神出鬼没の漆黒天女イオ!ドレイク・マベリックKUSHIDA丸め込む歓喜

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 今週の番組は最初のキャリオン・クロス&スカーレットの入場、スモークがリングに漂うNXT初試合から最後の女子メインまで良く出来ていた。WWEネットワークを大画面で見ると、そのクロスのや昔からメタル好きリア・リプリー入場曲はステレオ効果も良く大音量で流せば無観客のハンディも吹っ飛ぶ。2014年の初日から苦労して加入はしているが、建前上日本では見られないとか、パソコン上の小さな画面だったが、今やテレビ内アプリから大画面と大音量なんだから隔世の感がある。コロナ後のパラダイムシフト社会としても月額サブスクリプションの手頃なエンタメ良品であろう。


 番組はこのところドゥームズ・デイ入場で煽っていたImpact Wrestlingのキラーならぬキャリオン・クロスが、無名Jobber相手にスクワッシュする試合から。バックドロップをマウロ・レナーロはSaito Suplexと呼ぶのだが、キャリオンがやるとドゥームズ・デイ・スープレックスになるようだ。

 そして「ここが俺のホーム!」とうそぶくトマソ・チャンパ親父が登場。6・7『NXTテイクオーバー:In Your House』でのメインカードが決まった。


 暫定クルーザー級王座トーナメント、別名ミニG1は佳境に。戸澤陽とファンタズマの息子は明らかにスイングしている。予想通り最初に2-0の成績を残した戸澤が寝るんだが、RAWでやらされるお仕事とは大違いなのは述べるまでもない。
 先週フォローのなかった、謎の黒覆面が選手を拉致するコント、ドラゴンゲートTシャツの戸澤がお約束でSUV車にさらわれそうになるが、ファンタズマが助けるというスキッドだったが・・・。


 緑髪にヘルメットのショッツィ・ブラックハート再紹介ビデオが挿入。これは本物の戦車を使った野外撮影で良く出来ていた。なんでもお父さんが長髪髭面バイカーのBAD ASS(ワル)で、彼女もパンクロッカーでバンドで歌っていたというのは「やっぱりそういう経歴かぁ」だろう。NXTを観なさいとやっても、「知らない選手ばかり」とライト層に言われてしまうが、こういう紹介をやっていれば、ジョーン・ジェット&ブラックハーツからリングネームにした人物像が馴染みになるに違いない。

 次週はマット・リドルと寝技職人ティモシー・サッチャーが、今度は金網戦との発表もあった。何度でもやってくれなのである。


 ミア・イムはサンタナ・ギャレットを撃破なんだが、お約束でジョニー・ガルガノとPoison Pixie”毒小悪魔”キャンディス・レラエも登場。当然、ミアのボーイフレンド、キース・リーもあらわれて、カップル抗争ということのようだ。


 ロデリック・ストロングと、売り出し中のデクスター・ルミスのカードは、あらたなデクスターのキャラがセールしない不気味なマッスルなので仕方ないのだが、いまいち印象に残らないかも。ただ、結末が意味を持たせる場合もあり、デクスター勝利が続くのかと思いきや、ロデリックが身体が固そうな無言男を丸め込んでいた。ただ、これまた当然にヴェルべティーン・ドリームが出てきて、アンディスピューティッド・エラとやりあっていたが、視聴者的には中だるみの箇所かも。


 さらに、ダニー・バーチ&オニー・ローカン組が、Ever Riseというよく知らないチームをスクワッシュしていたが、「我々だってフロリダに残っている」ということなんだろう。


 2時間目に入り、お待ちかねのドレイク・マベリックvs. KUSHIDAである。解雇の嵐が到来した際、最初に涙の訴えをSNSにアップして一気にユニバースの感情移入を勝ち取り、ある種の感応する英雄に祭り上げられ、アンダードックが食い下がる物語が自然発生するところがプロレス芸術の奥深さだ。そしてKUSHIDAの関節技で腕を締め上げられ何度も悲鳴を上げるのだが、最後に腕を極められたまま丸め込んでの3カウント勝利。誰もが「やった!」と画面に向かって叫んだのではなかろうか。NXTはユニバースの反応をもとに新たな物語を生み出したのである。
 これでAグループはKUSHIDA、ドレイク、ジェイク・アトラスの3名が2-1で並んだ。次週はこの3名が3 wayで闘うとウィリアム・リーガル=コミッショナーの伝達がなされる。ドレイクはさらにもう1試合が履歴に加わった。伝説は成就したのである。


