女子頂上決戦AZUMAx佐々木仁子~4・29NJKF『KICK TO THE FUTURE 2』両選手コメント発表

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佐々木仁子(左/J-GIRLSフェザー級王座戴冠時)、AZUMA(右)
<NJKF BONITA BOXEOフェザー級タイトルマッチ 3分3R>
AZUMA(y-park/NJKF BONITA BOXEOフェザー級王者)
vs.
佐々木仁子(チームドラゴン/初代J-GIRLSフェザー級王者)
AZUMA「挑戦者のつもりで。気持ちで負けないことが一番」
──3・25M-1でのサーオシン・ソーソピット選手とのWPMF世界フェザー級王座決定戦ではダウンを奪いながらヒジで切られて逆転のTKO負けという残念な結果でした。まずあの試合を振り返ると?
AZUMA 自分のダメなところが分かった感じですね、技術的な部分で。ヒジが怖いなというのはかすかにあるんですけど、だからってヒジありをやりたくないとは思わなかったですし、逆に今度はヒジで切ってみたいなと(笑)。
──それからほぼ1ヵ月で、また大一番を迎えることになりました。黒星ということもあるし、切られたというのもある中で佐々木仁子選手という強敵を迎える気持ちというのはどうですか?
AZUMA すごく楽しみですね。切られたのは気にならないし。初めて切られて縫ったので、初日と翌日とかは顔が腫れたんですね。それで会長と「佐々木戦、どうしようか」と話した時に、ちょっと弱気な部分もあったんですけど、関係ないかなと思って(笑)。
──関係ない?
AZUMA 切れてなくても同じかなと。試合だからもらうことはあるかもしれないですけど、やりたくないとかは思わなかったし、試合やりたいなと思ったので。あんまり気にしないようにしようと思って、気にしてないです。
──逆に言うと、切られた以外にはダメージはないわけですよね。
AZUMA ないですね。顔がちょっと腫れたぐらいで、あとはどこにも。
──で、佐々木選手なんですが、ずっとやりたかった相手ということですが。
AZUMA やりたかったですね。バンタム級の時(2007年12月)に一度やって負けて、多分みんな知らないんですけど、リングの上で言われたことがありまして。
──何ですか?
AZUMA 「バンタムのベルト、絶対獲れるよ!」って言われたんです。それでベルトを獲ったら佐々木さんに言って、絶対もう1回やらせてもらおうと思ってたんですね。でも、ベルトが獲れなかったんですよ。それでフェザーに上げて、フェザーで佐々木さんとやってもらおうと思ったんですけど、なかなか機会がなくてやれずじまいで。じゃあ佐々木さんとやるまでにいろんな選手とやっておこうと思って今に至ってるんで、佐々木さんが土台にあるんですよ(笑)。だからずっと意識はしてましたね。
──前回の試合での印象は?
AZUMA 正直な話、緊張しすぎて全く覚えてなくて。ダウンを取った時も、「あっ、倒れちゃった!」って感じで、自分が倒れた時も「あっ、倒れちゃった!」って感じで(笑)試合が終わっちゃったので。
──では、前の試合はないも同然という感じですか?
AZUMA ビデオでは見たんですけど、自分はあの時の自分とは全く違うと思うんで。佐々木さんの動きはどうか分からないんですけど、自分となると参考にならないなと思ってますね(笑)。
──では、それ以後の佐々木選手の試合はずっと見てるわけですか?
AZUMA そうですね。変な話、ストーカーみたいに佐々木さんのことをずっと見てたので(笑)、いろんな試合を見てますね。
──改めて、一番気をつけないといけない部分は?
AZUMA 気持ちで負けないようにしようと思って。そこだけかなと思ってます。試合なんで何があるか分からないし、佐々木選手の「あれが」とか「これが」とかあるのかもしれないですけど、その前に自分の気持ちで負けたらダメだなと思って。それだけですかね。
──今までの試合で、気持ちが折れたとか折れかかったとかいうのはありましたか?
AZUMA そういうのはなかったんですけど、リングに上がる時から弱々しい気持ちのことが多かったんで。変われたかなと思ったのは、3度目に大石綾乃さんとやった時(2011年11月)ですね。あの時は終わった後、ちょっと自分に自信を持ちました。一番プレッシャーを感じていた試合だったので、その後はちょっとだけ変われたかなと。まだまだですけど(笑)。
──その前戦、WBCムエタイ日本タイトルマッチでの大石戦(11年1月)は、ガーッと前に出てくる大石選手に押され負けたという印象がありましたが、次の対戦ではそこを克服していたように見えました。
AZUMA 自分の中で、ガーッと来られる相手に対して苦手意識はあったんですよ。勝手に自分で苦手意識を持って「ああ、やだやだやだ」っていうのが試合中にけっこうあったんですけど、それが確かに克服できた気がしますね。
──それを経験したというのは、その後にとってもいいことだったんですね。今回は防衛戦ですが、その点については?
