Photo by George Napolitano
またも、もの凄い大会を見たというのが最初のリアクションであろうか。最初から最後までの濃縮のカードがずらりと並び、予想通りとはいえ、NXT UK勢がいかに凄い選手たちの宝庫であることが世界配信される。そもそも、『サバイバーシリーズ』の時は、まだまだ一般大衆にはRAWとSmackDownくらいしか知られてなかったのに、第3ブランドのNXTというが席巻する恰好になって、「こういうのもあったのか」と世間に認知される。それと同じで、今回のテーマは第4ブランドであるNKT UKが、どれだけ素晴らしいかをショーケースする大会となったのだ。
やや無謀にもヒューストンはTOYOTA CENTERである。そう書くとプロレスファンには馴染みがないが、ダウンタウンにある馴染みのザ・サミットの名称が変わっただけと紹介したら、「ええ、そんな巨大アリーナで」と驚かれるに違いない。ただ、明日の『ロイヤルランブル』は野球場なんだから、やはりチケットは満杯とはならず。だから客席の画面を暗くして、三階席は映像が撮らないようにしてはいたんだが、熱いお客さんの反応は違った。NXTユニバースが東からも西からも、いや英国からも大挙乗り込んでおり、ランカシャーのブラックプールや、フロリダのフルセイルに匹敵するマニアックな応援合戦が大合唱になったのだから、これは大成功と記して掛け値なしだろう。
ケツはともかく、イリヤ・ドラゴノフなんか恐らくWWEユニバースには知られてないハズであり、こんな凄い奴がいたのかと誰もが目を見張ったのではないか。ジョーダン・デブリンの戴冠然りである。今後ベルトはNKT UKで防衛戦なのだろう。
特に喜ばしかったのはムスタッシュ・マウンテンとDYIのハイレベルな攻防の際に、個人の名前ではなく、そのチーム名を交互に合唱という、理想の空間が起きたことは特筆だろうか。それに応えて、どっちが勝った負けたでなく、最後は4名がスタンディング・オベーションに応じる絵はもう涙腺崩壊である。筋書がどうだのアホなことを言う奴は、聖なるLIVE空間でお客さんが作った応援合戦と、フィナーレの絵は台本には予定できないものなのを知るべきだ。底なし沼に落とす必要があろう。
筋書がどうのというなら、トリのインぺリアムとアンディスピューティド・エラの8人タッグ試合、アレクサンダー・ウルフの肩が外れたのか、喉が潰れたようで、途中、それも序盤でリタイアになって試合が3対4になってしまう。さて、ガチのアクシデントが起きた場合、あるは誰かが順番忘れたり間違えたりで、グタグタになってしまうダメ試合などいくらでもあるなかで、超プロの7戦士がどう試合を運んだのか。尺は30分が割り振られているのだ。
レフェリー=ドレイク・ヤンガーの指示も素晴らしかったが、やはり受け役の職人ロデリック・ストロングの的確なcallがわかる者には見えたはずだろう。そしてウィルターが関本大介よろしく眉山を決め、試合はクライマックスに向かう。
もっとも、先の両方のチーム名が合唱になるカードと違って、こちらでは「アンディスピューティド・エラ」と「ウォルター」の合唱になるから、まだまだ「インぺリアム」の他の3名は認知されてないという証かも。ただ、皆さんドヴォルザークの♪新世界は馴染みだから、曲に合わせてハミングは起きるのだが・・・。
昭和プロレスから見ている者なら、新日本プロレスのどこがストロング・スタイルなのかと失笑する試合ばかりなのだが、日本通の解説のナイジェル・マクギネスが強調するブリティッシュ・ストロング・スタイルが満天下に世界配信された必見大会となった。鑑賞眼が問われているのは底なし沼に突き落とされた日本のプロレスファンということになる、
■ WWE NXT vs. NXT UK Worlds Collide
日時:1月25日(現地時間)
会場:米テキサス州ヒューストン トヨタ・センター
<第5試合 8人タッグ>
アンディスピューテッド・エラ(アダム・コール&ロデリック・ストロング&カイル・オライリー&●ボビー・フィッシュ)
29分50秒 パワーボム
インペリアム(○ウォルター&アレクサンダー・ウルフ&マーセル・バーセル&ファビアン・アイクナー)
<第4試合 NXT王座戦 もう女子王座とは呼ばない>
[王者]○リア・リプリー
10分15秒 リップタイド
[挑戦者]●トニー・ストーム
<第3試合 タッグマッチ>
#DIY(○トマソ・チャンパ&ジョニー・ガルガノ)
22分55秒 ミーティング・イン・ザ・ミドル
ムスタッシュ・マウンテン(タイラー・ベイト&●トレント・セブン)
<第2試合 NXTクルーザー級王座戦 フェイタル4 way戦>
[王者]●エンジェル・ガルザ
12分05秒 デビルインサイド・スープレックス
[挑戦者]○ジョーダン・デブリン
※他にアイゼヤ”Swerve”スコット、トラビス・バンクス
※ジョーダン・デブリンが戴冠、NXT UKにベルト海外流出
<本戦第1試合 アイルランド対ロシア>
○フィン・ベイラー
14分00秒 クー・デ・グラ⇒1916(ブラディ・サンディ)
●イリヤ・ドラゴノフ
<プリショー ノンタイトル戦>
[NXT UK王者]○ケイ・リー・レイ
9分15秒 ミアのオコナー・ロールを丸め返してロープにジーンズも掴んでフォール
●ミア・イム
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