©2020 WWE, Inc. All Rights Reserved.
先週は急遽の特番仕様になり、ジョニー・ガルガノvs.トマソ・チャンパの抗争ドキュメンタリーが放送されたのであるが、今回は無観客試合中継に戻った。もっとも驚きはパフォーマンスセンターからではなく、フルセイル大学会場になったことだろうか。大きさはそんなに大きく違わない、どっちみち無観客じゃないかと思うかもだが、こちらの方が大きな花道スクリーン、照明機材など一式が揃っていることは事実である。
但し、NXTの看板である実況席のマウロ・ラナーロ、ナイジェル・マクギネス、べス・フェニックスが全員欠席と、すべてがうまくいくわけではない。なんでもカリフォルニア組はAEW含めてそもそも外出できない戦時下にある。日本からの視聴者に関するなら、先にAEWを見て、それから日本時間金曜解禁のNXTとなるが、前者がサミー・ゲバラvs.ケニー・オメガのAAA王座戦こそしっかりしていたものの、他は短いスクワッシュか、WWE亜流のコント場面で繋げた急場しのぎ構成だったのに対して、NXTは本来のレスリング重視だ。少なくとも『NXTテイクオーバー:タンパ』がなくなった分、予定カードを順次番組で出していくようで、それの予選カード含めて方向性は定まっていた。さらに第1試合からマニアを喜ばせる試合内容重視で勝負したのが印象的であった。
まずは将来性はともかく、若造扱いの元EVOLVE王者オースティン・セオリーと、実況でも獣神ライガー戦のことが紹介されたタイラー・ブリーズから。ガンガン攻めさせておいて、ブリーズの専売特許であるスマホ撮影をやり出したセオリーは、そっちに気を取られて油断して、最後は先輩越え出来ずという結末。ただ、無観客の場合、リングで大声出したり、スマホ撮影というのは、単なるブンブンブンの試合より見栄えはする。タイラーのリードが上手いからなんだが、オースティンも見せ場をきっちりやれて、大変うまくいったオープニングであった。
さらにベルファースト出身が強調されたキリアン・デインがテフティ・マイルズにセントーンなんだが、自爆じゃないんだがやった方が痛いというか、ケガしたかも(笑)。ただ、いつも以上に大暴れしていたキリアン・デインは良かった。こういう状況下で必死にやってる選手は記憶に残るものだ。
そして無観客だからブーイングのないキャメロン・グライムスとトニー・ニースの職人対決も良かった。これを本誌が評価しないでどうするのか。恐らくフロリダ在住が多いNXTの場合、全員がんばっている点は伝わっただろう。試合運びに長けるキャメロンが勝利している。
ここまでで、プロモが多いAEWと違ってプロレスを堪能なんだが、女子王座挑戦者決定ラダー戦の予選ということで、当初の発表はアリーヤvs.中国人ザイヤ・リーなんだが、ザイヤは前回アリーヤの鼻を折ったという設定で、偽血たらたらのスキッドをアリーヤがやって暫く引っ込んでいたものの、今回はコスチュームで出番直前(という設定の)ザイヤ・リーが、通路で冬季五輪前のナンシー・ケリガンよろしく足をやられて泣き叫ぶ映像と。しかし、ここで「メディカル・クリアの許可が出た選手が替わりに」と実況が言ったので、もしやと思ったらやはり紫雷イオ様だ。トニー・ストームのトぺを受ける際に体重が右足に乗ってくじいたことは即刻お伝えしているが、とりあえずはめでたい。ということで、ムーンサルトを舞ってイオがラダー戦に駒を進めた。
続いてはキース・リーのプロモで、当然ドミニク・ダイジャコビックも、ダミアン・プリーストも出てくる。恐らく次は3 way戦なのだろう。
オニー・ローカンと、ダニー・バーチの英国組に、オーストラリアのシェーン・ソーン(ヘイスト)教官&ブレンダン・ヴィンク組というのも、マニア的には面白い。後者はRAWに続いての登場になるが、またお仕事役ですかぁ・・・。今や国外にも出られないから、国際戦が米国のTVマッチというのも職人の証明ではある。
