『UFC 131: Dos Santos vs. Carwin』小見川道大謎の判定に無念

UFC131 豪腕対決!ドス・サントス vs. Cカーウィン
 人気・実力・選手層の厚さで、世界の総合格闘技の頂点に君臨するUFC。今大会のメインカードではヘビー級注目の一戦、ジュニオール・ドス・サントス対シェーン・カーウィンが行われる。
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(C)UFC-Zuffa, LLC
 今大会では本来、「The Ultimate Fighter(ジ・アルティメット・ファイター)、通称TUF(タフ)」のコーチ対決として、ブロック・レスナー対ジュニオール・ドス・サントスの試合が行われる予定だったが、レスナーが病気のため欠場となり、急遽、シェイン・カーウィンの出場が決定した。UFCヘビー級のトップファイター同士であるドス・サントスとカーウィン戦の最大の見所は、破壊力抜群の打撃対決だ!
 
 迫力満点のヘビー級バトルと、日本人ファイター、小見川道大戦が行われる注目の今大会は6月12日(日)深夜0時からWOWOW UFC-究極格闘技-でオンエア!
※リアルタイム中はリロードしてお楽しみください。
『UFC 131: Dos Santos vs. Carwin』
日時:2011年6月11日
場所:カナダ・バンクーバー
UFC131-1.jpg
(C)NAOKI FUKUDA
<メインイベント ヘビー級 5分3R>
○ジュニオール・ドス・サントス
(判定 3-0)
●シェーン・カーウィン
ドス・サントスは、UFC戦績6戦全勝で、ヒョードルを破ったファブリシオ・ヴェウドゥムや、ミルコ・クロコップ、TUFヘビー級バトル優勝のロイ・ネルソンなど、錚々たるファイターを撃破、現王者ケイン・ベラスケス同様、UFC新世代の旗頭のひとりと目されている選手。そして、6勝のうち5勝がTKO勝利という非常に打撃に優れたファイターだ。
 
