ビンス引退業界歴史転換!ステファニーとニック・カーン共同CEO就任

 ついにこの日がやってきた。WWE会長ビンス・マクマホンが「引退」を発表した。わかっていたこととはいえ、グローバルなマット界最大のニュースになる。

 SmackDown生中継を控えた現地時間金曜の午後、内部者へのメールにて辞任が発表された。「77歳になったので・・・」という高齢を理由にはしているが、本誌既報通りウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)紙が、「不倫相手の口止めで(邦貨にして)4億円の支払」をスッパ抜いたことに端を発するスキャンダルが引き金になった。ハリウッドの大物プロデューサーだったハーベイ・ワインスタインの失脚も、ニューヨーク・タイムス紙の調査を契機に、次から次へと事例が明るみになって失脚となっている。こちらはようやく『She Said』のタイトルで映画化、近く現地でも封切られるニュースが洋画好きファン間の最新情報になる。

 こちらのマット界醜聞の方は、その後「16年の間に4人の女性(女性初のリングアナや、750万ドル払った女子選手含む)に合計で1200万ドルもの口止め料を払った」ことが一般媒体でも書き立てられ、もはや絶壁に立たされていた。電子書籍ジャーナル本誌には逐一詳細してある通りである。

 しかしながら、あくまで「テンポラリー(暫定的)にCEOを(娘)ステファニーに委ねる」という取締役会の措置だけのみならず、Creativeのトップという金看板は譲らないままで、何食わぬ顔でSmackDownの会場などに「出社」して、シナリオ班の草案を開始数時間前に「こんなのダメ」と没にするなど、番組作りの最終決定権はギブアップしていなかった。それが本日、ようやく「すべての職から降りる」との発表になった経緯である。

 とりあえず、現社長であり超巨額のテレビ放送権料獲得に貢献してきたニック・カーン(AEWのトニー・カーンとは無関係)と、ステファニー・マクマホンが共同CEOに就任。またステファニーの夫であるトリプルHことポール・レベスクが、心臓疾患で手術は本当の話ながら、国際部長の肩書も剥奪されていたのだが、今回の組織変更でタレント部門のトップに返り咲いている。
 現地金曜夜のSmackDownでは、”Thank you, Vince”の合唱があったとのこと。日本からは日曜以降にYouTubeで視聴できる。いずれにせよ、遅ればせながらもグローバルなマット界の最大事件になり、歴史の転換点が公式に確認されたことになろう。


’22年08月04日号ビンス辞任トリプルH掌握 ノア中嶋勝彦 ROH全日 桑田佳祐ブアカーオ