竹下幸之助AEW契約秋山準Full Gear5時間ジェイミー・ヘイターMJF戴冠MOX陥落

photo by George Napolitano

 ジョージ・ナポリターノ記者派遣、バックステージ含む本誌自前取材の大会は、前回の鈴木みのるが出た現地時間昨年9月15日の会場であるマンハッタンから川向に見えるプルデンシャル・センターである。そして興行収益だけで100万ドルを達成。秋山準も出るからと仕方なくプリショーから見た日本からの視聴者には、また5時間を超える大会、長過ぎたのだけは大いに不満だと先に明記しておきたいが、中身は充実であった。本誌がすでに予想を活字に残した通りの試合結果はまず全文公開。
 続いて異常な枚数の全試合の写真を網羅した、詳細分析の長編[ファイトクラブ]会員記事は別エントリーとさせていただく。

■ AEW Dynamite
日時:11月15日(現地時間)
会場:米ニュージャーシー州ニューアーク プルデンシャル・センター(Sold Out)

▼Pre Show YouTube 無料

<プレショー第1試合 10人タッグマッチ>
〇[Best Friends]オレンジ・キャシディ&トレント・バレッタ&チャック・テイラー&ロッキー・ロメロ&ダンハウゼン
 11分55秒
●[The Firm]QTマーシャル&ニック・コモロト&アーロン・ソロ&リー・ジョンソン&コール・カーター(2DIME)


 まずは竹下幸之助のAEW契約が正式発表された。最初からスターとして派遣されたのではない。下積み番組Darkから認められて這い上がってきたのだから、これはもの凄い快挙なのである。

<プレショー第2試合 AEW世界王座エリミネータートーナメント準決勝>
●ブライアン・ケイジ
 10分00秒 ローシャンボー
〇リッキー・スタークス

<プレショー第3試合 シングルマッチ>
●秋山準
 10分30秒 裏拳
〇エディ・キングストン

 
 エディが18歳の頃に見た全日本プロレス「四天王プロレス」の時代。from Osaka, Japanで入場の秋山準は、まずはジャンボ鶴田のジャンピング・ニーから。そして小橋建太に捧げるチョップ、エクスプロイダーを受けてやり返し・・・最後は裏拳。

 涙ぐむエディが礼で額をリングに付ける。そして「天国の馬場、力道山、三沢、ジャンボ鶴田、猪木」に捧げると。レジェントとの対決、20年来の少年の夢が叶った瞬間であった。
 

<第1試合 スチールケージマッチ>
〇”ジャングルボーイ”ジャック・ペリー
 18分40秒 スネアトラップ
●ルチャザウルス

 なんでも、実はその昔、一緒にプロレス道場入門始めた二人なんだそうで・・・。故・俳優ルーク・ペリーの未亡人と姉が見守るなか、1試合目からジャングルボーイが流血って、AEW好きやなぁ。

<第2試合 AEW世界トリオ王座戦>
[王者]PAC&ペンタ・セロ・ミエド&〇レイ・フェニックス
 18分40秒 片翼の天使の体制⇒フェニックスがハンマーで頭叩いて丸め込み
[挑戦者]●ケニー・オメガ&ヤングバックス
※王座防衛

 ついにAEWのリングに帰ってきたエリート3選手の入場、カンサスの♪Carry On Wayward Sonが会場に鳴り響き、ひっくり返ったのは記者だけではあるまい。don’t you cry no moreなのである。うわぁ~、そういうことだったのだ。ちなみにカンサスは、米の長寿SFドラマ『スーパーナチュラル』でも要所でよくかかって、あとからテーマ曲のようになりカンサス再評価に繋がったリバイバルであって、1976年発表の70’sロックである。
 ドン・キャリスが勝手に実況席に加わっていたが、PACは口中切って鼻も折られてのガチ流血から、もう6人の高速アクロバット芸術の最高峰が炸裂することに。お客さん”Fight Forever”合唱です。

<第3試合 TBS女子王座戦>
[王者]〇ジェイド・カーギル
 8分00秒 ジェイデッド
[挑戦者]●ナイラ・ローズ

 ジェイド・カーギルがフェイスペイントなのは見ましたけど・・・ビッキー・ゲレロおばさんがセコンドで叫んでいるのは聞こえた試合、記者には食事の時間でした。

<第4試合 ROH世界王座4way戦>
[王者]〇クリス・ジェリコ
 21分30秒 ジューダス・エフェクト
[挑戦者]●クラウディオ・カスタニョーリ
※他にブライアン・ダニエルソン、サミー・ゲバラ 王座防衛