一方のシェーン・カーウィンはUFC戦績4勝1敗で、4勝全てがTKO勝利、さらに全て1ラウンド決着という記録を持っている。また、唯一敗れたレスナー戦でも、1ラウンドにパンチの連打でレスナーをKO寸前まで追い込むなど、その打撃力はUFC随一とも言われている。このようなふたりの豪腕ファイターによる対決は、KO決着の可能性が高い注目の一戦だ。
お互いに一発当たれば終わる可能性がある事が分かっているので両者、慎重な打撃戦を展開。カーウィンはテイクダウンを狙うも決定打にはならず。そして1R終盤、ジャブ連打でダウンを奪ったドス・サントスは、亀状態になったカーウィンにパウンドラッシュ。絶体絶命と思われたカーウィンだが、何とか耐えて持ちこたえる。カーウィンは血だるまで勝負あったと思われたが、何と立て直してきたカーウィンは2Rは互角の打撃戦を見せる。そのまま3R、出血の酷いカーウィンにドクターチェックが入るが最後まで戦い抜くカーウィン。判定は当然、ドス・サントスだったが、カーウィンの哀愁溢れる戦いは観客の心を掴んだ様だ。
尚、この結果を受けて、ケイン・ヴェラスケスvs.ジュニオール・ドス・サントスが決定、ヘビー級頂上決戦が実現する事になった。ヴェラスケスもオクタゴンに入り、両者、対決を誓い合った。
<セミファイナル フェザー級 5分3R>
○ケニー・フロリアン
(判定 3-0)
●ディエゴ・ヌネス
実力者、ケン・フロことケニー・フロリアンがフェザー級に階級を落しての初陣。しかし、対戦相手のディエゴ・ヌネスも名門ノヴァ・ウニオンの新鋭と厳しい相手が用意された。
ねちっこくテイクダウンを狙い続けるフロリアン。何度もグランドになるもヌネスは何とかスタンドに戻す。そして1R最後にはヌネスがフックでなんとダウンを奪う。ラウンド終了に助けられたフロリアンだが、ベテランらしくすぐに気持ちを切り替えて、またテイクダウン狙い、そして引き込み三角締めなどを仕掛けるが、ヌネスは付き合わない。しかし、それでもテイクダウンを成功させたフロリアンが上からパウンドを落して2R終了した。3Rもフロリアンがテイクダウンから攻めて見事に判定勝ちした。
<ミドル級 5分3R>
○マーク・ムニョス
(判定 3-0)
●デミアン・マイア
柔術セレブであり、タイトル戦線上位にいるマイアに対するは、強力なレスリング力でメキメキ伸びてきたフィリピン系アメリカ人のムニョス。勝者はタイトルマッチが見えてくる。
一試合ごとに打撃が上手くなっているマイアが、なんとスタンド打撃でムニョスを翻弄。パンチとキックを多用して試合を優位に進める。しかし2R、マイアはテイクダウン戦法に切り替え、そうなるとタックルをきったムニョスが重いパンチを振り下ろす展開に。3Rは再び打撃を多用するマイアに、テイクダウン狙いのムニョスという感じでほぼ互角。非常に接戦だったが、3Rにすぐ立たれても、何度かテイクダウンに成功した事、金網に押し込んでいた事が評価されたのかムニョスが判定勝ちした。
<ヘビー級 5分3R>
○デイブ・ハーマン
(2R 3分19秒 TKO)
●ユノラフ・エイネモ
北欧の巨人エイネモが遂にUFCデビュー。しかし対戦相手は、同じくUFC初登場、日本の戦極マットでも活躍、ビッグ・ジム・ヨーク、ロン・ウォーターマンなどの強豪選手を倒してきたデイブ・ハーマンだ。お互いに初戦にしては厳し過ぎるカードとなった。
PRIDE時代より身体の厚みが増しているエイネモで、手数はハーマン、プレッシャーのエイネモという感じで試合が進む。1Rにはエイネモがテイクダウンを奪うも決め手にはならず。2Rには両者、スタミナが切れてきたのもあり、もっさりした殴り合いとなった。序盤はエイネモが押していたが、ハーマンが首相撲からの膝蹴り、そしてフックでダウンを奪い形勢逆転、パウンドで一方的に攻めたてる。なんとかスタンドに戻したエイネモだが、再びハーマンの膝蹴りからのパンチでダウン気味に組みつくも、そのままハーマンのパウンドに防戦一方でレフリーがストップ。ハーマンが逆転のTKO勝利となった。
<ライト級 5分3R>
○ドナルド・セラーニ
(判定 3-0)
●ヴァグネル・ホシャ
WECの人気者にして軽量級屈指の実力者〝カウボーイ”セラーニがオープニングマッチに登場。掴みであるので、セラーニの様な選手が抜擢されるのは当然だろう。対戦相手は、パブロ・ポポヴィッチの元で柔術を学んだエリート・グラップラーであるホシャだ。
ホシャが柔術系らしく、打撃を混ぜながらテイクダウン、グランドに持ち込もうとするが、セラーニはタックルをきり、打撃で攻めグランドには付き合わない。こうなるとホシャはじり貧になり、セラーニはローキックを中心にスタンド打撃で追い詰める。そのままセラーニのペースで試合が進み、セラーニが判定勝ちした。
アンダーカード
<ライト級 5分3R 5分3R>
○サム・スタウト
(1R 3分52秒 TKO)
●イーブス・エドワーズ
<ミドル級 5分3R>
○クリス・ワイドマン
(1R 4分54秒 ギロチンチョーク)
●ジェシー・ボンフェルド
<ライトヘビー級 5分3R>
○クリストフ・ソシンスキー
(判定 3-0)
●マイク・マッセンジオ
<ミドル級 5分3R>
○ニック・リング
(3R 3分33秒 チョークスリーパー)
●ジェームス・ヘッド
<フェザー級 5分3R>
○ダスティン・ポワリエ
(判定 3-0)
●ジェイソン・ヤング
<ヘビー級 5分3R>
○ジョーイ・ベルトラン
3R 1分26秒 TKO
●アーロン・ロサ
<フェザー級 5分3R>
○ダレン・エルキンス
(判定 3-0)
●小見川 道大
 この判定には誰もが口あんぐりだろう。相手を流血させるというのは、単に見栄えや印象点だけでなく、ダメージを与えた証拠でもあるのだが、世界最大の格闘技団体として君臨するUFCだからといって、PPV本戦では中継されなかった前座の第一試合(WOOWOWでは放送)には、二流の審判員しか人材を回せなかった可能性は高い。それにしても、判定が割れたというならまだしも、29-28, 29-28, 30-27というのは、正直信じられないスコアだ。3R目は明らかに小見川が勝っていたし、セコンドもそう見ていたから、余裕の闘い方になってしまう。最後まで仕留めることを諦めないとか、決定的な一打なりの印象を残せなかった反省はあるにせよ、3R目までエルキンスにつけた審判というのは、賄賂でも貰ったんじゃないのかという邪推さえ出てこよう。
 2R目だって、どちらにつけてもおかしくはない。パンチが的確に当たり、実際流血が止まらないという展開を思えば、日本人選手へのひいきとかなしにしても記者は小見川につけた程である。
 1Rにせよ、エルキンスが明らかに取ったというラウンドではない。マスト採点式にしているUFC方法論の差異でもあるが、日本の総合試合を見慣れている者ならドローとメモするのが普通であろう。それどころか、最初から小見川が優位だったとつけても不自然ではなかった。
 ただし、判定の是非はともかく、日本では有名な小見川であっても、連敗だったこともあるにせよ、本戦の中継には入れてもらえなかったどころか、北米第一試合で御当地という事で抜擢された選手と、日本のトップが同じレベルでしかない現実もあり考えさせられた。
 この大会は、WOWOW UFC-究極格闘技-で6月12日(日)深夜0時から放送を行います。現地の熱気と興奮を是非、お楽しみください!!
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