NXT戸澤陽アイゼア・スコット白熱戦!Mリドル相棒ティモシー・サッチャー

©2020 WWE, Inc. All Rights Reserved.

 今週から原則LIVEということで、マウロ・ラナーロの実況音声だけかぶせるギミックを避け、トム・フィリップスとバイロン・サクストンが全試合を担当するのだが、フルセイル大学スタジオからの試合もあれば、パフォーマンス・センターで録画収録されたトーナメントのカードもありと、うまくわからないように合成している。99%の視聴者にはどっちがどれなんか気が付きもしないだろう。重箱の隅をつついても意図はなく、短い試合を中心にメキシコからファンタズマの息子など今後出てくる選手の紹介や、キース・リーがおばあちゃんの影響でプロレスにはまったものの、いざ、レスラーになると両親に告げたら勘当されて、しばらくホームレスになったという回顧プロモまで、楽しめるバラエティ番組として飽きさせなかったのは誉めるしかない。


 その中でも、ずば抜けた試合だったのは戸澤陽vs.アイゼア”Swerve”スコットである。いわゆる長身で足の長い俊敏の黒人選手だが、器用にレッグロックを返したりとか、ちゃんと足も鍛えているし関節技の攻防が出来る。凄い逸材だと見直すと同時に、職人の戸澤陽が素晴らしい。『Worlds Collide米英対決』でNXTクルーザー級王座を戴冠した英国のジョーダン・デブリンだが、当然今はフロリダに入国出来ないから、暫定王者を決めるというもので、AブロックとBブロックにわけてとかは新日プロというか、日本のやり方を踏襲している。昨日、解雇が発表されたリストに入ったリオ・ラッシュとも凄い試合をしていたデブリンだが、戸澤陽の勝利から始まったトーナメントだから、これは期待の持てる名勝負が続出しそうである。


 番組はフィン・ベイラーがファビアン・エイクナーに1916(ブラディサンデイ)を決める試合から。インぺリアムは親分のウォルターが入国できないから『NXTテイクオーバー:ポートランド』予定のカードが実現しないままだが、米国に残ったインぺリアム軍を一人ずつ片付けるという算段だろう。マーセル・バーセルもちょっかい出していたが・・・。


 ダコタ・カイのボディーガードにして大女のラケル・ゴンザレスが因縁のティーガン・ノックスとシングル戦に登場。まぁ予想出来た展開だろうが、カイがセコンドでちょっかいを出すので孤軍奮闘のティーガンに、ガントレット戦で目立ったショッツィ・ブラックハートが助っ人乱入してヘルメットでゴツンとやる。ということで、次回はこの4人のタッグ戦に続くのであった。


 今回売り出されたのはデクスター・ルミスである。TNA/Impact Wrestling時代はサミエル・ショーを名乗ったが、テフティ・マイルズ相手に怪力殺法を見せていたものの、裏投げからのアナコンダ・バイスと、日本のプロレスを研究しているタイプになる。


 アダム・コールは、今回も自宅のデッキからのプロモ映像だけで、『NXTテイクオーバー:ポートランド』で実現しなかったベルベティーン・ドリームがプロモやるんだが、コールが「今は外に出たくない」ということなのか、次はフィン・ベイラー戦のようだ。


 試合のトリはNXTタッグ王座戦なんだが、マット・リドルと珍道中コントの凸凹コンビになる英国のピート・ダンも当然渡航が出来ないから、替わりに元EVOLVE王者でグラップラーのティモシー・サッチャーが登場。防衛を続ければ、ピートが戻った際には王者というのはロジックとしてオカシイのだが、まぁ固いこと言っても仕方がない。

 このサッチャー、実況席でも複数回「Fujiwaraアームバー」と紹介されていたし、相手がなにしろロデリック・ストロング&ボビー・フィッシュだから試合は悪かろうはずがない。腕取りを妙味を魅せてなかなか期待が持てる。もっとも、ロッカールームで孤立のマット・リドルは、誰とも組んで貰えないのだろうが・・・。今回も、サッチャーが腕極めてタッグ王座防衛(笑)しても、ナンセンスはお断りタイプの堅物キャラだからパートナーと喜んだりはしない絵にしていた。


