[週刊ファイト11月18日号]収録 [ファイトクラブ]公開中
▼フルギア前AEWブライアンRロメロ新日 初ダンテRラッシュ PAC-DAX
(c) AEW タダシ☆タナカ編
■ AEW Dynamite
日時:11月10日(現地時間)
会場:米インディアナ州インディアナポリス インディアナ・ファーマーズ・コロシアム
2002年に新日本プロレスLA道場でともに汗を流したブライアン・ダニエルソンとロッキー・ロメロがここで邂逅。そしてまたも素晴らしい試合が行われるのだ。
SNSでの事前の煽り段階から、ロッキーがオカダ・カズチカに電話して「オレンジ・キャシディとベスト・フレンズがケイオス軍入りするかも」という伏線があり、ロッキーにはオレンジがセコンドに付いている。それにしても実況が「New Japan、カズチカ・オカダ」を何度も触れて回るから、これは近いうちにオカダのAEW登場があるのだろう。禁断の扉が開かれて以降、提携は急速に広がっている。米国は海外からの渡航が自由になったニュースもあった。いよいよ、期待していいことが起こりそうなのだ。
ロッキー・ロメロもやはり凄い選手である。ロメロ・スペシャルをブライアンの方が挙げて見せるなど、ニヤとさせるspotを含みつつ、誰とやっても少しづつ違うパターンの展開で名勝負にしてしまうブライアンに感服だ。
毎回フィニッシュの違うブライアン、今回はテキーラサンライズのような体制になるオモプラッタ・クラブとかハーフ・クラブとも呼ばれる技で締め上げてのタップなんだが、ちょっと時間が超過だったのかタップの前にゴングが先に鳴ってはあった。まぁそれは許してやってください。イイ試合なのだった。
次のセグメントはトニー・シェバーニがインナーサークルをインタビューするという予定だったのだが・・・。案の定、ダン・ランバート会長率いるATT軍が襲撃して会場のHEATを沸騰させる。
まして今回は、イーサン・ペイジとスコーピオ・スカイにアシストされながら、なんとクリス・ジェリコ親分をコーナーからのパワーボムでテーブル葬にしてみせたのだから『フルギア』の5対5戦で試合する指名を受けたが、準備出来ているということなのだろう。
ところがそれだけでも「おっさん、ようやるなぁ」だったのに、なんと、「これはウォール・オブ・ジェリコじゃない、1975年、チャンピオンシップ・フロム・フロリダのロッキー・ジョンソンのボストン・クラブやぁ」と解説マイクしながら技やったんだから唖然。実はプロレスファンだというのは出てきた時からバレていたが、いやもう、筋金入りのマニアだったという。参りました。降参です。
褒めてばかりでは専門媒体の批評レポートにならない。Dr.ブリット・ベイカーD.M.D.にジェイミー・ヘイターまではわかるが、そこに自称レベルことレバまで選手として6人タッグって、大丈夫なのかと思ったら、やはりダメ。ブレーン・バスターやろうとして、うまくいかず2度目なんだが、誰がそんなやり方教えたのか。だいたい受ける方がアナ・ジェイなので、これまた受け方のコツがわかってない。はい、相手のトリオはアナと組んでるPPV『フルギア』でD.M.D.に挑戦するタイ・コンティ、それにベテランのサンダー・ロサなんだが、ロサの出番は顔見世程度なので、グリーンなレバとアナにspotやらせたりするからグタグタである。
前哨戦なんでタイ・コンティがレバにDDタイを決めるフィニッシュなんだが、もうレバはベイカー軍のサイドギミック役だけで結構です。選手としては出さないで下さい。
お口直しにと、ブライアン・ダニエルソンと凄い試合をやったアクレイムドのアンソニー・ボーエンズが、またRAPで出てきてジャングルボーイと対戦。およよ、このボーエンズ、単に相手がブライアンだからイイ試合になったのではなかった、もの凄く出来る選手だとあらためて納得するのである。
ジャングルボーイのスネアトラップが決まるんだが、ボビー・フィッシュが出てきて襲撃する。Rampageのカードになるようだ。
ベストフレンズ軍のウィーラー・ユウタは・・・ウォードロウに何度も、何度も叩きつけられるだけでした。
おまけで、オレンジ・キャシディは首にパイプ椅子挟まれたままマット・ハーディにRKOというか・・・ツイスト・オブ・フェイトでガツンとやられます。
LET THEM FIGHT
LET THEM FIGHT
LET THEM FIGHT #AEWDynamite pic.twitter.com/n3I6sEthIV— All Elite Wrestling on TNT (@AEWonTNT) November 11, 2021
ちなみにPPV『フルギア』の煽り回なのだから、やはり会場の駐車場でのCMパンクとエディ・キングストンの一触即発ありました。ガチで嫌っている二人だけに、このカードは見物なのです。リハビリ施設入りの盟友ジョン・モクスリーのためにも。
今回の番組の注目かつ目玉なのは、なんといっても若手ダンテ・マーティンの指南役という格好でAEWデビューとなったリオ・ラッシュに尽きる。そしてマット・サイダル&リー・モリアーティ組と期待を上回る目まぐるしい攻防、かつ斬新な動きで大満足させてくれるのである。
それにしても、リオ・ラッシュと戸澤陽がNXTでやったクルーザー級王座戦とかもの凄かったのに、やはりWWEは選手の生かし方をわかってないとの指摘になってしまう。リオがRAWに行ったら、しゃべれるからとボビー・ラシュリーの従者役とか、戸澤の今は24/7王座を追いかけるお笑い要員である。ちなみに、アダム・コールがRAWに行っていたら、これまたしゃべれるからと、キース・リーの従者役が計画案だったとされ、それが今やインサイド用語になったBUDGEだったのだが・・・。
サイダルが出来る職人であることは日本のファンには周知のことなんだが、リー・モリアーティも非常に良い。最後はダンテのトップロープからのムーンサルトに寝る役なんだが、大人のファンにはどうでもいいことだ。