［週刊ファイト3月26日号］収録 ［ファイトクラブ］公開中
▼同時多発的世界マット界恐慌プロレス格闘技の行方と最新裏情報網羅！
NXTコロナに負けるなTチャンパJガルガノ、Fベイラー、Rリプリーの未来
©2020 WWE, Inc. All Rights Reserved./他 by タダシ☆タナカ
・水曜生TV戦争、WWEはコネティカット本社からの映像特番に切り替え
・急遽やり直しにしたNXT番組は70分に及ぶ盟友ドキュメンタリーから
・シカゴ客とのガチンコ勝負制す#DYI：唱和Together We Fly Someday
・すっぴんWonder Womanガル・ガドットら俳優が祈り♪Imagine朗唱
・NXT出戻ったフィン・ベイラーの再生！リア・リプリーのイメチェン成果
・どうなるWWEの大きな賭けとBD最高最強伝説Gacharic Spin10周年
・ESPN+との包括契約から現金不足UFC苦悩の理由とWWE株価$35
・ブシロード傘下スターダム先見と新日プロの損失、リアルジャパン客足
・平均視聴者数AEW932,000人、NXT542,000人なのだが・・・
■ WWE NXT
日時：3月18日（現地放送時間）
放送基地：米コネティカット州スタンフォード本社
AEWが今週初めての無観客試合で2時間番組を構成したのに対して、すでにSmackDown、RAWをフロリダのパフォーマンス・センターから中継したWWEは、同じやり方を続けることをせず、本社での映像編集によりこれまでのトマソ・チャンパとジョニー・ガルガノのライバル史などをふりかえる番組で勝負した。ずっと見てきた者には涙腺崩壊の場面が続き、この時期のエンタメ番組の在り方としての感動と勇気を与える内容になっている。
コロナウイルスに関して日本は先行というか、中国での発覚以来、当初は二番目に感染者が多い国だった。学校まで閉鎖とか正直、過剰なのかとも思ったものだが、今やイタリアでは毎日300人の死者というニュースを前に、各国首脳が「世界戦争」を口にする昨今である。皮肉にも日本では大震災9年の節目だった3月11日の水曜、日本時間ではもう木曜だったが、東部時間の夜9時にトランプ大統領が非常事態を宣言するテレビ会見で国民に注意喚起。当然地上波やCNNなどはこれを生中継したが、水曜生TV戦争2時間番組の後半戦とかぶり、平均視聴者数はAEWが766,000人と大きく2時間目の落ち込みが響くも、NXTは697,000人と影響少しあった程度に。
これを分析するなら、特に高年齢のWWEファンは子供の頃からずっとWWEで育っており、AEWが誕生したことや新日本プロレスなどの選択肢がリアルタイム配信時代に揃ったとしても、トランプの緊急会見はスマホに通知されているハズなのだが馬耳東風だったことになろう。
その是非をやるつもりはない。ただ、そういう頑固一徹組はWWEネットワークを購読してないだろうから、NXTにせよようやく昨年秋からUSAネットワークにチャンネルを合わせれば見られるとなったと推定されるため、2015年に共にNXT入門となったトマソ・チャンパとジョニー・ガルガノの長い歴史など知る由もないに違いない。今回の特番は初めて見る試合も多かったのではなかろうか。
急遽やり直しにしたNXT番組は70分に及ぶ盟友ドキュメンタリーから
番組はトリプルHとトム・フィリップスから。当初発表されていたものから急遽変更となったようで、漏れた情報によると前日に収録したためか、『レッスルマニア』が2日間になったことには触れられていない。
そして、なんと1時間どころか、時間をまたぎ2時間目にも全70分に渡ってトマソ・チャンパとジョニー・ガルガノのドキュメンタリー、因縁の歴史絵巻が紹介されたのである。思い起こせば運命の「WWEクルーザー級クラシック」（通称CWC）が2016年に開催される。世界各国から32名がエントリーというトーナメントで、WWEネットワークで10週にわたり放送という企画。TAJIRI、戸澤陽に加えて飯伏幸太、ザック・セイバーjr.と、今から振り返っても凄いメンバーが集結したのだが、最後にチャンパの直訴によって、「俺も入れてくれ、ガルガノとやりたい」とのねじ込みが通る。業界のお約束として言い出した方が寝るんだが、今となってはフィリピン代表の優勝T.J.パーキンスとか、一体誰が覚えているのか。実際このドキュメンタリーでも、最後の優勝者なんか名前すら出てこなくて、一回戦で行われたこの盟友の闘いがユニバースを震撼させる。
プロレスは観客と真剣勝負で闘う競技なのだ。そこはガチなのである。そしてこの試合内容によって、通称#DYIのタッグチームが誕生する。
シカゴ客とのガチンコ勝負制す#DYI：唱和Together We Fly Someday
#DYIと今やWWE離脱が伝えられるリバイバルとのNXTタッグ王座戦は、RAWやSmackDownで見るWWEとは別次元の試合を見せつけ、この辺りからユニバースが本当に見るべき番組なのはNXTという評価が形成されていく。
そして忘れもしない2017年5月20日の『NXTテイクーバー：シカゴ』を迎える。当時のNXTタッグ王者は、現在マンデイナイト・メサイヤ＝セス・ロリンズの用心棒役に甘んじているAOPであり、#DYIが危険度満点のラダー戦で挑んだのだ。試合には負けてAOP王座防衛なのだが、シカゴの観客が総立ちで#DYIに惜しみない拍手を送る。大会トリで観客とのガチンコ勝負を制し感情移入させたのはどちらであったか。AOPにせよこの頃はもの凄い試合をしていた。あれだけの体格差だからチャンパは首をやられて欠場に追い込まれるのだが・・・。「負けたのはお前の責任！」とチャンパはガルガノを急襲、仲間割れとなる試合デザインまではやり遂げたものだった。
▼ヒデオ・イタミ善戦もBルードNXT王座防衛！アスカ2人まとめてフォール！
ドキュメンタリーには実生活でのリアルもケーフェイなく紹介されており、ガルガノとキャンディス・レラエの結婚式にチャンパはベストマンであるばかりか仲良く3人で暮らしていたことも織り交ぜた。やがてガルガノはアダム・コールとの抗争に入り、MSGでの新日プロROH大会を凌駕したことは記憶に新しい。”ジョニー・レスリング”はテイクオーバーの顔になっていく。
▼現地発レッスルマニア週間総括～志田光AEWテレビ～新日ROH功罪
イーストリバー決戦NXT圧巻勝利！ジョニー・ガルガノxアダム・コール
クリス・ジェリコのリングネーム・ネタ元Helloweenの♪Eagle Fly Freeが聞こえた気がする
▼Worlds Collide米英対決NXT UKストロングスタイル満開！ウォルター眉山
すっぴんWonder Womanガル・ガドットら俳優が祈り♪Imagine朗唱
gal_gadot Instagramより
やはり編集物を制作させたら、WWEは自前のテレビ制作班だけでも膨大な陣容を誇ることもあり素晴らしい感動巨編である。
しかり、リアルワールドの方ではコロナウイルスの脅威が全世界を混乱に陥れていく。映画『ワンダーウーマン』のガル・ガドットがすっぴんのままジョン・レノンの♪Imagineを唄い出し、続いてハリウッドの大物俳優たちが次々と一節ずつ朗唱する動画がInstagramにアップされ、あらためて祈りを噛みしめるのであった。