放送権革命、女子進化の2018年回顧~シュート活字版・鷹の爪大賞[ファイトクラブ]総括

[週刊ファイト12月16日号](月曜12月10日発売)収録 [ファイトクラブ]公開中


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▼放送権革命、女子進化の2018年回顧~シュート活字版・鷹の爪大賞
 タダシ☆タナカ+シュート活字委員会編
・FOX金曜夜8時WWE、UFCが揃って2019年から放送権天井の大型契約
・MVPベッキー・リンチ、シャーロット・フレアー☆新人賞ロンダ・ラウジー
・週刊ファイト:歴史には裏があり、真実を学べば卒業しないファンにな
・Bサンマルチノ、馬場元子、ベイダー、M斎藤、亜利弥’、Ray、山本KID
・PPVエボリューション活性!国内Joshiの停滞と北米女子革命対比考
・浜田文子覚醒剤逮捕!浅草橋#ファイトカフェトークTeam DATE大盛況
・国内盟主・新日本プロレス2018 外国人社長とグローバル戦略だが・・・
・シカゴ『ALL IN』~オール・エリート・レスリング登記と2019年
・そだね~トランプ#Me too!国内マット界流行とWWE認知、ONE台頭


 2018年のマット界をグローバルかつ冷静に歴史に書き残すなら、放送権革命ということになる。なにしろWWEの放送権更改交渉があり、2019年10月からRAWを中継するUSAネットワークの値段が約3倍、SmackDown Liveが地上波FOXの金曜プライムタイム(日本表記ゴールデン)に移行して、同じく約3倍にハネ上がったとなれば、衝撃!と言わないほうがオカシイ。
 よく本誌に対して、「WWEの株価がどうたらとやっても、ファンは興味を示さないんじゃないか」と忠告する方がいるが、読者対象が異なる。無料のネットで十分、有料媒体なんか必要ないというライト層を対象とする一般公開サイトではない。他媒体と同じことを書いているだけでは誰もカネを出して定期購読はしてくれないからだ。
 その株価だが、最初に売り出した価格が一株$20である。一時は$10を割ることもあったというのに、契約締結が報じられて以来、いきなりグングンと上がりだし、現地時間11月30日(金)の終値で$73.96なのだから、将来のキャッシュフロー予測をもとに株価が形成される以上、証券アナリスト分析は適切どころか、インドでの放送権交渉が大きな高値となるから、予想では$100を超えるというレポートも出たばかりなのだ。

 必殺交渉人が同じアリ・エマニュエルということもあるが、FOXネットワークのWWE放送決定の決断には、これまでお茶の間の認識ではUFCのホーム・チャンネルというイメージがあったのに、新たに配信サービスを安く始めたESPN+に放送権を持っていかれた要因もある。
 詳しい数字分析まで、有料記事には活字にされているから本稿では繰り返さないが、ほぼ同時期にプロレスのWWEと、総合格闘技のUFCが、信じられない巨額の放送権料契約を勝ち取ったニュースは、いずれは日本に住む、今のところ日本の団体を追いかけている末端のファンにも影響してくること必死であって、海外のおとぎ話だと注意を払ってないと、あとからしっぺ返しを喰らうことになろう。引き抜きや包囲網工作が始まっていることは、定期購読者にはお伝えしてきた通りになる。

▼マット界2018年最大ニュース!WWE・UFC放送契約更改の衝撃度

[ファイトクラブ]マット界2018年最大ニュース!WWE・UFC放送契約更改の衝撃度~新日外国人社長~全日後楽園

 電子書籍の利点でもあるが、本誌はバックナンバーを購入しても色褪せることがない。時間がたてば、いわゆる裏ネタもどこかに出てくるという思い込みとは裏腹に、「未だにどこにもネット検索では出てないですね」と言われることが少なくない。放送権革命のことは、毎週のように活字にしてきたから、鷹の爪大賞記事としては「アーカイヴを揃えて下さい」と残すにとどめる。

