さいたまSA超満員エドガーxヘンダーソン王座交代 ランペイジPRIDE魂 ハント豪快KO勝 岡見崩れ落ち 五味復活~『UFC 144』

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ディナ・ホワイト社長らが「日本でのUFC否定論を吹き飛ばした」と高らかに勝利宣言!
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敗者・勝者明暗あからさま~エドガーの左目の腫れがくっきりも欠席せず背広登場は立派

 オクタゴンと呼ばれる金網に囲まれた八角形のフィールドで行なわれる、世界最高峰の総合格闘技大会UFC。全米を中心に世界各国で月に1、2回開催され、世界中の格闘家たちが”最強”を目指しリアルファイトを繰り広げる! 
 11年ぶりにUFCが日本に上陸する!ここ数年、噂にのぼっては消えていた世界最高峰の総合格闘技イベント「UFC」の日本大会が遂に決定!2012年2月26日(日)、日本総合格闘技の聖地・さいたまスーパーアリーナで開催、そして、このビッグイベントをWOWOWが生中継する!

 メインイベントは王者フランク・エドガー対ベンソン・ヘンダーソンのライト級タイトルマッチ。2011年1月と10月にグレイ・メイナードとの歴史に残るタイトルマッチ2連戦を1勝1分で乗り越え、名実ともにライト級最強王者に登りつめたエドガーが、元WEC王者でUFC参戦後3連勝と絶好調の強豪ヘンダーソンと雌雄を決する。
 地元日本選手たちのカードも続々と決定した。ウェルター級に階級を落として新たなチャレンジに挑む秋山成勲は、タイトルマッチも戦った経験を持つジェイク・シールズを相手に不退転の試合に挑む。連敗脱出を期すライト級の五味隆典は、UFC初挑戦の光岡映二と今大会唯一の日本人対決が実現。ミドル級の岡見勇信は、ミドル級転向後2連勝中のティム・ボッシュと対戦、王座再挑戦への足がかりを狙う。昨年UFCデビューを勝利で飾ったフェザー級の日沖発は、同じくUFCデビューで勝利したばかりのバート・パラゼウスキーと対戦する。
 さらに、かつて日本のリングで名を馳せ、今もUFCの第一線で活躍するクイントン・”ランペイジ”・ジャクソンやマーク・ハントらも凱旋参戦!

 アメリカの熱狂と興奮をそのまま上陸させるUFC。最注目の日本大会は生中継!髙阪剛、稲垣收、髙柳謙一のお馴染みのUFC実況・解説陣に加えて、ゲストとして福山雅治が登場!髙阪剛とは10年以上も格闘技談義をするほどの大の格闘技ファンの福山。
 さいたまスーパーアリーナの熱狂と興奮をオクタゴンサイドよりたっぷりとみなさんにお伝えします!
UFC144は、2月26日(日)昼12時からWOWOW UFC-究極格闘技-で生放送だ。
※五味隆典の試合はメインカードから外れましたが、番組内で試合のハイライトを放送する予定です。

■ UFC 144 Edgar vs Henderson
日時:2月26日(日)10時00分開始
会場:さいたまスーパーアリーナ

<UFCライト級タイトルマッチ 5分5R>
○ベンソン・ヘンダーソン
 判定 3-0
●フランク・エドガー
 日本開催であっても一切手抜きせず、タイトルマッチを組んできたUFCにまず感謝したい。ライト級絶対王者の風格が出てきたヘンゾ・グレイシーの一番弟子“アンサー”フランク・エドガーに対するは、元WEC王者でもあり、ホイス・グレイシーの弟子ジョン・クランチの元でブラジリアン柔術を学んだというベンソン・ヘンダーソン。
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 いきなり前蹴りを放つヘンダーソン、それを捕えるエドガー、そこに回転キックを見舞うヘンダーソン、それをよけるエドガーとスピーディな攻防で観客を魅了する両雄。
キックのヘンダーソン、それを掴むエドガーという展開だが、2Rにはヘンダーソンのペダラーダ(ヘンゾ・キック)が命中し、エドガーが流血し、ヘンダーソン有利で試合が進む。しかしエドガーも無尽蔵のスタミナで試合終盤には盛り返すという驚愕の展開。ヘンダーソンがギロチンで捕えれば、エドガーもダウンを奪うと両者、死力を振り絞った激戦は判定にもつれ込み、試合終了と同時に観客も総立ちに。判定はヘンダーソンに上がったが、両者が勝者と呼んでも良い位、素晴らしい試合で、これぞ世界メジャー格闘技UFCという存在感を見せつけた。