笑顔のキャンディス・レラエが出てきて、ケイデン・カーター戦となれば、先に紫雷イオが勝ってるからケツは読めるのだが、重ねて両者一生懸命だったしよろしいかと。ただ、順番は先にこっちをやるべきというのはある。もっともAEWもそうだったが、可能な限りテーピングやって、あとからどれを今週出すかとやってるから、徹夜でカードも考えてと構成しているので仕方がない。選手の予定組んでも飛行機なかったとかもあるからだ。
最後の試合はさすがNXTである。職人ロデリック・ストロングとマット・リドルは文句のつけようがない。やはりブロデレックが決まってリドル勝利なんだが、そこに大型のインド人コンビが襲撃。タッグ部門の未来だと宣伝されていた。
番組の最後は、やはり”NXTクリエーター”との紹介が付いたトリプルHである。トマソ・チャンパとジョニー・ガルガノが呼ばれ、「今回は手を出すなよ」と。これで『テイクオーバー』で予定された因縁カードは「2週間後にどこかの空いている場所で」ということに。どうやらちょっと違う趣向を凝らすようで楽しみには違いない。もっとも、それだけでは番組が終わらず、Impact Wrestlingから転出したキラー・クロスだと影だけでわかるプロモ映像が流れ、その次の展開も予告されていた。お楽しみはこれからだ。
■ WWE NXT
日時:3月25日(現地放送時間)
会場:米フロリダ州オーランド近郊 フルセイル大学スタジオ
◆紫雷イオがサプライズ復帰!王座挑戦者決定ラダー戦出場を決める
紫雷イオがNXT女子王座挑戦者決定ラダー戦の予選に代理としてサプライズ復帰し、アリーヤを破って本選出場を決めた。ザイア・リー対アリーヤの予選で、突如ザイア・リーがバックステージで何者かに襲撃され膝を負傷するハプニングが起こると、代理としてイオが出場した。
イオはドロップキックからコーナーでダブル・ニーを叩き込んで先制すると、アリーヤも髪を引っ張ってイオをマットに叩き付けると蹴り連打で応戦。しかし、勢いに勝るイオは掌底アッパーからバックブリーカーでアリーヤにダメージを加えると、最後は必殺のムーンサルトプレスを決めて3カウント。イオは見事復帰戦を勝利で飾り、NXT女子王座挑戦者決定ラダー戦出場を決めた。
【 #WWENXT 速報】「イオ紫雷様が帰ってきたぞー!」🔥👿🖤#WWE #wwe_jp @shirai_io pic.twitter.com/THeCxb5SsF
— WWE Japan (@WWEJapan) March 27, 2020
バックステージでイオは「このイオ紫雷様が帰ってきたぞ。イェーイ! おい! 怪我で私は欠場してたんだけども、完全復活だよ。今日アリーヤをぶっ倒したから、これからラダーマッチにエントリーしてNXTのチャンピオンベルトに挑戦していくんだ。誰がどう考えたってこのイオ紫雷様が一番になって一番の証のベルトを巻く。巻かなきゃダメ。巻かなきゃ面白くない! じゃーな」と王座挑戦権をかけた闘いに向けて闘志を燃やした。イオが出場するNXT女子王座挑戦者決定ラダー戦は日本時間4月10日にWWEネットワークで配信されるNXTで行なわれる。
※月額999円ファイトクラブで読む(クレジットカード、銀行振込対応)
▼NXT+同時多発的世界マット界恐慌プロレス格闘技の行方と最新裏情報網羅!
▼世界50万人感染コロナ戒厳令とマット界+新井健一郎ヤマモ酒
▼RIZIN.22横浜アリーナ中止~コロナ全米汚染とマット界の明日を考察
※500円電子書籍e-bookで読む(カード決済ダウンロード即刻、銀行振込対応)
’20年03月26日号コロナ世界激震WM無観客2日+水曜 WRESTLE-1 Sスタイル女子 カンボジア