『裁判プロレス』第1ラウンドゴング! 第一回口頭弁論で異例の長丁場45分!!

 株式会社ネクストリビューションによる株式会社ブシロードファイトへの損害賠償請求訴訟(令和2年 第3831号)第1回弁論が7月27日(月)13:20~東京地裁632号法廷にて行われた。
 裁判所も今回の提訴にはかなりの複雑性を認め、当初から慎重に審議が進められてきたが、通常5分程度で終了する第一回口頭弁論が異例と言える45分の長丁場となった。

 

 ネクストリビューション側は、スターダムアイドルズプロデューサーでもあった川上孝行氏、ブシロードファイトからは代理人2名が出廷、小谷岳史裁判官、奥垣内仁書記官が担当した。

 傍聴席はコロナウイルス感染対策で、20席中8席のみ使用可となっており、スターダムアイドルズの石井マネージャー、弊誌の他に2名の傍聴人が座り、満員札止めで『裁判プロレス』第1ラウンドのゴングが鳴った。

 提訴が多岐に渡る為、原告側が提出した証拠重複の確認、書式の訂正などを要請された他は、中野たむとのマネジメント契約以外に、星野唯月(7月26日に選手活動終了が発表された)、上谷沙弥とも口頭契約を結んでいる事を証明する証拠の提出が求められ、川上氏はこれを承諾。
 さらに映像製作と使用料等の証拠提出の他、グッズ売店での労働に関して一旦取り下げ⇒労働審判調停への移行など、それぞれの案件に対しすり合わせが行われた。

 また、原告側が返還を求めている動産(道場の備品)に関して、被告側は
「色々な人が勝手に置いていった物が多々ある」「シリアルナンバーなど、原告が置いた物であるとの証明が為されれば引き上げる事には同意する」
と主張、裁判官からネクストリビューション側に、引き取りに行く事を提案した。
 これに対し川上氏は
「椅子やテーブルなど、製造番号が無い物はどうするのか」
と反論。裁判官が
「写真などで証明する事が可能」
と例を示し、解決出来る部分から解決していく様に提案、川上氏も了承した。

 そして今回のメインイベントと呼ぶべき攻防が、被告側の「ブシロードファイトはスターダムの債務を継承をしていないので訴えそのものが無効」との主張に関するやりとり。

 裁判官がその証明を被告側に求めると代理人は
「契約書に事業の引継に関する条項もあるが秘匿性が高い」
と、難色を示す。
 裁判官は
「マスキングなどして出してください」
とアドバイスするが、ここで川上氏が、
「事業を継続してないと主張するならば、この先裁判を進める事は無意味ではないか」
「当方は昨年12月から再三内容証明でどこを訴訟相手にすればい良いかを訪ねており、それに対し解答すると言いつつ今日まで具体的な返信が無かった」
「先刻は動産を引き取りに来る様にと言いながら、その主体も不明になるのでは」
と、怒気を込めて主張。
 これに裁判官は
「根拠無く置かれていると主張する動産を引き取る事は可能なので」
と取りなした。

 最後に川上氏は、ブシロードファイトと和解しようとしたが決裂した事実を裁判所に伝える様、被告代理人に依頼した事を明かしたが、ブシロードファイト側は
「当方で伝えて良いかと提案したが、必ず伝えると約束したわけでは無い」
と否定。

 筆者の個人的感想としては、プロレス村の慣習に従って、善意と情でやってきた原告側の訴えと、本来そこと無関係であった被告側の、法を盾にした無機質さの対比が浮き彫りになった様に思う。

 次回第2回弁論は9月10日(木)10:30開廷を予定している。


▼『スターダム★アイドルズ』プロデューサー 川上孝行氏独占インタビュー第1回

[ファイトクラブ]『スターダム★アイドルズ』プロデューサー 川上孝行氏独占インタビュー第1回

▼『スターダム★アイドルズ』プロデューサー 川上孝行氏独占インタビュー第2回

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▼『スターダム★アイドルズ』プロデューサー 川上孝行氏独占インタビュー第3回

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▼『スターダム★アイドルズ』プロデューサー 川上孝行氏独占インタビュー第4回

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▼『スターダム★アイドルズ』プロデューサー 川上孝行氏独占インタビュー第5回

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▼『スターダム★アイドルズ』プロデューサー 川上孝行氏独占インタビュー第6回

[ファイトクラブ]『スターダム★アイドルズ』プロデューサー 川上孝行氏独占インタビュー第6回