眞傳 詠春拳教本 第5号

 平成24年3月、眞傳~詠春拳教本に新刊第5号が上梓された。今号は詠春拳の対人練習でも基礎に当たる擸打(ラップダー)の特集号、全104ページでお贈りする全力投球の1冊である。是非ダウンロードされたし!
 詠春拳の対人練習で雙黐手(セヨンチーサオ)と擸打は重要な意味を持つ。第4号では雙黐手をクローズアップして詳報したが、第5号では根幹をなす擸打を紹介する事となった。遂に詠春拳の核心部分が公開される!

 中國武術の対人練習では推手と言ってお互いに技を掛け合って無限に続く練習がいくつか存在している。対人練習に比重を置く詠春拳に於いては推手とは呼ばず、黐手と呼称する。黐とは絡みつくと言う意味であるが、お互い手を絡み合わせるので黐手と呼ばれる。ちなみに広東語で黐線(チーシン)という言葉があるが、糸がもつれて絡み合っている様という事から転じて、日本語の「バカ・アホ」と同意となっている。黐線という言葉は広東語の粗口(スラング)に分類され、特に香港人には使わない方がよい言葉とされている。

 詠春拳では、お互いが技を規則的に出し合う事によって無限に続くパターン練習が大別すると二つある。一つ目は眞傳 詠春拳教本第4号で詳報した「雙黐手」である。二つ目は今号で紹介する擸打となる。雙黐手と擸打は詠春拳の対人練習では根幹をなす拳技であり、この二つの対人練習から発展した対人練習から詠春拳は各種功夫が習得できるようになっている。詠春拳の対人練習を習得する上では必須の拳技であると言える。

 擸手は詠春拳の初期の段階では根幹をなす拳技であることは紛れもない事実である。簡単に説明すると、擸打とは相手の腕を掴んで相手を崩しながら、擸手によって相手の中線が開いたところに間髪入れず日字沖拳(ヤッチーチョンクン)を打ち込むと言う拳技だ。この段階になって詠春拳の対人練習は基本功(基礎技術)から応用技術へと展開することになる。通常、無限に両者が擸打を繰り返す対人練習の事を香港では、単に「擸打」と呼び、欧米ではこの対人練習をして「擸打サイクル」と呼称する。

 今号は、対人練習における基礎技術である擸打の習得に向けて集中的に解説を施した1冊である。第4号で詳報した雙黐手と今号で紹介する擸打を習得して第6号以降でこの基礎拳技から展開していく各種対人練習を習得していってもらいたい。全104?の大ボリュームでお贈りする全力投球の力作である。詠春拳の特徴は機械仕掛けのように整然と構築された拳技の為、精密に詠春拳の術理通り実施しないとまずもって「詠春拳にならない」と言う事態に陥ってしまう。第5号ではどの解説書よりも詳細に擸打を解説し誰でも分かる詠春拳の解説書を目指しているので是非ダウンロードして欲しい。

 日本に於ける詠春拳の普及状況というものは惨憺たるものであるが、技術的にも本場・香港とはほど遠い状況と言っていいだろう。隔たりがあるのをいい事に日本では技術的に未熟な詠春拳が横行しているのは正統詠春拳指導者として黙認できない事である。詠春拳教本はこの様な経緯で誕生した訳だが、日本の詠春拳でまともな雙黐手と擸打を指導している団体は我々「香港カンフー武術學院」だけである。雙黐手と擸打がいい加減と言う事は全てがいい加減と言う事に繋がる。筆者は一人でも多くの皆さんに詠春拳の正しい拳技を知っていただく為に今後とも活動していく意気込みである。

 今号から新たに第6章としてQ&Aコーナーが始まった。これまでに読者諸兄から寄せられた詠春拳に関する様々な質問に対して、筆者が明快に答えに答えるというコーナーとなる。詠春拳をやっていて技術的に混同してしまう所などについて、筆者がどこよりも分かり易く解説を行い、ひいては日本の詠春拳修行者全体の質の向上に資する事にでもなればと期待する次第である。

 また、今号より頒布価格を525円にさせていただいた。1号から4号までは眞傳 詠春拳教本を広く知っていただく為に378円という特別価格でお分けしてきたが、第5号より内容も詠春拳の核心部分を公開する事もあって、より詳細な解説が必要になってきた。その為内容に見合った525円という新価格で頒布させていただく事となったのでご了承願いたい。

 今号は詠春拳の対人練習では根幹をなす基礎技術である擸打の特集号となる。詠春拳の対人練習で雙黐手と擸打は重要な意味を持つ。待ちに待った詠春拳の核心部分が遂に公開される!
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眞傳 詠春拳教本 第5号

商品コード manabegaku005

価格 540 円

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