[ファイトクラブ]総力特集WWE『エボリューション』レッドカーペット豪華グラフ&舞台裏核心

[週刊ファイト11月8日号]収録 [ファイトクラブ]公開中

▼総力特集WWE『エボリューション』レッドカーペット豪華グラフ&舞台裏核心
 photo by George Napolitano text:タダシ☆タナカw/現地通信員
・1992年の『Super Ladies Showdown』から四半世紀以上の空白理由
・ダークマッチはNXT英国女子王座戦リア・リプリーvs.ダコタ・カイ
・トリッシュ・ストラタス、リタは女子革命の礎!アレクサ・ブリスは欠場に
・練ったバトルロイヤル!エンバー・ムーン人気、ナイア・ジャックス優勝
・豪華レッド・カーペット特撮グラビア!レジェンド戦士の衰えぬ美貌驚愕
 アランドラ・ブレイズ、エンバー・ムーン、アイボリー
 ケリー・ケリー、トリー・ウィルソン、モリー・ホリー
・なぜ10分しか与えなかったのか?トニー・ストーム紫雷イオMYC決勝
・Sバンクス&ベイリー&ナタリアxライオット・スクワッドがキャリーしてる
・カイリ!NXTテイクオーバーの方が良かったがSベイズラー2度目戴冠
・王座防衛ベッキー・リンチ大声援!シャーロットTLCハードコア最高試合
・柔道一直線ロンダ!元DIVA王者ニッキー・ベラ倒し女子革命を体現


 現地時間10月28日、WWEの古くからの旗艦会場でもあるナッソー・コロシアムにて、初の女子だけPPV『エボリューション』が開催された。DIVA時代が終わり、いわゆる日本発祥のJoshi Puroresuが全世界配信されたことになる。もっとも、女子だけPPV大会に限っても、1992年2月23日に、ミネソタの会場からLPWAが『Super Ladies Showdown』を開催している。WWEでは初になるが、これまで女子団体とか、女子だけの大会がなかったわけではない。
 LPWAはジャパン女子プロレスと提携するが、ちょうど大会をやる頃に二派に分裂。ここではLLPW陣が協力して、2016年に亡くなったハーレー斉藤がトーナメント優勝。イーグル沢井の暴れっぷりは、十分に北米で通用すると賞賛されたものだ。
 大会トリは、テリー・パワーが覆面のLady Xことペギー・リー・レザーを倒して王座を戴冠。当時ニューヨーク在住の筆者はリアルタイムで見ただけでなく、昔のVHSも残してあり、今になって見直してみたのだが大会内容は優れたものであった。但し、確か非常に寒い日で、全米には供給されたものの、購入件数は悲惨なものとなり、ほどなくしてアメリカの女子団体だったLPWAは倒産している。現実は甘くはなかったということだ。

 そこから数えても、2018年に女子だけPPVが開催されるというも、遅すぎるんじゃないかという嫌味はあるんだが、歴史的な一日であったとのWWE首脳陣の自画自賛は、まぁ許されるんじゃなかろうか。有料記事では辛口評が売りの本誌から見ても十分に満足のいく内容だったし、肝心の一般ファンの反応は大絶賛であって、「年に一回と言わず、もっともっとやるべきだ」論までアチコチで出ている始末である。
 ただ、本誌が繰り返していることだが、そもそも11月2日、女人禁制のサウジアラビア開催になる『クラウン・ジュエル』が決まったから、広報上の悪夢を和らげるためにも、オーストラリアはメルボルンからの『スーパーショーダウン』から、11月18日、ロサンゼルスのステイプルズ・センターから配信される『サバイバー・シリーズ』まで、やたらと過密にビックイベントが続くことになるにも関わらず、この『エボリューション』企画を急遽ブチ込み、会場も勝手知ったるナッソー・コロシアムに変更してと、実は余り力を入れてないんじゃないかという指摘は、先週号でやったのでここでは繰り返さない。

