放送局から「非常時なのでLIVEでなくて構わない。契約違反にしない」お墨付きRAW

　コロナの前からハウスショーが儲からなくなっていたこともあり、巨額の放送権料だけが利益の源だった手前、時差のある英国公演中継などを除き「年間LIVE中継」が契約条項に明記されていたため、減額になってしまうことを極度に恐れたビンス・マクマホンが「無観客でもLIVEでやる」との発令があったのだが・・・。クルクル方針が変わるWWEらしいというか、放送局側（地上波FOXとNBC傘下USAネットワーク）が、「今は緊急時なので、新規番組を制作・供給する限り契約違反にはしない」とのお墨付きがあったようで、録画収録に戻ると。但し、だったらトラベル自体にリスクがある戦時下なので、AEWのように「5週分のテーピング無事終えた」にすればいいのに、月曜集合でRAW、SmackDownやりNXT火曜で「また来週来い」とか、選手やスタッフにとっては精神面の負担が大きいと叩かれているWWEなのであった。

　もっとも、大リーグ以下、なんのスポーツもやってない非常事態を思えば、放送局にとってはプロレスだけが一応は新規番組放送をやれているのだから、むしろ大感謝なのも事実であろう。WWEに限らず放送局も解雇の嵐が吹き荒れているが、契約条項を盾にした強い態度に出れない背景がここにある。

　ということで今回のRAWは、まだ過渡期なので明らかに一部はLIVEだったのではないか。もっとも巨体ナイア･ジャックスがカイリ・セインをやっつけるカードは「また再戦かよ」なんだが、昔のWWEよろしく録画の場合は何パターンか撮ったのだが、こっちも悪くないから捨てるの勿体ないと挿入したような・・・(笑)。まぁこの状況下なんだから、没にされるより選ばれて番組に出ているという点こそ評価すべきであって、ケツはどうでもいいことなのだ。
　シェイナ・ベイズラーが無名のNXT選手を、先週の（解雇となった）サラ・ローガンと同じパターンで腕を踏みつけられ実況が「折った！」とやるんだが、いつの収録のことやら。サラのより前にやった可能性が高いからだ。解雇リストはその後もカシアス・オオノこと、ノアにも来ていたクリス・ヒーローも切られていたことが発覚。SNSにぶちまける選手とそうでないタイプがいるから、今回シェイナにやられた選手もリストなのかも。一方で上場企業WWEは株式の配当を予定通り実施して、その合計金額だけでクビにした全員の給料4年分をゆうに超えると揶揄される始末なのだ。

　しかしながらコロナ対応で狂人扱いされたUFCデイナ・ホワイトは、もっとも巨額の配当金をやってしまい、今回の戦時下対応では圧倒的なNo.1ヒールとして世間からも叩かれているのだが・・・。

　シェイン･ソーン（ヘイスト）NXT教官&ブレンダン･ヴィンクが、新たなコンビとなったリコシェ&セドリック･アレキサンダーにまたお仕事とか、重ねてRAWに出られることのほうが重要なんであって・・・。

　戸澤陽は、RAWではjobber扱いだったのに、今回はアンドレアと見せ場をやらせてもらえて大変喜ばしい。先週NXTのアイゼア・スコット戦見たでしょう？ということ。続けて出して貰っている点が肝心なのである。

　3時間番組としては、元ライオット・スクワッドのリーダー格ルビー･ライオットが、レッスルマニアの前座でもナタリアとシングル戦こなせていたリブ･モーガンに寝るカードも。さらに売り出し中ビアンカ・ブレアがスターダムでも仕事の出来たサンタナ･ギャレット相手に怪力と柔軟を魅せるデザインのカードも。もっともNXTで同じカードをやるのとは、やはりパターンにはまった展開を強いられることが全部見ているユニバースには納得だったか。シャーロット女王様も出てたんだが・・・そっちのカードは忘れた。
　あと、トーナメントもやってたんだが、順当過ぎて読まれてしまっている。

