これまでに新宿二丁目、歌舞伎町、銀座と、魔都東京の各所に根を張り続けてきた地下プロレス『EXIT』。思えば2009年の地下プロレスは、前年以上の混沌を我々に見せつけてきた。
オーストラリア、ハワイ、タイとグローバルに広がる地下戦場の輪、たった一年で焼失→再生というドラマを体験した“新聖地”CORE STADIUMの誕生、謎の怪女「Shakti」(シャクティ)の登場、地下の至宝WUW(World Underground Wrestling)王座の度重なる交代劇…、そんな波乱まみれの地下世界の2009年を締め括る12・27『EXIT-26 BLACKPALACE』の会場は、「BLACKPALACE=SOMEWHERE OF TOKYO」(東京の何処か)とだけ告知され、またしても新たなる謎が、我々に投げかけられた。地下組織WUWは、何処まで我々を翻弄し続けるつもりなのか…。誰か教えてくれよ。
これまで地下プロレス『EXIT』を独占取材し続けてきたミルホンネットは、これまでに培った極秘のネットワークを駆使し、「BLACKPALACE=SOMEWHERE OF TOKYO」にまつわる断片的な情報の数々を繋ぎ合わせて、その場所を突き止めた。
それは、恵比寿の「アメリカ橋」を渡ると見えるイタリアンレストラン「bERGAMO」(ベルガモ)。向かいにはガーデンプレイスのイルミネーションがきらめくこの瀟洒な街で地下プロレスが本当に? と不思議な気持ちになるが、店のエントランスをくぐり抜けると…、確かに其処にも、地下プロレスは存在した。
ホールの真ん中に鎮座する、鎖に囲まれた暗黒のリング。その周囲には、名店「bERGAMO」のシェフが腕を振るう料理に舌鼓を打つ紳士淑女。一般客の入場をシャットアウトしたこの会場で、地下プロレスを堪能するこのセレブ達は、いったい何者なのか!?
聞くところによると、特別に入場を許された彼らは、「WUWプレミアムBLACK会員」とのこと。紳士淑女が飲食しながら堪能する地下プロレスといえば、昨年12・10『EXIT-5』を思い出す。
思えば、過激な闘いを求めるセレブ達の危険な娯楽としてスタートしたのが、すべてのルーツであるフランス地下プロレス。その意味では今回の闘いは、昨年暮れの『EXIT-5』に続き、2009年の大詰めに「地下プロレスの原風景」が蘇ったといえよう。この「BLACKPALACE bERGAMO」での地下プロレス、次に此処で開催されるのはいつの日になることか――。
8・16『EXIT-20』でWUW王者に返り咲いたジャガー・ロゴフスキー。久々の東京凱旋となった今回は矢野啓太を一蹴し防衛に成功。
この日最大のサプライズは、ZERO1-MAXから姿を消していた“破壊王最後の弟子”浪口修の地下初登場。梅沢菊次郎を従えて高岩竜一&ジョータとタッグ戦に出場した。最後はジョータの胴締めスリーパーに敗れたが、溜まりに溜まった鬱憤を晴らすようなファイトは、彼を初めて見る紳士淑女たちの心にも届いたようだ。
第1試合でマッド光一を下した富豪2夢路は、セレブ達が飲食を嗜む前で展開される地下の闘い模様を目の当たりにして「梶原一騎の描いた地下プロレスは実在した!」と快哉を叫んだ。…そ、そういうことなのか!?
今回の闘いを含め、2009年の地下の闘い模様をプレイバックする『別冊ミルホンネット 地下プロレス大全~誰か教えてくれよ2009~』を2010年新春にリリース予定。長らくお待たせしました。今しばしお待ちください!
週刊マット界舞台裏’09年12月31日号~12・10 地下プロレス『EXIT-27 VILAX:B』~『EXIT-25 CORE:H』
週刊マット界舞台裏’09年11月26日号~11・15 地下プロレス『EXIT-23 VILAX:A』~『EXIT-24 CORE:G』
週刊マット界舞台裏’09年10月29日号~10・11 地下プロレス『EXIT-22 CORE:F』
週刊マット界舞台裏’09年9月17日号~9・6 地下プロレス『EXIT-21 CORE:E』
週刊マット界舞台裏’09年8月13日号~8・2 地下プロレス『EXIT-19 CORE:D』
週刊マット界舞台裏’09年7月16日号~7・5 地下プロレス『EXIT-18 CORE:C』
週刊マット界舞台裏’09年3月12日号~3・1 地下プロレス『EXIT-7 KABUKI』
週刊マット界舞台裏’09年4月09日号~南の果ての街・豪州アデレードで地下プロレス!?
紳士淑女の眼前で繰り広げられる地下プロレス…あの風景が蘇った! 12・27『EXIT-26 BLACKPALACE』
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