眞傳 詠春拳教本最終第捌号

 2010年9月から始まった眞傳 詠春拳教本の執筆活動も2015年2月、最終第捌号の上梓を持って足掛け5年にわたる小念頭の段階は全て書き終える事となった。全巻で8冊にもなる膨大な特大巨編になったが、筆者から言わせれば、もっと詳細に書いておけば良かったと反省しきりである。
 今号は第7号までの内容が完全に理解・体現出来ると言う事が前提で書かれている。今号のみを門外漢が読んだだけでは理解・体現する事は既に容易ではない領域の事ばかり書いてある。しっかり理解するためには1号から順に正しく読み進んでもらわなければ不完全な穴の開いた拳技となるだろう。今号は読む者を撰んでいる。撰ばれた者だけが読む事が許される詠春拳の究極の技術書なのである。
 今号は第5章で対人練習では最後となる上馬攤手(ションマータンサオ)と則歩欄手(ジョッポーランサオ)について詳細に解説を施した。上馬攤手は黃淳樑系詠春拳では世界的に練習されている対人練習である。雙黐手と上馬攤手さえ出来れば黃淳樑系詠春拳なら世界いずれの道場であっても練習に参加する事が出来るワールドスタンダードな対人練習なのだ。則歩欄手は上馬攤手の変化から起こる現象なので、今号は上馬攤手を習得してもらう1冊と考えてもらって良い。
 上馬攤手で習得できる功夫は多岐に渉り基礎的な功夫の向上には不可欠の対人練習であり、この練習の正否で初歩的な功夫の進捗状況が明確に理解でき、練習者の度量が推し量れる対人練習なのである。そして、上馬攤手は小念頭の段階だけの習得内容ではなく、次の尋橋の段階でも必要になってくる功夫を養成する内容をも包含している幅の広い対人練習である。通常練習者は全課題の修了まで2年程の歳月をかけて練習し続けなければならない。すぐに習得できない内容である事が分かる。内容によっては時間を掛けなければ習得不可能な功夫もあり、その時間が来るまで愚直に反復練習するしか道はない。大変根気の要る作業である。
 第7章では過手の解説の続編に当たる「過手の展開原則② 」を書き下ろした。第6号で紹介した過手ではなく、より実戦的な闘いの詳細について解説を施している。歩法、角度取り、構え、戒め、メンタルの影響等多角的に過手を捉えて解説を行っている。
 第8章でも前号に引き続き木人の単式練習を紹介する。本来は小念頭の段階で木人は公開されない事が多いが、読者諸兄へのエキストラボーナスとして公開する事とした。木人の練習は中線の設定が難しい場合があるが、今号では中線の設定も含めて木人の重要な部分を全て公開している。

 今後は練習生の大半が次の套路・尋橋の段階となるなど上の段階で参考書の必要が生じればこれ以降の「眞傳 詠春拳教本」の続編を上梓する可能性はある。しかし、少なくとも最終第捌号上梓後2年間は執筆稼業を休養するつもりであるので、早くとも2017年以降に再びお目に掛かる事になるかもしれないので期待しないで待っていて欲しい。
 本書で紹介した拳技を一通り習得し頑なに術理を守ってさえいれば小念頭の段階は修了である。詠春拳では尋橋の段階になって初めて入門と良く言われる。本書は誰もが尋橋の段階になれる様に導く為に上梓された参考書である。筆者は本書によって一人でも多くの練習者が小念頭の段階を突破し、詠春拳へ本格的に入門できる様になってもらいたいと願うばかりである。    眞鍋 嶽山


 前号に引き続き最終第捌號では第8章で木人椿の單式練習法を紹介できた。小念頭では出てこない技も紹介できた。綑手(クヮンサオ)、上下耕手(ションハーガーンサオ)、轉馬圏手(チュンマーヒュンサオ)、移馬攤手(イーマータンサオ)の4法について詳細に解説を行った。特に轉馬圏手は当學院の練習生に教えても1回で人並みに出来た事がない練習なのでしっかりと読んで練習してもらいたい。本来小念頭の段階で木人の練習は必要ないが、読者諸兄へのエキストラボーナスのつもりで紹介してある。
 第7章では過手についての第2弾である。歩法、角度取り、ホリゾンタル黐手(腕無し過手)、手型、重心の安定とつんのめりの戒め、メンタル等について多角的に過手を検討してみた。特にホリゾンタル黐手(腕無し過手)はデビット・ピーターソン師叔考案の歩法と角度取りの習得に主眼を置いた訓練でなかなか画期的でもあり、紹介する事とした。詠春拳の中級者に昇格したいと願う諸兄は一度お試しする事をお奨めしたい対人練習である。

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眞鍋嶽山 眞傳 詠春拳教本最終第捌号

【別冊シリーズ】
眞鍋嶽山 小念頭講解
眞鍋嶽山 詠春拳独習法入門
眞鍋嶽山 眞傳 詠春拳教本別冊「イップ・マンの眞実」

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眞傳 詠春拳教本最終第捌号

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