<第11試合 ライトヘビー級 5分3R>
○ライアン・ベイダー
 判定 3-0
●ランペイジ・ジャクソン
 とにかく日本で試合をしたいとディナ・ホワイトに直談判して日本に乗り込んできたランペイジ・ジャクソンと、激戦区ライトヘビー級新鋭として期待されるライアン・ベイダーという重量級対決。
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 ベイダーは“ダース”の異名の通り、スター・ウォーズ帝国軍のテーマで入場。対するジャクソンは、PRIDEのテーマ曲で登場。しかし、試合は踏み込んで伸びてくるパンチとタックルを組み合わせたベイダーがペースを握る。2Rにはジャクソンが金網際で持ち上げてバスターという見せ場を作るものの、試合が進むにつれ、ベイダーのタックルが決まり、上をキープするという展開が続く。3R最後にはアームロック、ギロチンチョークまで仕掛けたベイダーが判定で勝利。

<第10試合 ヘビー級 5分3R>
○マーク・ハント
 1R 2分11秒 TKO
●シーク・コンゴ
 K-1王者として日本でも絶大な人気のマーク・ハントとミルコを倒した男、シーク・コンゴと、日本のファンが渇望していた迫力満点のヘビー級マッチを日本のファンの為に組んでくれた。
 試合はいきなりキックを出したら自ら倒れるハントといつも通り、殺伐とは縁遠い雰囲気を見せるものの、いざ打撃戦になるとサモアの怪人の本領発揮。ハントはラッシュから、コンゴを金網に追い詰めフック連発でダウンを奪い、そのままレフリーがストップ。ハントが見事なKO勝利で日本凱旋を果たした。
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 ズッファ社ロレンゾ・フェティータ(背広)眼下に雄叫びをあげるサモアの怪人マーク・ハント
試合後会見では無傷なため、3月3日「土曜日のオーストラリア大会も出られる」とか…

マーク・ハント
「準備万全で試合に望むのは当然ですよね。私のグローブが彼をとらえたところ、既に彼はクラっときていたようで、そしてフィニッシュしました。私は来週のオーストラリアでの対戦の準備は出来ているし影響はないです。ダナ・ホワイトさん、シドニーはどんな感じ?」

シーク・コンゴ
「1ラウンド目に彼の強力なパンチがヒットして、それで終わり。またトレーニングをして全体的に腕を磨きます」

<第9試合 ウェルター級 5分3R>
○ジェイク・シールズ
 判定 3-0
●秋山 成勲
 連敗中の両者、特に秋山は3連敗で後が無い。
 進退を賭ける秋山も沈痛な面持ちで試合に臨むが、打撃の手数、ヒット数でシールズが大きく上回り、ねちっこい組みつきで秋山を苦しめる。秋山も単発で柔道の投げを決めたり、徹底してシールズのタックルをきるなどを見せるが、試合はシールズのペースで進む。3Rには、シールズが打撃で追い込み、金網際でバックを制するが、秋山は何と金網を掴んでテイクダウンを阻止。しかしレフリーに注意され手を離すとシールズがグランドにひきこみバックからチョークを仕掛ける。ほぼチョークが極まりかけた所でタイムアップ。何とか一本負けだけは逃れた秋山だが、判定は当然、シールズで見事に勝利を飾った。
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鮮やかな払腰の瞬間(右)~見せ場は作ったが4連敗♪Time to Say Goodbyeなのか?

