新日本プロレス上半期の集大成となる6・9『DOMINION』は前売りから完売に。6月5日の『BEST OF THE SUPER Jr.26』決勝大会が、内容的に凄すぎたこともあれば、選手やクルー一行の疲れが溜まったままというのも無視できない要因ではあるが、KENTAの登場やG1参戦発表など、ニュース話題も豊富に詰め込んだ大会ながら、ベスト興行だのなんだのと誉めてしまうのも大げさになってしまう。
また、終わりよければすべてヨシとなるものだが、オカダ・カズチカvs.クリス・ジェリコ戦が、イマイチ練られてないというよりは、ジェリコの衰えを露呈する出来だったことに加え、フィニッシュの返し技がお客さんを納得させるに至らず、予定通りにジェリコが暴れ、棚橋弘至がそこに救援に出てくるというアングルこそ繋いだものの、「なんだ、これで終わりか」みたいな反応になってしまい、しばらくお客さんも帰ろうとしなかったことが全てであろう。
但し、噂ではクリエイティブ・コントロールの権限も契約に与えられているとされるジェリコが、クリーンなフィニッシュを望まず、返し技で3カウント入れられて暴れるという段取りを主張した可能性は高く、コンディションが良さそうだったオカダが悪い訳ではない。
ダークマッチもなく、本当にいきなりジョン・モクスリーから始まって、しかも次が鷹木信悟と、つかみは非常にうまく考えたとの評価はある。但し、やや途中で中だるみした印象はあるし、ビックイベントだからこそ、もっと絞ってダークマッチ2試合、本戦5試合のフォーマットで高評価のNXTとの比較が出てこよう。レスリング重視のプロモーションなら、全9試合でも多いからだ。休憩ナシの4時間という、海外のマニア注目ということで尻を叩かれたというか、本誌詳細のように長い休憩を2度も挟むRIZINの構成じゃ海外媒体から無視されるのも仕方ないと思うのだが、そこは評価に値するものの、それでも4時間ギリギリの尺を長いと感じた嫌いは残る。
会場の集中力がピークとなったのはウィル・オスプレイvs.ドラゴン・リー戦であり、最初から目まぐるしく動く展開に釘付けになるのだが、そこからあとは、会場の熱気がやや尻すぼみになっていったのが現場の実感だ。
メインの幕切れはやはり不完全燃焼であり、昔のような暴動にはならないにせよ、ブーイングは出ていたし、モノを投げていた客も複数目に付いた。次につなげる命題や、ジェリコの希望もあり、こうするしかなかったという作る側の苦労を理解するものの、内藤哲也にまたブーイングするかと思えば、手のひら返しで応援する大阪のうるさい客を満足させたかと問われるなら、魅せ方に課題を残す大会だったかも知れない。
■ 新日本プロレス 『DOMINION 6.9 in OSAKA-JO HALL』
日時:6月9日(日)16:00~
会場:大阪・大阪城ホール 観衆11,901人(札止め=主催者発表)
<第9試合 IWGPヘビー級選手権試合 1/60>
●[挑戦者]クリス・ジェリコ
25分43秒 エビ固め
○[第69代王者]オカダ・カズチカ
※オカダが2度目の防衛に成功
<第8試合 IWGPインターコンチネンタル選手権試合 1/60>
○[挑戦者]内藤哲也
22分06秒 デスティーノ⇒エビ固め
●[第21代王者]飯伏幸太
※飯伏が2度目の防衛に失敗。内藤が新王者
▼ジョシュ・バーネットも指摘した危険なspot
Did this maneuver even end in some sort of a finish? https://t.co/ISwbeVAinj
— 𝕿𝖍𝖊 𝖂𝖆𝖗𝖒𝖆𝖘𝖙𝖊𝖗 (@JoshLBarnett) 2019年6月9日
<第7試合 IWGPジュニアヘビー級選手権試合 1/60>
○[挑戦者/BEST OF THE SUPER Jr.26優勝者]ウィル・オスプレイ
20分07秒 ストームブレイカー⇒片エビ固め
●[第84代王者]ドラゴン・リー
※リーが2度目の防衛に失敗。オスプレイが新王者
本誌2018年の座談会から、直近の座談会他、各ライターも複数記事にて活字にしてきているが、盟友・柴田勝頼に紹介されてKENTAのG1参戦が発表された!
<第6試合 IWGPタッグ選手権試合 1/60>
[挑戦者組] SANADA ●EVIL
16分38秒 横入り式エビ固め
[第83代王者組]タンガ・ロア ○タマ・トンガ
※トンガ&ロア3度目の防衛に成功
2020年は2月9日(日)にNEW BEGINNING、6月14日(日)にDOMINIONと、大阪城ホール大会が年2回開催の発表がなされている。
<第5試合 NEVER無差別級選手権試合 1/60>
[挑戦者]○石井智宏
16分11秒 垂直落下式ブレーンバスター⇒片エビ固め
[第25代王者]●タイチ
※タイチが初防衛に失敗。石井が新王者
<第4試合 1/30>
石森太二 ●チェーズ・オーエンズ ジェイ・ホワイト
9分48秒 変形スリングブレイド⇒片エビ固め
田口隆祐 ジュース・ロビンソン ○棚橋弘至
<第3試合 1/30>
●ザック・セイバーJr. 鈴木みのる
9分39秒 緊箍児
○YOSHI-HASHI 獣神サンダー・ライガー
※YOSHI-HASHI再プッシュ
<第2試合 1/20>
○鷹木信悟
11分14秒 ラスト・オブ・ザ・ドラゴン⇒片エビ固め
●小島聡
※本誌既報の『BEST OF THE SUPER Jr.26』MVP鷹木もG1参戦!
<第1試合 1/30>
●海野翔太
3分52秒 ダブルアームDDT⇒片エビ固め
○ジョン・モクスリー
※本誌既報通りMOXがG1参戦を宣言!
ダークマッチなし!!!
photo by 泉南友香、西尾智幸
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’19年06月20日号DOMINION大阪城 G1KENTA WWE新日 Wウィリアムス 覆面マニア Jewels