NXTエンジェル・ガザにJデブリン-Tブリーズ超絶!ベルベティーン・ドリーム復帰

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 良くも悪くもRAWやSmackDownのスーパースターがNXTに出ると視聴率が上がる。WWEネットワークのみの特番だったNXTとは違う、USAネットワークで放送されて一般大衆が相手なんだから仕方ないことだ。ただ、それなら今回シャーロットがNXTに戻ってリア・リプリー戦について表明?と煽られていた以上、まずは冒頭に出て、それから最後にまた出てくるとかの構成順番にすると思ったんだが、予想に反して冒頭はBroザーウェイトのマット・リドル&ピート・ダンの「ダスティ・ローデス杯」優勝チームの引き続きのお祝いから。あの小さなスタジオにゴルフカート、天井には優勝カップで乗り込み、『NXTテイクオーバー:ポートランド』ではアンディスピューティド・エラは元reDragon組のタッグ王座に挑戦するんだが、そもそも乱闘が始まり、ウィリアム・リーガル=コミッショナーが「だったら前哨戦の6人タッグやれ」となるセグメントである。
 ただまぁ、よくよく考えてみたら、結局RAWでも今回のNXTでもシャーロットがはっきり言わないのは、『テイクオーバー』のリプリーvs.ビアンカ・ブレア戦がまだだからで、そりゃそうか、今言うわけにはいかないと納得する。


 視聴率観点からも重要な最初の試合はRAWデビューに続いてエンジェル・ガザから。ほらね、この色男を売り出さないと間違っていると本誌が残した通りになり、イザヤ”Swerve”スコットと目まぐるしい展開を披露してくれた。なんかRAWのミステリオ戦とスピードが違うんだが、どうしてもあっちの番組だと「ゆっくり、わかりやすくやれ」と言われてしまうんだろう。


 続いてはドミニク・ダイジャコビックvs.キリアン・デインで、長身ドミニクは動ける。飛べる。これでテイクオーバーでは、再びNXT北米王者となったキース・リーとの名勝負数え唄となった。


 前半はずっとアンディスピューティド・エラの4人が、「トマソ・チャンパはどこにいる?」と通路や舞台裏でいじめを繰り広げるんだが、KUSHIDAがゴミ箱に落とされる役で出演と。いや、こういう役割でも「忘れてませんよ」ということであり、ケガで試合こそ出来ないが出して貰えるだけでも選ばれし者なのだ。すでに名前のある選手に限っても、出たくとも出してもらえないのが何十人もいるNXTなのである。


 今回のカードで目立ったのは『Worlds Collide米英対決』でNXTクルーザー級王座を戴冠したジョーダン・デブリンだろう。「こんな凄い奴がいたのか」とは特番評にも書き残したことだが、”アイリッシュ・エース”という呼称も貰って、これがフロリダのフルセイルでは初登場になる。

 なんでもフィン・ベイラーにコーチされたベッキー・リンチとも同期生とのことで、実況のマウロ・ラナートが「ショーン・マイケルズ先生が最優良だとお墨付きを与えた」ことも紹介されていた。そして対戦相手がタイラー・ブリーズである。”プリンス・プリティ”がギミックなんだが、本当は実力派にして自身の道場ではコーチであることもマニアは知っている職人だ。ということで、これが超絶な内容だったのである。ちゃんと解説で場外ムーンサルトは「オリハラ・ムーンサルト」と言われていたし、最後のバックドロップは「サイトー・スープレックス」ということで、名勝負を期待するNXTの常連客は大満足だったのではないか。ジョーダン・デブリン、この名前は覚えておくべきだろう。

