衝撃なんてモンじゃない、マット界の地殻変動となる超特大ニュースが飛び込んできた。WWEが売却先を探していることは本誌も何度も報道してきているし、それを推進するために一度は引退を表明していたビンス・マクマホンが3ヶ月前から復帰を果たし、実娘のステファニー・マクマホンら取締役会の半数は辞めたり、事実追い出されたりしていたのだが・・・。
新聞の一面には見出しが載ってる程度なのだが・・・
最初にニュースが漏れたのはなんと現地日曜日、『レッスルマニア』2日目の最中であり、確認も取れてないのにうかつに報道してはいけないと静観していたら、本誌通信員から4月4日付けLAタイムズにも出たと送ってきて、これはガチ情報だと報道に踏み切った次第である。
すでに米国ではWWEネットワークを傘下に収め、RAWやNXTを放送しているNBCユニバーサル・グループが本命とか、サウジアラビアの投資ファンドが名乗りを上げただのと、様々なな憶測が流れる中で、アリ・エマニュエル率いるエンデバーは、いったんは競争から手を引いたとのニュースも流れたのだが・・・。
もっとも今回の買収は、すでにエンデバーが傘下にしているUFCとの合体により新会社TKOを発足させることと、完全なる買収ではなく、新会社との株式交換の方策がとられて49%は従来通りWWEの株主が保有する形態になるらしい。
いずれにせよ、SEC証券取引所への報告によるとUFCの企業価値$12.1 billion、WWEは$9.3 billion（日本表記93億ドル=邦貨約1兆3000億円）なので、この合計「$21+ billionの新会社誕生」と報道されている。独占禁止法は大丈夫なのかとか、株式交換比率含めて未確定な部分もあるのだが、『レッスルマニア』の裏で、週末返上で弁護士や投資銀行のM&A専門家が月曜発表のために徹夜していたことになる。とんでもないウルトラC事件であることは間違いない。
新会社のCEOとなるアリ・エマニュエル氏
一部の媒体が間違ったことを書いているが、WWEが93億ドルで売却されたわけではない。また、かのUFCの売却額を上回る90億ドルでWWEは売りたい意向との情報も何度も意図的に流され、「いくらなんでもそんな額は無理」と本誌ははっきり活字に残してきているが、やはりこれも実現したわけではない。実際、この報道を受けて株価はむしろ落ちている。ディズニーやサウジの投資会社が全部を買収したとかではないからだ。
しかし、髪を黒く染め、ヒトラーのような口髭姿になった77歳ビンス・マクマホンの勝利には違いなく、早くも『レッスルマニア』翌日RAWのCreativeで指揮を執ったとの情報も流れている。「えらいこっちゃ」なのだ。
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