　ただ、夫モンテス・フォードが実況席でぎゃぁぎゃぁ大騒ぎするんだが、RAWはあの壊れることを前提にした狭い実況席にストリート・プロフィッツの2人加えて5人も並ばせて、TV東京のWBSでもスタジオにいながらアンカーとは別の部屋に解説者とカメラにして配慮しているのに、WWEは馬耳東風なのか？　だいたい「70歳のジェリー”キング”ローラーにトラベルさせるな」以下、まるでトランプ支持層の保守派がマスクもつけずに密に並んで「経済封鎖反対！」のデモやってるのと変わらない。ビンスのお友達だからWHOガイドライン無視は仕方ないのだろう。

　本誌的にはトリにエンジェル･ガザというのがニンマリなのであって、世界王者ドリュー･マッキンタイア戦なんだが、これまたケツはどうでもいいことだ。実況がプロテクトしない頭突き”グラスゴー・キス”を強調してたんで、文化ステレオタイプな入場曲より、バグパイプ使うなら（グラスゴーの）ナザレスは♪人喰い犬に変えてくれと思ったのは本誌だけではないと思われる。『マネー・イン・ザ・バンク』でマンデイナイト・メサイヤをのしたら、平坦ではなかった学びの道標を歌詞に込めて♪Love Hurtsが流れると。録画仕様にするならサントラ式でやって欲しい。

■　WWE RAW
日時：4月20日（現地時間）
会場：パフォーマンス・センター

◆マッキンタイア対ロリンズのWWE王座戦がMITBで決定！

　WWE王者ドリュー・マッキンタイアと因縁が勃発した“月曜夜の救世主”セス・ロリンズがWWE王座をかけてPPV「マネー・イン・ザ・バンク（MITB）」で対戦することが決定した。オープニングに登場したWWE王者マッキンタイアは「先週、襲撃されたことに驚きはない。ロリンズが王座を狙うならMITBで対戦してやる」と因縁が勃発したロリンズとの王座戦を要求した。その後、ロリンズも映像で登場すると、「マッキンタイアとの対戦を受けてやる。俺が望んでいるからではなく、俺にはリーダーとして責任があるから王座を奪取するんだ」と独自の見解を見せて２人の王座戦が決定した。

　さらにメイン戦に登場したマッキンタイアはエンジェル・ガザ（with アンドラデ＆オースティン・セオリー＆セリーナ・ベガ）と対戦すると、セコンドの介入に苦しむも最後はクレイモアでガザを撃破して王者としての実力を証明した。　
　PPV「マネー・イン・ザ・バンク」は日本時間5月11日にWWEネットワークでライブ配信される。

◆カイリが“大女”ナイアと再戦も雪辱ならず

　カブキ・ウォリアーズのカイリ・セインが先週敗戦した“大女”ナイア・ジャックスと再戦した。試合前、前回の試合との違いを質問されると、アスカが「クルクルパーか？　カイリは準備万端だ！」とパートナー・カイリに替わり自信を見せた。試合でカイリは「カモン！　こいや」と気合いを入れてナイアにスリーパーで襲い掛かると、パワーに勝るナイアもジャイアントスイングで応戦。バックステージではアスカが「カイリ！　やったれ！」と日本語で応援する中、カイリはナイアの左足を集中攻撃すると裏拳やスライディングDを決めて優勢となった。しかし、カイリが止めのインセイン・エルボーを狙うと、ナイアが「そうはいかないよ」とサモアン・ドロップでカイリを沈めて３カウント。カイリは圧倒的な体格・パワー差を前に雪辱ならずナイアに２連敗を喫した。

◆戸澤、善戦もアンドラデに逆転負け

　“スタミナモンスター”戸澤陽が先週襲撃されたUS王者アンドラデ（withゼリーナ・ベガ）とノンタイトル戦で激突した。雪辱を狙う戸澤はスピンキックからランニング・ニーを決めて先制すると、ビックブーツやエプロンから走り込んだ場外セントーンでアンドラデに怒涛の攻撃を仕掛けた。アンドラデもセコンドのゼリーナが妨害した隙に反撃するもその勢いは止まらず、戸澤はオクトパスホールドや騙し討ちジャブを決めると必殺のダイビング・セントーンを狙った。しかし、これを何とか食い止めたアンドラデがコーナーで戸澤を捕まえると、最後は得意のハンマーロックDDTで沈めて３カウント。戸澤が終始攻撃を仕掛けて圧倒するも、アンドラデに逆転負けを喫した。