ジェイク・シールズ
「勝利はいつでも素晴らしいですね。秋山選手は思ったよりもタフで、彼のことを尊敬しています。彼のパンチはすごく強力でしたが、幸運なことに2発しか当たらなかったです。何が起こるかわからないものですね。次のファイトでは、私のチームメイトとの対戦で異論の多い勝利をあげているカルロス・コンディット選手と対戦したいです。また、大きな声援をあげてくれる、元気いっぱいの日本のファンは最高です」

秋山成勲
「(試合の感想は?の問いに)これが自分の実力です。テイクダウンは攻めの戦略の一つでした。まずはディフェンスに集中しながら相手の弱点を見つけて、そこを攻めようと思いました。このままウェルター級でやっていくかどうかは、少し考えたいと思います」

<第8試合 ミドル級 5分3R>
○ティム・ボーシュ
 3R 0分54秒 TKO
●岡見 勇信 
 ミドル級絶対王者アンデウソン・シウバに完敗した岡見の再起戦、対戦相手はライトヘビー級から階級を落してきたティム・ボーシュ。
 1Rはお互いに単発でパンチやキックを出す静かな展開。2Rには岡見が金網に押し付けてテイクダウン狙いで強引に倒すも、ボーシュがギロチンで捕える。岡見は何とか逃れ、腕狙いだが、無理せず上をキープするいつも通りの安全運転戦法。しかし、この徹底した安全運転で仕留めない岡見戦法が裏目に出てしまった。3R、岡見がこのまま流して判定勝ちを狙う事を読んでいたボーシュが猛然とラッシュ、パワフルに前に出るボーシュに岡見は防戦一方、ふらふらになって逃げる岡見をボーシュは金網で捕えアッパー連発。岡見は崩れ落ちる様にダウン、レフリーがストップし、ボーシュが逆転勝ちした。

ティム・ボーシュ
「まだ勝利した実感がわきません。最初の2ラウンドはあまりよくなかったですが、3ラウンド目で決められた。岡見選手の打撃は思いのほか強力でした。でも、それは私が彼の射程内にいたことが原因ですので、仕方なかったです。でも、前に詰めなければならないのは分かっていたので、アッパーで決めることが出来ました。いずれにしても最高の夜ですね。次はダン・ヘンダーソンと闘いたい。彼は僕のヒーローですし、そのヒーローを打ち負かすことが出来てこそ、本当に強いファイターと言えるのですから」

<第7試合 フェザー級 5分3R>
○日沖 発
 判定 3-0
●バート・パラゼウスキー
 戦極・修斗王者としてUFC参戦するも第一戦目はインパクトを与える事が出来なかった日沖に対して、「日沖は過大評価されている」と挑発を繰り返すパラゼウスキーという因縁マッチ。
 日沖コールの会場で1Rは日沖がハッスル。テイクダウンから上をキープし、腕十字は極まりかけたが、パラゼウスキーが耐える。しかし完全に日沖のラウンド。しかし、2Rはお互いに様子見で静かなスタンド戦となる。そして3R、再び日沖がテイクダウンをして、サイド、バックと制して試合を優位に進める。一本勝ちこそ出来なかったものの、安定の試合運びで日沖が判定勝ちした。

日沖発
「試合に勝てて良かったです。他の選手が持っていないテクニックを、完璧とは言えないまでもお見せすることができました。バート選手は立ち技が得意と聞いていましたので、特に驚きはなかったです。体が回復したら、またすぐに戻ってきたいですね」

バート・パラゼウスキー
「寝技勝負で自分がやりたかったことが出来なかった。プランとしては寝技勝負に持ち込みたかったんだけど、狙い通りにいったのは1ラウンドだけだった。自分の試合運びについて検討し直さなければならないかもしれません。今日は彼の方がいい試合をした」