 黒幕ダミアン・プリーストとフィン・ベイラーの6・7『NXTテイクオーバー:In Your House』戦も発表されている。ダミアンのTシャツはいかしたデザインなのだ。


 最後は紫雷イオvs.リア・リプリー戦。イオとシャーロットのは短か過ぎとの批判があったが、今回は尺も貰えたようでメインに相応しい熱戦に。

 そして女王様シャーロットのお出ましとなり、試合はノーコンテスト裁定に。ただ、これはイオを負けさせなかったということであり、実は凄いことなのだ。アスカの快挙といい、日本女子がトップ戦線にいることに他ならないのである。

 発表はされなかったが、6・7『NXTテイクオーバー:In Your House』はトリプルスレッド戦の雲行きだろう。

 コロナ期間の数字比較は深読みしてもニュース他の別要因がありうるのだが、今週の『水曜生TV戦争』の平均視聴者数はAEWが7%アップして701,000人。NXTは2%ダウンの592,000人となっている。

■ WWE NXT
日時:5月20日(現地放送時間)
会場:米フロリダ州オーランド近郊 フルセイル大学スタジオ

◆戸澤陽、ファンタズマに惜敗して1位通過を逃す

 “スタミナモンスター”戸澤陽が暫定NXTクルーザー級王座トーナメントのグループBの3戦目でエル・イホ・デル・ファンタズマと激突した。これに勝利すればグループ1位となる試合で戸澤は騙し討ちジャブやハリケーン・ラナを決めるとエプロンからのランニング・セントーンで攻め込んだ。さらに試合終盤には戸澤が必殺のダイビング・セントーンを決めるも、これをなんとかカウント2で返したファンタズマがファントム・ドライバーを炸裂させて熱戦を制した。

 この結果で戸澤とファンタズマは共に2勝1敗の成績ながらもファンタズマが直接対決に勝利したことでBブロック1位通過となり、暫定NXTクルーザー級王座決定戦に進出することが決定。惜しくも1位通過を逃した戸澤は「とにかく今は悔しい。なんとかKUSHIDAさんと日本人対決実現させたかったんですけど。負けてしまったものはしょうがない。これからマンデーナイト・ロウに戻ってそこで結果残して頑張っていきたいと思いますので、また応援宜しくお願いします」とコメントを残した。さらに戸澤が帰り際にファンタズマと駐車場で健闘を称え合っていると、謎のマスクマン2人組に突如襲撃されるハプニングが起きた。

◆ドレイク・マベリック次週3ウェイ戦!KUSHIDAは不覚の逆転負け

 KUSHIDAが暫定NXTクルーザー級王座トーナメントのグループAの3戦目でドレイク・マーベリックと対戦した。KUSHIDAは格下のマーベリック相手にドロップキックやハンドスプリング・エルボーを決めて圧倒すると、マーベリックの左腕を集中攻撃。さらにKUSHIDAはマサヒロ・タナカや掌底打ち(実況でもSHOTEI)から必殺のホバーボードロックを決めるもマーベリックは執念のロープエスケイプ。

 粘るマベリックに手こずるKUSHIDAだったが、試合終盤にアーム・バーでトドメを狙うと逆に隙を突いたマーベリックがKUSHIDAを丸め込んで3カウント。KUSHIDAが不覚の逆転負けを喫したことでAグループはKUSHIDA、マーベリック、ジェイク・アトラスの3人が首位タイで並び、次週のNXTでAグループ1位を決める3ウェイ戦が行なわれることが決定した。

◆リア・リプリー久々!紫雷イオ戦はシャーロット乱入でノーコンテスト

 王座戦線で抗争する紫雷イオとリア・リプリーが対戦するも、NXT女子王者シャーロット・フレアーの乱入により反則裁定となった。イオが先制のドロップキックを決めると、ダブル・ストンプやクロスフェイスを決めて因縁のリアに攻め込めば、リアもクローズラインや豪快なスーパープレックスで反撃して互角の攻防を展開。


 試合途中に王者シャーロットの入場曲が鳴り姿を現すと、イオが決めたハリケーン・ラナでリアがシャーロットに誤爆してしまう。これに怒ったシャーロットがリングに乱入するとイオにビックブートを放って試合は無効裁定に。さらにシャーロットはリアにもスピアーを決めるとベルトを掲げて王者としての存在をアピールした。イオは王座戦に続いて今回もシャーロットの越権行為で試合を潰され、3人によるNXT女子王座戦線はさらに混沌となった。


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