 スキッドのセグメントで面白かったのは『テイクオーバー』での一騎打ちとなるジョニー・ガルガノvs.フィン・ベイラーの舌戦を、二分割の画面で届けたこと。ガルガノが欠場を余儀なくされたのはベイラーの危険なブラディ・サンデイなんだから、これは遺恨戦でもある。キツイ口撃だったのはガルガノが「RAWやSmackDownのベイラーでなく、NXTのベイラーとして戦え!」と言ったことか。いやはや、確かにあっちの番組のベイラーは型にはまった試合をやってるだけに見えてしまい、NXTに戻ると怖いプリンス・デヴィッドでハードヒットなんだから、タブーのシュート発言である。ただ、ベイラーも舌戦では負けてなかった。顔つきからして怖いのだ。ジョーダン・デブリンらもこのおっかない先生に扱かれていたということ。楽しみなカードになる。

 お待ちかねのシャーロットの出番は、ビアンカ・ブレアから。そりゃそうか、女子ランブルでも一番目立ってたんだし、怪力ビアンカを舐めてもらっちゃ困るのだ。リアが出てきたらフルセイルの常連客は”Rhea gonna kill you”と10回王者の女王様に浴びせていたのが痛快かも。お客さんが正しいのである。


 トリの6人タッグ前哨戦は、そのトマソ・チャンパが「ダスティ杯」優勝のリドル&ダンと組んで、ロドリック・ストロングを除くエラの3人と闘うんだが、最初からストロングも絡むのは無論のこと、終始大乱闘に。最後はトマソ・チャンパが辱めを受ける役というか、背中に黄色のペイントで「X」印を描かれ、ドドメの一撃というところで出てきたのがケガで欠場していたベルベティーン・ドリームである。そもそもロイヤルランブル週末から医師の許可も出て、テキサスに向かった情報も出ていたから、ランブルに出るのかとの観測もあったのだが、中途半端な顔見世よりはここが出番だろう。ヒール軍を蹴散らして、パンツの下にもう一枚パンツでリック・ルードの腰振りをやりと、復活をアピールする幕切れであった。


 平均視聴者数はAEWの928,000人に対して、NXTは770,000人。小さいスタジオの固定客を前にレスリングで中身を提供しているのがNXTであり、AEWは毎週全国各地のアリーナを回って、どちらかといえばRAWやSmackDownに対抗するプロモやスキッドも挿入した番組構成なんだから、一般大衆にはNXTはとっつきにくい面がある。AEWがリードを守るのは推定範囲であろうか。ただ、AEWが無名の新人をスターにしてしまう能力は侮れない。競争こそがマット界を活性化するのだ。

■ WWE NXT
日時:2月5日(現地時間)
会場:米フロリダ州オーランド近郊 フルセイル大学スタジオ

◆「私たちはNXTだ」リアとビアンカが“女王”シャーロットを襲撃

 “女王”シャーロット・フレアーが古巣のNXTに登場すると、NXT女子王者リア・リプリーとビアンカ・ブレアに襲撃された。先にNXTテイクオーバーで王者リアと対戦するビアンカがリングに登場して「リアはRAWでシャーロットに対戦要求するなんて。リングに出て来い!」と不満を爆発させると、そこにシャーロットが姿を現した。

 シャーロットは「ビアンカは素晴らしいアスリートだが、私ほどじゃないわ」と切り捨てると、今度はそこへ王者リアが登場。リアは「シャーロット! 目的があって来たなら言いな。レッスルマニアで沈めてやる」と詰め寄ると、2人に割り込んだビアンカが「レッスルマニアでは私が対戦することになる」と挑発。するとシャーロットは「これは王者同士の会話なの」とビアンカを侮辱すると、この態度に怒ったリアは「ここに来て私たちを侮辱するんじゃない。私たちはNXTだ」と言い放ち2人掛かりでシャーロットにフェイスバスターを炸裂させた。
 リアvs.ビアンカのNXT女子王座戦が行なわれる「NXTテイクオーバー:ポートランド」は日本時間2月17日にWWEネットワークでライブ配信される。


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’20年01月16日号BellatorRIZIN 東京ドーム大田区 WWE-AEW 全日ノアW1 JKA ラウェイ