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前日に2週分が収録されたというNXTの録画中継は、フルセイル大学スタジオから。録画には良い点もあるわけでマウロ・ラナーロ、べス・フィニックス、そしてフロリダ現場にいるトム・フィリップスでの実況が実現する。つまり3人がまるで別の場所の前者は自宅にいるわけで、録画番組映像を見ながら音声をかぶせる次第だが、技術的にそれは可能ながら、大抵の場合は雑音でやや汚くなったり、ズレが生じたりするものなのに時代の進歩は凄まじい。まるでその場にいたかのようにクリアな音声で実況がシンクしているのだから大きなプラスだと評価する必要がある。
番組はミニG1形式で勝率を競うNXTクルーザー級暫定王者トーナメントから。前週で戸澤陽に負けたアイゼア”Swerve”スコットが出てきたから、ああ、今回は勝つんだなぁとはわかるんだが、ファンタズマ息子との試合はしっかりしている。あとで正規王者ながら英国から出国できない「渡航難民」ジョーダン・デブリンからのSNSコメントも紹介されるのだが、中身がどれも素晴らしくて参加選手は逸材ばかりなんだから無観客時代のヒット企画だろう。
負けたエル・イホ・デル・ファンタズマにも、また謎の覆面組にさらわれそうになるスキッドが挿入されて落ちないようにしていた。AEWのダークオーダー軍のようなユニットの黒幕は誰なのか? スペイン語だけで通しているファンタズマは以前は素顔でNXT番組に出ており、ハンサム自慢でもあり英語もペラペラだから、意外と黒幕は別人格の本人だったりして・・・。
続くは性悪女キャンディス・レラエがジョニー・ガルガノと一緒にお出ました。夫婦Tシャツも発売された。新キャラは”Pint Sized Poison”とのことで毒針を刺してくるらしい。
対戦相手はアメリカン忍者優勝のケイシー・カタンザーロだが、見せ場もちゃんとやらせてスクワッシュにはしていない。顔面をモロに叩きつけられるキャンディスの必殺技ウィキッド・ステップシスターは説得力も十分。さらにヒールらしく最後またリングに戻ってガルガノのクリス・ベノワ式エスケープを極めてタップまでさせていた。今後は座頭市の中村玉緒のように愛憎入り乱れた裏切り劇もあるのだろうか。楽しみだ。
B̶o̶n̶n̶i̶e̶ ̶&̶ ̶C̶l̶y̶d̶e̶
J̶a̶y̶ ̶Z̶ ̶&̶ ̶B̶e̶y̶o̶n̶c̶e̶
T̶o̶m̶ ̶&̶ ̶G̶i̶s̶e̶l̶e̶
J̶i̶m̶ ̶&̶ ̶P̶a̶m̶
H̶a̶r̶r̶y̶ ̶&̶ ̶M̶e̶g̶h̶a̶n
C̶o̶r̶y̶ ̶&̶ ̶T̶o̶p̶a̶n̶g̶a̶
B̶o̶b̶ ̶&̶ ̶L̶i̶n̶d̶a̶
W̶i̶l̶l̶ ̶&̶ ̶J̶a̶d̶a̶
T̶o̶n̶y̶ ̶&̶ ̶P̶e̶p̶p̶e̶r
M̶i̶c̶k̶e̶y̶ ̶&̶ ̶M̶i̶n̶n̶i̶e̶
Johnny & Candice pic.twitter.com/w7WUycB0Gf— Johnny Gargano (@JohnnyGargano) April 30, 2020
ひょうなことからまた凸凹コンビを組むことになった”はぐれ狼”マット・リドルと、堅物のティモシー・サッチャーなんだが、バイロン・セクストンを司会にしたクイズ番組”Newly-Bros Show”セグメントに登場。サッチャーは「俺はテレビなんか持ってない、見ないから」とリドルとのチグハグぶりを見せるんだが、それでもリドルが次々にサッチャーの考えを当ててしまう。
これはこれで面白いと思うんだが、お約束で欧州インぺリアムのフロリダ残留組に奇襲されていた。
今週の華のある目玉的には、やはり女王様シャーロットvs.ミア・イムだろうか。大変良く出来た次第ではあったのだが、もうちょっと尺を貰っても良かったような。ただ、無観客試合の鉄則として、なるべく短いTIMEにするというのがあるから、「もっと見たかった」と思わせるくらいでちょうどイイという考えもあろう。
キャラを変えて再プッシュとなったデクスター・ルミスは、シェイン・ソーン(ヘイスト)教官をスクワッシュ。まぁ一方的な展開にはしてないが変形の”KATAGATAME”を極められていた。
さて、お待ちかねのドレイク・マベリックの登場である。もう完全なベビーフェイスになっていて、実況でも居なくなることが触れられている。「WWEのマベリック(異端者)だぁ~!」と応援されるのだ。そういえば1986年の映画『トップガン』の主人公名であり、2020年公開延期のままの続編は邦題表記で『トップガン マーヴェリック』なのである。仕事の出来るトニー・ニースとの試合内容も非常に良かった。
次回はKUSHIDA戦だ。この二人が、他の試合を全部食ってしまえばいい。視聴者とのガチンコ勝負の行方への試練が始まった。
"I'M NOT LEAVING, BECAUSE I LOVE THIS. I LIVE FOR THIS. I'M NOT LEAVING UNTIL I'M THE NXT #CRUISERWEIGHT CHAMPION!" – @WWEMaverick #WWENXT pic.twitter.com/ek0UhVkGFg
— WWE NXT (@WWENXT) April 30, 2020
メインはNXT北米王座戦。キース・リーvs.ダミアン・プリーストの遺恨戦である。パフォーマンス・センターよりやや広いフルセイル大学なので、客席になる場外も使って大男同志のヘビー級の闘いは見ごたえ十分の攻防に。
最後はスピリットボム二連発で王座防衛。トリを締めてくれたのであった。
平均視聴者数はAEWが693,000人に対して、NXTは637,000人となり、両者の下降傾向が続いている。無観客仕様になって、熱気がないと見なくなった大衆層がいるのは仕方ないことだ。
■ WWE NXT
日時:4月29日(現地放送時間)
会場:米フロリダ州オーランド近郊 フルセイル大学スタジオ
◆次週、イオ対シャーロットのNXT女子王座戦が決定!
NXT女子王座挑戦者決定ラダー戦を制した紫雷イオと王者シャーロット・フレアーのNXT女子王座戦が次週のNXTで行なわれることが決定した。この日、シャーロットがミア・イムとノンタイトル戦で対戦すると、シャーロットは「カモン!ミア」と挑発しながらチョップ2発放って攻め込んだ。ミアも得意の打撃からキャノンボールやトルネードDDTで怒涛の反撃を見せたが、余裕のシャーロットは「ひれ伏せろ」と言いながらミアを踏みつけると最後はフィギュアエイトを決めてタップ勝ちを収めた。
試合後、突如登場したイオが「おい!シャーロット! 次週、お前は私のものになる」と挑発して王座戦が行なわれることが明らかになると、両者は敵意剥き出しに睨み合った。