AZUMA ああ……防衛戦という気持ちは全くないですね。今回は佐々木さんが自分のベルトを獲りに来てるんですけど、自分としては逆な感じですね。自分にとってはあの時のリベンジで、挑戦者みたいな感じです。自分がベルトを持っているので守らないといけないとは思うんですけど、自分、あんまりベルトとかこだわってないんで(笑)。だからそういう意味では、あんまり防衛戦という感じはしないですね。
──ではやっぱり、佐々木選手に挑むという気持ちですか?
AZUMA そうですね、はい。全部出し尽くそうと思ってます。
──前回闘った時から、一番変わったと思うところは?
AZUMA けっこう大舞台を経験してきたので、一番はそこかなと思いますね。佐々木さんとやってからNJKFのタイトルマッチもやってますし、中国でもやりましたしメリッサ(・ノートン)さんやサーウシンさんとの国際戦もやってるし、WBCのタイトルマッチもやりましたし、そういう意味では度胸がついたのかなって、勝手に思ってますけど(笑)。
──そういうものを含めてぶつけたいと。
AZUMA そうですね。あと自分が追い求めてるスタイルっていうのがあるんですけど、それを試合ごとに完成させたいなと。こないだの試合でできなかったことを、今度の試合でできるようにしたいですね。
佐々木仁子「パワーでは負けない。しっかり白黒つける」
──今回、対戦が決まったAZUMA選手とは2007年12月に一度対戦していますね。その時の印象は?
佐々木 その時はAZUMA選手が一つ下の階級で、体重を合わせてやってくれたんですけど、スピード感のある選手だなあと。対戦すると、「この人は男の人と練習してるんだろうな」というのが分かるような闘い方でしたね。
──試合の中ではダウンを取られて、取り返しての判定勝ちでした。AZUMA選手のどういう部分に強さを感じましたか?
佐々木 テクニックが豊富でスピード感があるというのはものすごく感じて、でも私はそれよりもパワーがあって、それで勝てたと思います。
──そこから時間も経ちましたが、今回はAZUMA選手がフェザー級の王者になって、そこに佐々木選手が挑戦するという形になりました。これは予想外?
佐々木 今回はこういう形になったんですけど、AZUMA選手がフェザー級に上がってきて、タイトルマッチうんぬんは関係なく、いずれは対戦するだろうなとは思っていました。
──では、AZUMA選手の試合はずっと気にかけていたんですか?
佐々木 同じ階級だから気になるし、AZUMA選手はKOを量産している点でも気になったので、チームの仲間の試合が被った時などは見てましたね。
──最近の試合ぶりについては?
佐々木 やっぱり巧みさもありスピードもあって、AZUMA選手らしい試合だなと思いました。NJKFさんで外国人選手からバックキックでダウンを奪った試合(2010年11月、メリッサ・ノートン戦)とか、大石綾乃選手との試合は記憶に残ってますね。
──佐々木選手自身は、前回の試合からどういう点が変わったと思いますか?
佐々木 あれから5年ぐらい経って、違う舞台で外国人選手とも何人もやらせてもらったし、海外でも何試合もやらせてもらったし、そういう意味では色んな経験を積んできた5年間だと思いますね。
──日本人選手のベルトに挑戦するというのは初体験だと思うんですが、その点は何か思うところはありますか?
佐々木 それよりもAZUMA選手との試合ということしか頭になくて、タイトルマッチをやらせていただくことはすごくありがたいんですけど、AZUMA選手との試合ということが一番ですね。これで勝ったら本当に日本のフェザー級チャンピオンだと言えるという気持ちの方が強いです。
──佐々木選手にとって、今のAZUMA選手はどういう存在ですか?
佐々木 フェザー級という同じ階級にいると、日本では向こうはスピードでナンバー1の選手で、私はパワーがある選手。だからそれで、誰が見ても面白い試合になるんじゃないかと思うので、お互いの存在を高め合えるんじゃないかと思います。
──発表された時から反響もありますし、ファン待望の組み合わせですよね。
佐々木 ありがたいですね。お客さんが見たいと思う試合を組んでもらえることはすごくありがたいし、そこに絡めることはなかなかないと思うので、今回は本当にいいチャンスだと思います。
──今回はBONITA BOXEOルールですが、その点は?