▼ローマン・レインズ白血病~クラウン・ジュエル+女子PPV~新日内紛続報

[ファイトクラブ]ローマン・レインズ白血病~クラウン・ジュエル+女子PPV~新日内紛続報

 もっとも、そうこうしているウチに、サウジアラビア人記者殺害事件が起こり、それも含めて結局はナッソー・コロシアムが満杯になったとか、裏ネタ分析は後半にやるが、やはりロンダ・ラウジーのプロレス転向というのは非常に大きい、1992年LPWA大会との比較からも最初に指摘すべき事項になる。日本のマニアには、テリー・パワーだの、レジー・ベネットは知られていたのかもだが、当時のニューヨークでは、正直マイナーなケーブル局であるMSGネットワークで深夜放送されていたものの、マニアはともかく、普通のライトな現地プロレスファンは、そもそも出てくる選手の名前すら知らなかったのが現地の実感だ。だから、女子だけの大会があるとなっても、購入したのはマニア層だけだったというのがビジネス結果になる。
 ところが、日本ではイマイチ理解されてないが、お茶の間でロンダ・ラウジーを知らない方が少数派なのが実感なのだ。本人が出てくるアクション映画だけでなく、まったく関係のない一般映画の会話の中に、ロンダ・ラウジーがどうたらが、普通に台詞として出てきたのを洋画マニアでもある筆者は複数回出くわしている。UFCとか、ロンダ様というのは、それだけ一般大衆の用語に浸透している裏返しになろう。

 実際、今回のメインは、ことさら「DIVAチャンピオン」だったことを強調するニッキー・ベラと、いわば本物の格闘家であるロンダ様の対決カードだから、まぁ、ケツはアホでもお見通しだったんじゃないかとは思うが、問われているのは内容である。どっちが勝った負けたはどうでもいい。それぞれの濃い分析は後回しにするが、この日は映画のオープニングよろしく、ニューヨーク・メディア用にいわゆる「レッド・カーペット」も大会前に行われており、だからナッソー・コロシアムに変えたんだと理解した。その写真も大量にあるから、順次紹介していく。

 ロックの母上エタ・ジョンソンとナイア・ジャックスはサモア系ファミリー

 当然ながら、WWEネットワークやPPV購入では見られない、会場客だけのダークマッチもあり、オーストラリア出身で英国版NXTに出ているリア・リプリーはレッド・カーペット撮影にも出てきて得をした一日となった。選手は昼には会場入り、ケータリングのランチには、野菜だけしか食べないストイック派もいるけど、「ニューヨーク・ピザ」なんかもあったことを、何度か取材で立ち会った筆者は記憶している。レッド・カーペット撮影時間になると、ドレスに着替えてあたかも今、到着したという演出でやり直すのだが、ロンダ・ラウジーは試合時の怖いメイクより、レッド・カーペット時の方が断然イイと思うのだが・・・。
 リア・リプリーのみ、最初の試合なのですでにリング・コスチュームにスタンバイ済み。ドレス姿ではなかった。

<ダークマッチ NXT英国女子王座戦>
●ダコタ・カイ
 ピンフォール
○リア・リプリー

 NXT英国王座はトーナメントが8月に開催され、決勝でリア・リプリーが、ボーイフレンドの都合で現在英国在住のトニー・ストームを下して初代王者となったタイトルだが、いわゆるデベロプメント・ブランドであり、正直、米国内でもタイトルの存在はまったく知られてない。
 まぁ、そんなことはどうでもよくて、『メイ・ヤング・クラッシク』の準決勝で、紫雷イオと良い試合をして内部者の評価が上がった。だからニューヨークの旗艦会場ダークマッチにも出番が回ってきたという経緯が重要なのだ。スターダムでも活躍するダコタ・カイを下している。

トリッシュ・ストラタス、リタは女子革命の礎!アレクサ・ブリスは欠場に
■ WWE Evolution
日時:10月28日(現地時間)
会場:NY州ユニオンデール ナッソー・コロシアム 観衆10,900人(超満員札止め=主催者発表)

 大阪公演では「アレクサ、結婚してくれ~」という声援が笑いを誘った。

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