現地取材フィラデルフィア大仁田厚Nitaブリー・レイ+サンドマン&SABU

photo by George Napolitano

■ Battleground Championship Wrestling: When Worlds Collide
日時:3月26日(現地時間)
会場:米ペンシルバニア州フィラデルフィア 2300 Arena(旧ECWアリーナ)


 コロナ開けの歴史的なイベントに、本誌はフィラデルフィアへジョージ・ナポリターノ記者を派遣。Battlegroundイベントに関しては昨年9月に続いて2度目になる。東海岸のプロレスファンにはお馴染み、ジョニーQレフェリーが有刺鉄線ボードをコーナーに立てかけると、早くも場内は”We want Blood”の合唱が始まり、日本からレジェンドの登場にもはや異様な興奮状態だ。
 そして♪Wild Thingが鳴り響く。出てきたのはグレート・ニタである。ところがだ。なんとブリー・レイ(ババ・レイ)の入場にも同じ音楽が鳴り、漢字入りのペイントフェイス、革ジャン、咥えタバコと、これは1999年4月10日、新日本プロレス東京ドーム大会の大仁田である。完全にOnitaの入場を模倣してマインド・ゲームを仕掛けてきた。


 イス攻撃、噛みつき、赤の毒霧3回(レイも1回)、裏にFMWと白のスプレイされたアコースティック・ギターでニタがブリーを叩こうとするが、逆に奪われてガツンを受けたのはニタの方だ。


 ブリー・レイの有刺鉄線バットの使い方が面白い。股間に打ち付けるのだ。提供社Sportskeedaの看板で叩かれの辺りから、これは大変なものを見ていることに気が付く。大将がシングルマッチを闘っているのである。もうタッグ試合しかやらないと、頑なにシングル戦を拒否していた男が、まぁSHADOW-WX志賀とちょこっとだけシングルで始まってのカードはあったのだが、今回堂々と、ややゆっくりペースながら15分闘うって凄くないですか? そしてハシゴにブリー・レイが自爆したspotから、フィニッシュに向かう合図である。やる側・作る側から見ているマニアも、固唾を飲んで画面を凝視するしかない。
 そしてレイ親分のピンチに、やはりサンドマンが登場。シンガポール・ケイン(竹刀)が火を吹くのだ。あの汚いビンゴホールで、あの時代の空気を吸ってきた者にはたまらない。泣け! 泣け! 泣け! もう号泣必死であろう。


 そして場内が暗転。まさか? すでに客席が名前を呼んでいる。そしてようやく照明がリングに戻ると、そこには天を指さすSABUのお姿が・・・。もはや涙を止めることは出来ない。これに気を盗られたニタが、有刺鉄線テーブルに沈む。1, 2, 3・・・ピンフォール決着だった。

<第9試合 Hardcore Match>
〇ブリー・レイ
 約15分 テーブル葬
●グレート・ニタ


 ここからが大仁田劇場である。オデコとオデコをくっ付け合って、レイとニタが立ち上がる。大仁田が「SABU、裏切りやがって!」と毒づき、当然沸き起こるECWコールに、「ECWはFMWのコピーじゃぁ」と息巻くのだが、レイ親分は「貴方はレジェンドであり、デスマッチの神だ。でも、SABUがECWを大きくしたんだ」と返す。
 ニタは、なんとか英語で、「アイ・アム、アイ・アム、アイ・アム邪道」とマイクするんだが、多分通じてないと思う(笑)。まぁ許してやってください。今回はECWの大合唱で正解なのであった。


 貴重なバックステージ特写の数々含めて、全試合の膨大量のド迫力写真が到着。近く[ファイトクラブ]公開、完全な詳細拡大版は金曜発売の週刊ファイトに収録。


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’22年04月07日号スターダムKAIRI 集客惨敗NJCザック 現地取材SDニタ ONEX秋山青木