 ただ、本物の株式投資プロは世間的な評価が低い安値で買って、高値で売り抜ける鉄則もある。財政バランスシート面で絶頂期にあるWWEであるが、ハウスショー巡業がまったく儲からなくなっている懸念材料データも出てきた。大会場でのPPV大会にせよ、観客動員数は落ちている。また、ネット配信サービスだの、YouTubeの一般大衆への浸透もあり、テレビ視聴率が低下傾向なのはプロレス番組全般に限らず、それどころか世界的な潮流でもあるのだが、だからといって放置が許されるものでもなかろう。
 ビンス・マクマホン会長は73 歳、未だに鶴の一声で台本が変わることもあるものの、ボケてるんじゃないかという采配も見受けられる高齢になった。いくら日本のファン目線では、新日本プロレスが好調だった2018年と評されようが、世界規模でみたら桁が違うビジネスになり、WWEの巨大化が止まらない一年だったことは客観的には強調せざるを得ない。ただ、専門媒体目線では、ほころびも見え隠れしているという評価になろう。

MVPベッキー・リンチ、シャーロット・フレアー☆新人賞ロンダ・ラウジー

 プロレス、MMA、キックと全部を扱う専門媒体にして、海外ネットワークを駆使してグローバルにマット界を扱う本誌のスタンスとしては、MVPとかの選定になると、世界的に見ている数があまりにも違うため、WWEから選出するのが筋となってしまう。但し、『鷹の爪大賞』は投票ではない。参加者がそれぞれ自由に2018年を回顧するスタイルなので、本稿はあくまで、シュート活字委員会の選定分だったとは断っておく。趣味の世界なんだから十人十色で悪かろうハズもなく、意見の一致はまるで求められてはいない。
 その前提であえてMVPを選ぶなら、ベッキー・リンチ、シャーロット・フレアーの2選手を併記させていただく。また、新人賞ということなら昨年度はターザン山本にしたんだが、本年はロンダ・ラウジーにせざるを得ない。UFCでの国民レベルでの絶対的な知名度と人気は、本誌がたびたび「日本ではよく理解されてないようだが・・・」と指摘していることだが、だからといって、プロレス転向して、必ずしもWWEユニバースから支持される保証はなかった。うまくいかないリスクも存在したことを思えば、よくやってると評価せざるを得ないのだ。
 ベッキーとシャーロットはあとで選考理由をやるが、お気づきになったように女子選手の名前が並んでいる。2018年最大のニュースが放送権革命とは最初に大書したが、二番目としては、女子革命というか、女子だけのPPV大会名にもなったEvolution(進化)が顕著だった一年となる。 
 PPV大会に関してはこれまで季節に合わせた4大大会を除いて、毎月のものはRAW班、SmackDown班が交互に担当していたものの、本年の途中から、NXTや205 LIVEブランドのカードも含めて、すべて合同という構成にWWEは方向転換している。その上で例えば、現地時間12月16日の『TLC』大会は、どう考えても女子のトリプルスレッド戦(ベッキー、シャーロット、アスカ)が目玉であり、メインイベントなのだ。男子のカードを差し置いてである。冷静に考えてみれば、もう「えらいこっちゃ!」の次元なのだ。

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年間最高試合賞
11月18日、WWE『サバイバー・シリーズ』シャーロット・フレアーvs.ロンダ・ラウジー
▼株価含めたWWE絶頂を斬る!NXT~サバイバー・シリーズ総括分析

[ファイトクラブ]株価含めたWWE絶頂を斬る!NXT~サバイバー・シリーズ総括分析


4月8日、WWE『レッスルマニア 34』アスカvs.シャーロット・フレアー
▼Bレスナー再契約!アスカ最高評価!ヒール中邑真輔!ロンダ様デビュー!

