[ファイトクラブ]天心Ghost In The Shell武尊ネット海に消えたのは格闘技6年間なのか

[週刊ファイト6月30日号]収録 [ファイトクラブ]公開中

▼天心Ghost In The Shell武尊ネット海に消えたのは格闘技6年間なのか
 photo & text by タダシ☆タナカ
・派手な火炎演出~大方の予想通り最重要だった1Rにダウン奪う天心
・どよめき4kg戻しまで当日計量61.95kg天心61.75kg武尊あっぱれ!
・大会MVPは武尊!東京ドーム満杯は悔しい思いをしてきたK-1ファン
・旧K-1のようなお茶の間浸透スター不在で15試合問題の9時間興行
・地上波放送ナシでABEMA PPV視聴者数50万人は成約件数にあらず
・梅木採点逆!NJK江幡睦辛勝Krush璃明武~RISE風音K-1黒田斗真
・SB笠原友希3-0Krush中島千博~マハムード・サッタリTKO内田雄大
・シナ・カリミアンMA王者山下力也 黒豹ベイノア空手入場良かったが…
・休憩空け第9試合YA-MANが入場から楽しませK-1の芦澤竜誠をKO
・関西ローカルDEEP☆KICK王者・中村寛2-0Krush王者レオナ・ペタス
・街でK-1選手言われたRISE白鳥大珠ローラ応援もゴンナパーTKO勝
・海斗に勝ってる長身K-1安保瑠輝也Anpo Rukiya 3-0判定 山田洸誓
・K-1 Rise Rizin告知「女子カードを」小林愛三 朝倉未来「格闘技集大成」
・感情籠る原口健飛TKO山崎秀晃!天心で最終RISE6-5K-1も意味ナシ
・「レベルの違い見せる」野杁正明敗退!Shootboxing海人「次は世界」
・30分+独演会紐解く 終了後天心-武尊はどんな言葉を交わしたのか?
・負けたら死のうと思っていた。終わるんだと思った。「これが遺書です」
・シュート活字総括


 父の日にあたる6月19日、満杯の東京ドームにて『THE MATCH 2022』が開催。那須川天心が武尊を判定下した。
 試合前これまでの6年弱の両者の軌跡をたどる映像がスクリーンに流されたのだが、BGMはチャリーンの音が鳴り響き、え?と思ったがやはり映画『ゴースト・イン・ザ・シェル』で使われた川井憲次のものだった。物語はヒロイン草薙素子少佐の魂が「ネットの広大な海」に消えていく結末であり、二人の優秀なキックボクサーにとってThe Matchが終焉を意味するメタファーに聞こえた。
 今回の東京ドーム大会は期せずしてこの5,6年の格闘技界の集大成イベントでもあり、まして直前になってフジテレビが地上波放送をしない発表に踏み出した件含めて、1つの時代の終幕を象徴していたからだ。

■ Yogibo presents THE MATCH 2022
日時:6月19日(日)
会場:東京・東京ドーム 観衆56339人=主催者発表

派手な火炎演出~大方の予想通り最重要だった1Rにダウン奪う天心

 両者の入場は火柱が何度もボンボンと上がる中を、ゴンドラでいったん天まで上り、旋回して中央に降りてくる派手なものだった。サッカーの解禁に続いて「声を出すな」のアナウンスこそなかったが、火柱の熱さが直接に感じられるのみならず、テント仕様の屋根のある東京ドームの場合、長くガソリンの匂いが残ったままになるのはコロナの飛沫対策より息苦しかった。

<第15試合 -58kg契約 3分3R延長1R>
〇那須川天心(TARGET/Cygames/RISE WORLD SERIES 2019 -58kg級王者、初代RISE世界フェザー級王者)
 判定5-0(29-28、30-28×3、30-27)
●武 尊(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/第4代K-1 WORLD GPスーパー・フェザー級王者)

 事前の予想通り、1Rを制した方が勝利に近づく展開となった。終了間際だったが天心の左フックに武尊がダウンする。

 大会後のインタビュー・スペースに出てきた天心は、相手の出方によって「何パターンを用意してきた」としたが、武尊のセコンドが「ジャブは捨てろ」と指示しているのが聞こえたという。よって「踏み込んで強く打った」のが会心の左ジャブだった。
 オープンスコアが採用され、5人全員が10-8をつけたことが確認されている。

 インタビュー・スペースでの第一声は「解放された」、「すべて終わった」であったが、判定を聞く最中から天心は泣いていた。主催者発表で56,339人の大観衆が集ったイベントでの大一番である。両雄ともに大きなプレッシャーがかかり、自己との闘いも高い壁だったのは想像に難くない。


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