかに大幅に面白く、またPPV大会にせよ彼が監督する『NXT テイクオーバー』こそが、世間的に有名な『レッスルマニア』だの『ロイヤルランブル』よりも、圧倒的にレスリングの質のみならず充実の内容であった。本誌が自信を込めて「他と比べて欲しい」と問う年間総括の「鷹の爪大賞」でも、ベストマッチだのベスト大会は「旧NXT」の独壇場だった通りや。

―― ビンスが死守していたCreativeとは、要するに誰をプッシュしていくかや大河ドラマのアングルを考える団体の頭脳部門にあたり、シナリオ班の総数は40人もいるという大きな部署になります。直近までは未だ現役のビンスは生中継番組開始のわずか数時間前に「こんなのダメ」と書き直させていました。

オフレコ またその右腕はブラザーLOVEのキャラをやっていたブルース・プリチャードであり、要するに爺たちは考え方が古い。わかりやすい例がNXTのスターだったアダム・コールや。ビンスやプリチャード、そして今回の騒動で静かに消える運命にあるジョニー・エースことジョン・ロウリネイティスにとっては、「あんなちっこい奴がお茶の間大衆向きの番組では芽が出ない。しゃべりのマネージャー役ならどうか」と判断されていた。

―― ところがAEWに行った途端、アダム・コールはもう何度もメインイベンターを務めているだけでなく、列記としたスーパースターです。この例に限らず、今のファンが求めるスター像とはズレが生じていたことになります。

RAW視聴者Up~NXT番組冒頭「ここ数日WWEがお騒がせしてます」

オフレコ とにかく我々のような有料の専門媒体が、購入して下さる意識的な読者の皆様にきっちり伝えなければいけないのは、どれだけ今回のニュースが現地では一般メディアでも大きい扱いかということ。最初に醜聞をすっぱ抜いたウォール・ストリート・ジャーナル紙は一面トップにデカデカとやって、Twitter社の収益減よりもはるかに大きい。Varietyも大きく出した。日本時間の深夜は英語のままリアルタイムでやってくれるCS放送のCNNやBBCを交互につけっぱなしにしている海外フォロー派なら、何度も出てきたことにビックリしたやろう。

―― プ、プ、プロレスのニュースやってる!・・・そりゃ驚きます。WWEは上場企業という社会的責任もありますが、いかにプロレスが大きな国民娯楽の一端を担っているかを思い知ることになりました。

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