 番組の最後は、トマソ・チャンパが「敗軍の将は兵を語らず」のモノローグなんだが、キラー・クロス(NXTではカリオン・クロス)が後ろから襲ってチャンパがやられるエンディング。新たな抗争プログラムが始まったことになろう。
 水曜生TV戦争、平均視聴者数はNXTが692,000人(前週比-1000人)に対して、AEWは683,000人(前週比-9000人)と二週連続でNXTが上回っている。もちろん戦時下なのでニュース番組が圧倒的なため、激突が始まって以来の低い視聴者数合計なのは仕方ないが、目玉の王座戦ジョン・モクスリーvs.ジェイク・ヘイガーで勝負したAEWがまた逆転を許した点は注目だろう。
 

■ WWE NXT
日時:4月15日(現地放送時間)
会場:米フロリダ州オーランド フルセイル大学スタジオ、パフォーマンス・センター

◆ベイラーがインペリアムのアイクナー撃破!ドリームとも因縁勃発

 フィン・ベイラーが以前襲撃を受けたインペリアムのファビアン・アイクナー(withマーセル・バーセル)と激突した。ベイラーがドロップキックやファイナル・カットを決めて試合をコントロールすると、アイクナーはセコンドのバーセルが介入した隙にバックブリーカーを決めて攻め込んだ。ベイラーは介入を繰り返すバーセルを場外で捕まえるとスリング・ブレイドやジョン・ウーで蹴散らすと、アイクナーのムーンサルトをかわし、クー・デ・グラから1916でアイクナーを沈めて3カウント。ベイラーは介入に苦戦しながらも因縁のアイクナーを撃破した。試合後にベイラーは「これはこれから起こるプレビューみたいなものだ。今度会おう」とインペリアムでNXT UK王者ウォルターを挑発。さらにベイラーはベルベティーン・ドリームとも舌戦を展開すると、次週のNXTで対戦を要求されて睨み合った。

◆戸澤がトーナメント初戦制して王座奪還に闘志

 “スタミナモンスター”こと元クルーザー級王者の戸澤陽が暫定NXTクルーザー級王座トーナメント初戦でアイザイア・スコットと激突した。戸澤はチョップの応酬から騙し討ちジャブやビックブーツを放って攻め込むと、スコットもエプロンの戸澤にハリケーンラナを決めて反撃。さらに戸澤がオクトパスホールドからドラゴンスリーパーで締め上げれば、抜け出したスコットが必殺のハウス・コールを決めるもカウント2。戸澤はこれに動揺したスコットをターンバックルに叩き付けると、スピンキックから渾身のダイビングセントーンを決めて3カウント。戸澤が見事スコットを撃破して暫定クルーザー級王座トーナメント初戦に勝利した。試合後、戸澤は「とりあえず1勝できた。俺の身体が潰れるまで闘い続ける。そして勝ち続ける。3年前、クルーザー級のトーナメントで俺は負けた。その悔しさをずっと忘れてない。だから今年は絶対クルーザー級のチャンピオンに返り咲いてみせる」と王座奪還に闘志を燃やした。

◆次週はKUSHIDA、解雇されたドリュー・マベリックも登場


※月額999円ファイトクラブで読む(クレジットカード、銀行振込対応)
▼否WWE-油断大敵-幽閉民に問うコロナShockwaveとマット界の未来

[ファイトクラブ]否WWE-油断大敵-幽閉民に問うコロナShockwaveとマット界の未来

▼祝福の独裁者ビンスとバベルの塔破壊MITB-パラダイムシフト後のマット界

[ファイトクラブ]祝福の独裁者ビンスとバベルの塔破壊MITB-パラダイムシフト後のマット界

▼ジャンボ鶴田さん命日-墓掘人The Last Ride-V字回復に秘策はあるか

[ファイトクラブ]ジャンボ鶴田さん命日-墓掘人The Last Ride-V字回復に秘策はあるか

▼WWE墓掘人+オーエン・ハート実録-星輝ありさ引退-UFC他世界情勢

[ファイトクラブ]WWE墓掘人+オーエン・ハート実録-星輝ありさ引退-UFC他世界情勢

※500円電子書籍e-bookで読む(カード決済ダウンロード即刻、銀行振込対応)
’20年04月30日号WWE プロレス映画 田村潔司 虎面新間寿 木村健吾A猪木 修斗ONE MasF

’20年05月07日号お家GWマット界の明日 トランプ-ビンス 長州-前田 馳浩 CAC2009頂点

’20年05月21日号MITBアスカGスラム墓掘人実録 UFC再開 新日 J鶴田 駆逐コロナ映画

’20年05月28日号オーエン・ハート実録 星輝ありさ 石井智宏 シカティック 馬場さん