ケニー・オメガ倒しハングマン・ペイジAEW新世界王者PPV Full Gear

 米国が標準時間に戻っていることもあるが、本篇だけで4時間、Buy-INからだと5時間になり終了が日本時間の午後2時と、長い、長いPPV大会ではあったが、アメプロ2強時代をさらに確立すべく総力を結集した充実内容であったことは間違いない。
 大会の全容と詳細はAEWの公式写真配布が遅いこともありスグに出せないので速報は試合結果の紹介に留めるが、旧AWA圏のミネアポリスからの中継となっただけに、最前列に招待されたバロン・フォン・ラシクがクロー攻撃を披露するなど、昭和プロレスへのリスペクトも挿入されている。もちろんそれはクリス・ジェリコ率いるインナーサークルが、マイアミのMMA総本山ATT軍を成敗するカード内なのだった。フィニッシュは2005年11月13日にミネアポリスのホテルで亡くなったエディ・ゲレロに捧げるクリス・ジェリコのフロッグ・スプラッシュであった。

 ハングマン・アダム・ペイジとケニー・オメガの物語は、実況では2019年5月25日に開催された『Double or Nothing』のBuy-In、つまり会場での第1試合だった21名参加のカジノバトルロイヤルでペイジが優勝、この優勝者がこの大会のメインだったクリス・ジェリコvs.ケニー・オメガの勝者と初代AEW世界王者決定戦を闘うことになった(もちろんジェリコが初代王者になる)時から始まると説明される。しかし、実際は2019年1月、AEWの発足が正式発表された段階からの大河ドラマであり、ついにクライマックスを迎えたことになる。
 ただ、何が起こるかわからない格闘演劇プロレスは、いくら長期計画があっても、お客さんがディレクションを決めることになる恐ろしい底なし沼のスポーツ芸術であり、団体側が練ったシナリオ通りに物事が進行するなど奇跡に近いことを強調する必要がある。この間、AEWは急成長を遂げてマット界の歴史を塗り替えていくことになるが、ここにようやく周辺状況を踏まえて「時は来た」となり舞台の機が熟したのであった。

 ちなみにセミの試合後、ROHのジェイ・リーサルが現れAEWと契約したことが発表されている。サミー・ゲバラのTNT王座に挑戦表明した。

■ AEW FULL GEAR
日時:11月13日(現地時間)
会場:米ミネソタ州ミネアポリス ターゲット・センター

<Buy-In>
 地元ミネアポリス出身のダンテ・マーティンがRAP組のアクレイムドにトップロープからクルっと回転して場外にダイブする見せ場。
 なお、リオ・ラッシュは祖母が亡くなったから来てないことが実況で明かされた。

<Buy-In女子タッグマッチ>
〇志田光 サンダー・ロサ
 12分32秒 ジャックナイフ
●ナイラ・ローズ ジェイミー・ヘイター w/ビッキー・ゲレロ

<Buy-In>

 オレンジ・キャシディとベストフレンズ軍が「犬を連れてくる」と。本篇でそれが新NEVER王者・石井智宏、水曜のDynamiteでタッグ組むことが明かされた。

<第1試合 シングルマッチ>
●ダービー・アレン
 22分06秒 スケボー使うの躊躇、レフェリーの死角から指輪で殴ってフォール
〇MJF

<第2試合 AEW世界タッグ王座戦>
[王者]〇ペンタゴン レイ・フェニックス
 18分36秒 合体パッケージドライバー
[挑戦者]FTR(ダックス・ヘイウッド ●キャッシュ・ウィラー) w/タリー・ブランチャード

<第3試合 AEW世界王座挑戦者決定エリミネーター・トーナメント決勝戦>
〇ブライアン・ダニエルソン
 20分06秒 雪崩式DDT⇒YESロック
●ミロ

<第4試合 6人タッグ フォールカウント・エニウェアマッチ>
スーパークリック(アダム・コール ●マット&ニック・ジャクソン=ヤングバックス)
 22分35秒 コンチェルト(パイプ椅子に頭乗せて2脚目で叩いてフォール)
〇ジャングルボーイ ルチャザウルス クリスチャン・ケイジ

<第5試合 タッグマッチ>
〇PAC コディ・ローズ
 16分52秒 ブラックアロー
マラカイ・ブラック ●アンドラデ

<第6試合 AEW女子世界王座戦>
[王者]〇Dr.ブリット・ベイカーD.M.D
 15分24秒 クレイドル合戦からの丸め込み
[挑戦者]●タイ・コンティ

<第7試合 遺恨戦>
〇CMパンク
 11分00秒 流血の末のG2S
●エディ・キングストン

<第8試合 ミネアポリス・ストリートファイト戦>
インナーサークル(〇クリス・ジェリコ サミー・ゲバラ ジャック・ヘイガー サンタナ&オルティーズ)
 19分52秒 フロッグスプラッシュ
ATT軍(イーサン・ペイジ スコーピオ・スカイ ●ダン・ランバート ジュニオール・ドス・サントス アンドレ・アルロフスキー)

<第9試合 AEW世界王座戦>
[王者]●ケニー・オメガ
 25分35秒 バックショットラリアット
[挑戦者]〇ハングマン・アダム・ペイジ


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