 クラウディオがサミーをジャイアント・スイングで回している最中に飛び込んでのジューダス・エフェクト命中、さらに超高速でもう一発見舞ってのフォール。やはり語源はスピードメタル時代カイ・ハンセン創成期のHelloweenのジューダス・エフェクトなのだった。FOZZYのCD聴いてる方は納得だろう。

<第5試合 シングルマッチ>
〇サレヤ
 12分30秒 ラン・ペイジ(フィッシャーマンズ・ドライバー)
●ブリット・ベイカー

 サレヤ5年ぶりのリング復帰、入場には映画『ファイティング・ファミリー』でお馴染みの兄ザック・ゾディアックが英国から飛来。スクリーンに大きくD.M.D.と出たDr.ブリット・ベイカーは、あの危ない(負傷の原因)首を狙ってネックブリカーを兄ザックの前で見舞ってと非情に攻めるが・・・。
 WWEのDIVA時代の終焉と女子革命をずっと見てきた者なら、また事故にならなければいいがと正直、ハラハラしながら試合見ていたかも。ベイカーのお仕事なのは仕方ありません。とりあえずサレヤが戻って来ました。

<第6試合 TNT王座3way戦>
〇サモア・ジョー
 9分55秒 コキーナクラッチ
[挑戦者]●パワーハウス・ホッブス
※もう一人は[王者]ウォードロウ
※サモア・ジョー新王者&ROH認定TV王座と二冠王に

 日本通のエキスカリバー解説員が、サモア・ジョーの顔面ワッシュのスポットに「大谷晋二郎のZERO1で学んだ」と言うんです。最後はウォードロウのパワーボム・シンフォニーが連続し出したところを、ベルトで殴って即座にコキーナクラッチという、いわば盗んだ勝利ではありました。

 ROH王者防衛の”ホンチョ”班長ことクリス・ジェリコさん。オレンジ・キャシディに次の挑戦者はStone Temple石井智宏と告げられて、天龍のWARの時にヤングボーイだった奴、俺のシューズを磨きカバンを持っていたアイツ、SENPAI(先輩)が相手にしてやる、BAKA(バカ)と言ってました。

<第7試合 タッグマッチ>
スティング&〇ダービー・アレン
 11分00秒 コフィン・ドロップ
ジェフ・ジャレット&●ジェイ・リーサル

 ダブルJの後ろにスティングが立っていて、二人がやり始めたらお客さん「TNT、TNT」合唱ってそんなのアリかよ。63歳のクロウ・メイクが飛ぶし・・・。でも、こんなカードPPVに必要なのかなぁ。一般向きのTV中継の方がいいと思うんだが。

<第8試合 暫定AEW世界女子王座戦>
[王者]●トニー・ストーム
 15分00秒 リップコード・ラリアット(レインメーカー)
[挑戦者]〇ジェイミー・ヘイター
※新王者誕生

 プロレスは演劇でもバレエでもない。試合を作るのはお客さんなのだ。英国時代はルームメイトだった二人が対峙した際、ジェイミーが耳をそばだてる仕草をする。お客さんが「ジェイミー、ジェイミー」と合唱しているのだ。そして始まった試合は、終盤に2.99フォールの攻防が激しく交差、そして最後にレインメーカーが炸裂する。

 プロレスは感情移入させた方が勝つ。本誌的には大満足の15分であった。

<第9試合 AEW世界タッグ王座戦>
[王者]アクレイムド(〇アンソニー・ボーエンズ&マックス・キャスター)
 19分40秒 合体落とし技⇒フォール
[挑戦者]●Swerveストリックランド&キース・リー
※王座防衛

<第10試合 AEW世界王座戦>
[王者]●ジョン・モクスリー
 23分15秒 ウィリアム・リーガルがブラスナックルを悪魔に渡してのフォール
[挑戦者]〇MJF
※新王者誕生


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’22年12月01日号AEWフルギア 新日Stardom有明 SB名古屋DEEP公武堂F StrongStyle大阪