<第6試合 ライト級 5分3R>
○アンソニー・ペティス
 1R 1分21秒 KO
●ジョー・ローゾン
 日本大会のメインカード第一試合は、普段のUFC魅力をそのまま伝える極上のカードが用意された。アンソニー・ペティスは、かつてベンソン・ヘンダーソンから驚愕の三角飛びでダウンを奪いWEC王座を奪取、まるで忍者の様だと大きな話題となった。対するジョー・ローゾンも名勝負製造マシーンとして、そのキャリアのほとんどが勝っても負けても一本というアグレッシブファイターだ。
 試合はスタンドの展開から、アンソニー・ペティスの左ハイキックが綺麗にローゾンの顔面を捕え一撃でKO。追撃のパウンドをレフリーがストップしてペティスが見事にKO勝ち。UFCの素晴らしさを見せつけた完璧な勝利だった。

アンソニー・ペティス
「試合に勝つのはすばらしい気分です。2011年は少し調子が落ち気味でしたが、やっと調子も戻ってきました。2012年はタイトルを狙いたいと思います。私はサウスポーなので相手が少し混乱したようですが、ジャブで攻めてハイキックで決めました。ファンあっての自分ですので、みなさんの為に勝ちたいと思っていました」

ジョー・ローゾン
「顔面にキックをもらってしまったのは明らかによくない展開でした。プランとしてはグランドに持ち込むことを考えていたのですが、何一つうまくいかなかった。今はとにかく家に帰って休んで、次の試合に向けて充電します」

アンダーカード
<第5試合 ライト級 5分3R>
○五味 隆典
 2R 2分21秒 TKO
●光岡映二
光岡映二
「(負けたのは)しょうがないですね。テイクダウンを狙っていて、とにかく疲れさせようと思った。打撃戦があって、1ラウンド目の最後が失敗でした。(次は)体重を落として、フェザー級で出場したいです」

<第4試合 バンタム級 5分3R>
○ヴァウアン・リー
 1R 4分29秒 腕十字
●山本”KID”徳郁

ヴァウアン・リー
「今、世界で一番いい気分だ。クレージーだ。信じられないよ!ここは日本だし彼を見に来ているお客さんがいるから、きっと彼もプレッシャーを感じていると思っていた。僕も以前、同じような状況になったことがあるから、彼の気持ちはわかるし、僕はそれを利用したんだ。プライドの時のように日本のお客さんは静かだろうと思っていたけれど、彼らは大歓声をあげて、すばらしかった。まず彼を疲れさせようと思ったので、ブローにブローをあわせた」

山本KID徳郁
「グラウンド勝負を避けたかったんだけど、それが出来なかった。初歩的なミスです。今後の予定は練習ですね」

<第3試合 ミドル級 5分3R>
○福田 力
 判定 3-0
●スティーブ・キャントウェル

福田力
「スティーブがすごく強いというのは、戦い始める前から分かっていました。とても緊張していたけれど自分を信じていたので、勝ったことがとても嬉しい。もう少しテイクダウンしたかったけれど、彼はすごく足腰が強かった。交通事故にあったこともあり休養せざるを得なかったけれど、待っていたかいがあった。このような機会を与えてくださったUFCに感謝します。また近々出場したいです」

<第2試合 バンタム級 5分3R>
○クリス・カリアーゾ
 判定 3-0
●水垣 偉弥

クリス・カリアーゾ
「厳しい闘いだったので、すばらしい気分です。寝技では私が優勢な形でしたし、積極的に攻めることができました。これで日本のファンが増えたら嬉しいです。私は立ち技タイプの選手ですし、ボクシングのテクニックを発揮できたと思います。今後は階級についてはUFCと相談します」

水垣偉弥
「勝利を盗られたような気持ちです。ほとんど、自分が上をとっていたし、パウンディングも決まっていた。負ける理由が見当たらないです」

<第1試合 フェザー級 5分3R>
○田村 一聖
 2R 0分32秒 TKO
●ヂャン・ティエカン

田村一聖のコメント
「今回の勝利を心から嬉しく思います。本当に多くの日本のファンの前で勝利できたことは特別なことです。タイクァン選手はテイクダウン、チョーキング、ストライキングが鋭い選手でした。この夢の舞台に早く戻ってきたいです」

詳細版は別冊ミルホンネット UFC襲来PRIDE消滅5年「しばくぞ、こら」戦士激白MMA歴史転換期記録に掲載されました。

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