[ファイトクラブ]Bレスナー再契約!アスカ最高評価!ヒール中邑真輔:ニューオーリンズ現地取材レッスルマニア34核心分析と総括


10月28日、WWE『エボリューション』ベッキー・リンチvs.シャーロット・フレアー

週刊ファイト:歴史には裏があり、真実を学べば卒業しないファンになる

▼総力特集WWE『エボリューション』レッドカーペット豪華グラフ&舞台裏核心

[ファイトクラブ]総力特集WWE『エボリューション』レッドカーペット豪華グラフ&舞台裏核心

 2018年は、UWF検証本なるジャンルが氾濫したり、またまた誤った猪木アリ戦の定説が語られる奇妙な一年でもあった。天心メイウェザー戦を筆頭に、今起きていることに対する思考力や真実を見抜く力を身につけたいなら、正しく歴史と向き合う姿勢が必要になってくる。
 本誌が繰り返し主張していることだが、なぜ日本は世界から取り残されたのか。80年代初期には金曜夜8時の中継は20%超えの視聴率を誇り、新間寿・元新日本プロレス営業本部長をして、「プロレスブームじゃない。新日本プロレスブームなのだ」と言わしめたほど、確かにグローバル目線でも日本が母国アメリカを凌駕、プロレスは日本を軸に回っている時代が確かに存在したにも関わらずだ。事実、米国のトップスターたちにせよ、日本での稼ぎがどのテリトリーよりもダントツだった。しかし現在、WWEと日本のプロレスの市場規模は、比較するのも恥ずかしいほどに巨大な差がついてしまっている。どうしてこのような逆転劇が起きたのか?

 確かにプロレスや格闘技は趣味の世界でしかない。十人十色というか、どう楽しもうが解釈自由のジャンルではある。ただ、ファンの熱中サイクルが極端に短いことを思えば、やはり教育が間違っていた、ねじ曲がった楽しみ方が尊重され過ぎた反省があるのではなかろうか。「ヲタクがジャンルを滅ぼす」理論に加え、専門媒体が機能していないとの指摘は避けられない。大本営発表の伝統もあるが、右に倣えば怖くないとの日本の土壌もあろう。だから、未だ昭和プロレスの真実をテーマにした単行本やムック本が出版され続け、UWFだとなれば一斉に飛びつく。それとて本当の真相に迫れているのか否か? よく、シュート活字は日本の風土に合わないとか、感性が国内のファン好みになってないとも指摘されるが、ファンタジー活字こそが日本のプロレス格闘技をマイナーな小宇宙の趣味に追いやった元凶ともなれば、好き嫌いで片づけてよいのだろうか。
 そんなことを考えさせられる2018年だったこともまた、特筆しておくべきであろう。

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Bサンマルチノ、馬場元子、ベイダー、M斎藤、亜利弥’、Ray、山本KID

 特に日本は高齢化社会が進展するから、2019年も「訃報」が週刊ジャーナルの巻頭記事になることが増えるのは致し方ないのだろうが、本年も大勢の選手や業界関係者がお亡くなりになられた。あらためて、謹んでお悔やみを申し上げたい。
 ざっと表紙を並べて目につくだけでも、ブルーノ・サンマルチノがいなければ、旧WWEのMSGを本拠地とする毎月の定期戦開催など想像もつかなかったことは、一時はWWEの歴史から消されていたとはいえ否定するほうが不自然となる。日本に馴染みということではベイダーことレオン・ホワイトさんも亡くなった。また、馬場元子さんは影響力の観点からも外せない女帝だったし、マサ斎藤さんの存在も個人的な交流もあり忘れられない。格闘技界では山本”KID”徳郁の若すぎる死の記憶がまだ新しい。突然の訃報という点からも衝撃は大きかった。
 さらに、サイト運営時代になってからの本誌との取材相手で、同じく直接の交流とかになってくると、すでに公表されていたことだったにせよ、亜利弥’さん、Rayさんが相次いで天国へ旅立ったことにも動揺した。編集部内でも、「これでは毎週が訃報記事をやらないといけなくなっている」と、悲鳴が漏れた時期とも重なっている。
 他にも、名前を列挙するときりがなくなる。どうか追悼特集のバックナンバー購入を願うしかない。普通にネット検索で把握できるバイオのような記事にはひとつもしていない。それが専門媒体としての供養になる。

タグ 訃報 https://miruhon.net/tag/obituary

PPVエボリューション活性!国内Joshiの停滞と北米女子革命対比考

 最初に2018年の最大ニュースは「放送権革命」であり、「女子革命」も目についたと書いたが、現地時間10月28日、WWEの古くからの旗艦会場でもあるナッソー・コロシアムにて、初の女子だけPPV『エボリューション』が開催されたことに触れないわけにはいかない。

 現在THE MANとして、WWEの主役は疑うことなくベッキー・リンチである。そもそも、両国公演の時から、昔から見ているファンには(旧リングネームの)「レベッカ・ノックスが来ている!」と書き残してきた本誌としては、ほれみたことかという自負も強い。二連戦の初日は(その時点の)女子王者カーメラに寝る試合だったのだが、そんなケツはどうでもイイんであって、わかってみている者には輝いているのが見えた。ディスアーマーを披露した二日目然りである。


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