源流 猪木考察  by 格闘技I記者

[猪木追悼⑧]

 <追悼>しかしながら、これほどまでにこの言葉が似つかわしくない人物も少ない。日本中に元気を与えることを天命とするような漢だったと認識している。

 そんな偉大なる格闘技の始祖、アントニオ猪木氏がついに旅立った。何度も、何度も体調が本当に思わしくないことを囁かれながらその度に、己のキャッチコピー”燃える闘魂”を体現するかのように這い上がって、そして立ち上がり現役時代同様に聴衆に勇気を与え続けてくれた。

 小学の児童だった私は、蔵前血戦5対5での新日正規軍と維新軍の戦い(1984年4月19日)や、IWGPでの対ハルク・ホーガン戦(83年6月6日・蔵前国技館)に全身全霊で氏を応援した時のことを鮮明に覚えている。


1983年のアントニオ猪木~We Remember人間不信

 数十年の時を経て、まさか自分はリングに立つ存在になるとは夢にも思っていなかったが、氏の立ち上げた団体、新日本プロレスから派生した団体“UWF”の本当に最末端ではあるが、かすかな繋がりを持つ自団体キングダムエルガイツを日々指導するにつけ、すべての日本格闘技の源流はアントニオ猪木氏に繋がっていくのではないかとすらも思い立った。


井上義啓 猪木は死ぬか!Digital Remaster

 週刊ファイトの故・I編集長がこよなく愛した、アントニオ猪木氏の雄姿はなくなったが、氏の残し続けた偉大な足跡は、今後も格闘競技者に留まらず、道となり人々の足元を照らし続けるだろう。

 いやがおうにも刻一刻と迫りくる、自分自身の終焉の時をも強く実感させられる訃報。そして改めて時の流れという、とてつもない強大なうねりは、なんびとをも必ず飲み込んでしまうということを、改めて認識させられたとても深みがある出来事だったように思う。


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