佐々木 そうですね、今まであまり首相撲ありのルールでやってきたことがないので、そのへんは見る人から見れば「佐々木は首相撲ができないだろ」と思われてるかもしれませんが(笑)、試合が決まってからその練習もやっているので大丈夫です。
──ただ、AZUMA選手はそんなに組むタイプじゃないですよね?
佐々木 そうですね。でも組んでからのヒザが速いとか重いというのはあるので、そこも対応できるように。組んでも面白い試合を。
──3分3Rですが。
佐々木 全く問題ないですね。チームドラゴンでの練習は3分3Rでやっているので、その方がやりやすいですね。私はじっくりいくタイプでもあるし、攻める時間が長い方がやりやすいので。
──AZUMA選手もそうですが、佐々木選手も女子では「倒せる」という部分で秀でた選手だと思います。その理由はどういうところにあると思いますか?
佐々木 格闘技を見始めた時に、総合格闘技だったんですけど、やっぱり一本勝ちとかKOの試合が面白くて、自分が格闘技を始めたらそれがやりたいなと思ったんですね。女子の試合ではKOがあんまり見られないんですけど、チームメイトの男子の試合はKOが多くて。見て育った分もあるし、見ていた分、自分の理想に近付けるというか近いところにいられたからKOできる試合ができたんだと思いますけど。
──倒すパンチのために特に重点を置いてやってきたことはあるんですか?
佐々木 やっぱりパワーをつける練習かなあ。ここにいると男子しかいないので、パワーをつけないと勝てないんですよ。スピードでは男子になかなか勝てなくて、パワーなら勝てるんじゃないかと思って。
──普通は逆なんじゃないですか?
佐々木 いや、私はパワーなら勝てそうだという自信があったんですよ(笑)。だからパワーをつける練習はずっとやってきましたね。筋トレとか男子と一緒にやってても、「この子には勝てるな」というのがあったんで(笑)。
──では今回の試合も、佐々木選手の側でカギを握るのはパワーということですか。
佐々木 そうですね。向こうはスピードと巧みさで来ると思うので。だから私はパワーでいこうと思うし、見る方もそういう風に見てると思うんですね。そういう試合展開になるんじゃないかと。自分が誇れるものはパワーだし、パワーで勝ちたいですね。
──では、前以上の倒し合いが見られそうですね。
佐々木 お互いに倒そうと思ってるでしょうし、特にAZUMA選手は倒せる選手で、私も倒せる選手だと思ってるから、見せたいというのはどの選手より強いと思うんですよね。その気持ちはお互いに強いと思うから、そういう試合になるでしょうね。
──デビューからキャリアを重ねて、この大一番が来たタイミングについては?
佐々木 フェザー級にいる選手とはほぼやってきて、まだやってない選手は一人になってきたので、どここかでやらなきゃいけないな、それが今なんだなということだと思います。
──NJKFには初参戦ということになりますが。
佐々木 チームドラゴンって、どこに行っても「敵」なんですよ。だけどそれがどこに行っても私たちのバネになってるんで。倒さないと勝てないって分かってるから。それはどこのリングでも一緒だと思ってるし、自分の気持ちの支えになってるから、逆にアウェー感を楽しむつもりでいます。
──最終的に、どういう試合を見せたいですか?
佐々木 やっぱりお客さんが見たいカードだったと思ってもらえると思うので、そういう期待を外したくないし、それを外さないのがいい選手だと思うので、お互いにしっかり打ち合って白黒つけたいと思います。
4月29日(日)東京・後楽園ホール
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<スーパーバンタム級準決勝>
前田浩喜(3位/キング) vs. 波賀宙也(4位/立川KBA)
<フェザー級準決勝>
洋センチャイジム(4位/センチャイムエタイ) vs. 琢磨(8位/東京町田金子)
<スーパーフェザー級1回戦>
階 勇弥(2位/健心塾) vs. 鈴木翔也(7位/OGUNI)
<スーパーフェザー級1回戦>
竜宜(5位/誠至会) vs. 鶴谷 剛(8位/OGUNI)
<スーパーライト級1回戦>
マリモー(2位/キング) vs. カズ宮澤(9位/PIT)
<スーパーウェルター級準決勝>
KEN(5位/OGUNI) vs. 山本バッファ弘樹(7位/大和)
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