CMパンクEキングストンに「お前はbumルンペン」Aコール-Jシルバ

(c) AEW

■ AEW Rampage
日時:11月5日(現地時間)
会場:米ミズーリ州セントルイス チャイフェッツ・アリーナ


 同じミズーリ州内だが、Dynamiteのカンザスシティから、Rampageはセントルイスに移動。ただ、ジョン・モクスリー欠場の余波は続いており、恐らく急遽ブライアン・ダニエルソンがアクレイムドのアンソニー・ボーエンズと対戦。ちょうどSmackDownでB-Fabが解雇で3人になったHit Rowの入場どうするかのスキットがあったばかりだが、こちらのアクレイムドのRAPはちゃんと韻を踏んでいる本格的なものを披露していたのは、これは当てつけなんだろうか?


 ブライアンが誰とでも、攻防のあるイイ試合を作るというのはもう定着したのであって、今回は原点に戻ってのイエスロックがフィニッシュでした。なるほど。


 そして今回の番組のハイライトにして、長く印象に残るであろうCMパンクとエディ・キングストンの半ガチのマイク合戦。確かに凄かった。なんでも15年前に、リアルの言い争いがあったんだそうで、キングストンはまともなカネ貰えないインディ稼業、パンクはスター街道へと昇り詰めていくのだが、AEWに拾われてダチ公モクスリーとの悪友コンビで頭角を現し人気者になるという遅咲き選手である。それがなんの巡りあわせかここで対峙となった経緯だ。
 そしてお互いはいつになく激しいヒール口調になり、ついにパンクは「お前なんかbum(ルンペン、浮浪者)じゃないか!」と、恐らく実生活としてはそれに近いこれまでの経歴をあげつらい、ついに小さい方のパンクが空中に飛んでのガチな頭突きをキングストンに見舞うのである。


 そこからはもう、全員のレフェリー、それでも足らず選手たちも止めに入るのだが収まらない乱闘に。そして現地11・13『フルギア』での一騎打ち正式発表となるのだが、これの結末は見物だろう。なにしろ現時点ではベビーフェイス同士の対戦になるのだが、過去の因縁からリアルに嫌っている両者というだけでなく、どちらかがヒールターンするのか、それともダブルターンになるのか。
 そもそもMOXがリハビリ施設入所になる前から、狂気じみた試合になっていたのと合わせてキングストンも狂暴化していたから、一部には二人がヒールターンする布石との観測があった。パンクがヒールになるのもありなんだが、ただこれはまだちょっと早いと考えるのが普通。もっとも、MOXの欠場により計画が狂った可能性もあり、どうなるのか、どうするのかマジに読めません。ということで、これまた『フルギア』の楽しみ倍増なのであった。


 逆にTBS女子王者決定トーナメントの方は、大人のファンにはわかりやすいというか、読めてしまうのだが、若手で売り出しているレッド・ベルベットはまだまだグリーンなんだけど、ここは人妻バニーがイイお仕事してファイナル・スライスに沈みます。ただ、もうブラスナックルとかのギミック必要なしだった点こそバニー評価かと。次はムキムキ女ジェイド・カーギル戦です。


 さてさてのトリ、ジョン・シルバーvs.アダム・コール戦である。Dynamiteで「俺はアダム・コールじゃなくてバッジと闘う」とやって、本誌が先に批判しただけでなく、アチコチで「そんな一般の視聴者にわからんインサイド・ジョークをやるのはオカシイ」と、後出しジャンケン組まで騒ぎ出したのだが、そうなるとますます意地になってやるのがトニー・カーン代表や幹部ヤングバックスなんじゃないかと。
 水曜番組での台詞はなかったことにする判断もありえたと思うのに、なにしろバッジはキース”ベアキャット”リーのマネージャー役名であり、そのキースがWWE解雇となったニュースがあったんだからと、わざわざやらせでBUDGEと書いたプラカードをテレビに映る客席にも配りまくるとか、小細工までしてきたのだ。番組の良心であるタズ解説員なんかは、(知ってるんだけど)「なんのこっちゃ、こんなのわからない!」と実況で言うんだけど、WWE上層部の「選手の見る目のなさ」をコケにしたいらしい。


 試合はジョン・シルバーが勝つんじゃないかと思わせるspotが複数用意されていて、練ってあって良かったかと。ヒールのコールが急所打ちやろうとして、その手を掴んでやらせないばかりか、レフェリーの見えないところでベビーフェイスのシルバーの方が急所に見舞う展開など、お客さんの感情をうまくコントロールしている。実際、”This is AWESOME”の合唱を起こさせているのだから、作る側にしたら狙い通りに会場にHEATを起こせたことになるのだ。


 ケツはなんとかラストショットが決まるのだが、AEW恐るべしを知ったのは中継後の公式SNSアカウント。なんと、さっそくスーパークリックの恒例のKISS場面を合成画像でパロディにした、ダークオーダー軍のシルバーとレイノルズがコール(いやBUDGE)にKISSするTシャツが早速販売中なんだと。裏ではTシャツ部門を統括しているらしいヤングバックス、商魂逞しい。視聴者の1%しかわからないインサイド・ジョークでも、その1%が喜んで買ってくれたらビジネスは勝算ありになる。参りましたなのだった。


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