[週刊ファイト4月19日号]収録 [ファイトクラブ]公開中
▼Bレスナー再契約!アスカ最高評価!ヒール中邑真輔!ロンダ様デビュー!
ニューオーリンズ現地取材レッスルマニア34核心分析と総括
photo by George Napolitano タダシ☆タナカ+シュート活字委員会編
・流血ローマン帝国F5の6発目に沈む!ブロック・レスナー再契約
・20分10秒AJのスタイルズクラッシュに沈むも中邑真輔ヒールターン
・KCIKOFFカイリ・セイン男女ランブル~クルーザー級セドリック・アレキサンダー
・セス・ロリンズIC王者、フィン・ベイラー♪True colors are shining through
・ベストマッチ賞:腕十字禁止も余裕アスカvs.シャーロット安堵から涙!
・納得できません!カーメラがMITB行使で新SmackDown女子王座
・人気上昇ルセフ追加で4WAY戦になったUS王座はジンダー・マハル
・ロンダ・ラウジーお披露目!カート・アングルと極悪権力夫妻がキャリー
・アンダーテイカーxジョン・シナ3分内!ブライアン復帰もシェイン不調
・ブラウン・ストローマン怪物プッシュと7時間興行の是非!QUINTET絶賛
―― アメプロは日本語の専門媒体でダントツのNo.1を広言している以上、『レッスルマニア34』の核心分析となるとプレッシャーがあります。他を凌駕してないと看板倒れと文句が来ます。
オフレコ ほぼ本誌の先行スクープ通りだったんで・・・。定期購読されている方には活字は全部残っているから、いかに正確かつ冷静に把握できていたかと。唯一、最後のブロック・レスナーvs.ローマン・レインズ戦が「え?」だったことは、北米の専門媒体でも同じだった。
▼電子書籍ジャーナル定期購読年間2万円クレジットカード決済or銀行振込できます
―― それでは、トリの驚きのエンディングから始めましょう。当日に変わることもあるとは、すでに2015年の具体例まで活字にしてますから割愛しますけど、大人向きガイドの専門媒体としては「いつ変わったのか」議論になります。
オフレコ 今回のは6日前、代理人ポール・ヘイマンが、「もしブロックが負けたらもうRAWには出ない」とまでお茶の間向けに言った時だとされている。契約書のサインは当日らしいけど(笑)。
流血ローマン帝国F5の6発目に沈む!ブロック・レスナー再契約
■ WWE レッスルマニア34
日時:2018年4月8日(現地時間)
会場:アメリカ・ルイジアナ州ニューオーリンズ メルセデスベンツスーパードーム 観衆 78,133人(超満員札止め=主催者発表)
<第11試合 WWEユニバーサル王座タイトルマッチ>
[王者]○ブロック・レスナー
ピンフォール
[挑戦者]●ローマン・レインズ
―― もう絶対に出ないと言った時が、反対に今後も出る証というマット界の言い回しのお約束ですね。しかし、そうではあっても、ヘイマン発言をもって6日前に再契約になったと活字にする媒体はありませんでした。深読みごっこの裏をかかれた。
オフレコ そもそもロンダ・ラウジーの実質デビュー戦のため、UFCのディナ・ホワイトも来賓していたが、ハゲもWWEのアングルに協力している。彼のTwitter発信やTV発言もまた話半分(レスナーはUFCに戻る)に聞く必要があるという了解があった。
―― レスナーのWWEとの契約がいったん切れることは事実でしたから。仮に新契約になっても、ここはローマンのoverになると、先週号にはっきりと活字に残してます。そうしないと、次からどう大河ドラマを回していくのか、WM後の展開に繋がりません。
オフレコ その通り。次のエースは誰なのかと。繰り返し書いてきたように4年前からローマンにすると計画が練られたのに、本当に当日に変わってセス・ロリンズがMITBの権利を行使して漁夫の利で王座に就いた回もあった。遅れに遅れた計画だけど、さすがにここで実行しないと、もうローマンにチャンスはないことになる。ベルトを手にしても客がブーイングする絵をビンスを嫌ったから、次のサウジアラビアかどこかに変えたとも聞くけど、そんなんでいいのかと。
―― 確かに。ローマンを潰してしまったことになり、今回もイイ試合だったのに、いくらベビーフェイス化に腐心しても、不人気だったというのはあるにせよ、毎週、毎週、シンドイ試合で好試合をやっていた功労者なのに。5年ぶりにダニエル・ブライアンが戻ってきたとかあるにせよ、数回出てくるだけの特別扱いのブロックが王者のままで、回していけるのかと。
オフレコ スーパーマンパンチとジャーマンの攻防が繰り返し出てきて、さてF5のキックアウトが4回、5回となって、スピアーが出てもフォールにならない。ハードウェイにせよレスナーの額パンチでローマンが大流血。やられても、やられても立ち上がる姿に観客が感情移入する効果はあったにせよ、果たして正しいケツだったのかは今後のビジネス論議になると思う。
20分10秒AJのスタイルズクラッシュに沈むも中邑真輔ヒールターン
<第9試合 WWE王座タイトルマッチ>
[王者]○AJスタイルズ
スタイルズクラッシュ⇒ピンフォール
[挑戦者]●中邑真輔
Real emotion is beyond description. Worry not about my words, you will see my actions and feel the vibe.
I will continue to express my art. Always. pic.twitter.com/Uc5MU3xTFl— Shinsuke Nakamura (@ShinsukeN) 2018年4月11日
―― 日本のファンにとっての関心は、中邑真輔の戴冠だったわけですが・・・
オフレコ 「確かな筋から中邑が戴冠だと聞いている」とか本誌内部者まで言ったんだけど、僕は「確かな筋ってなんだよ」、と(笑)。本誌がアメプロではダントツNo.1だと自信あるんだけど。
―― 「レ、レ、レヴェルが違う」から。シュート活字委員会担当記事では、一度も中邑戴冠とは書いてないです。この両雄にとっての最大のチャレンジは観客との勝負論であって、「ベストマッチだったと言われるか否かが鍵だ」とは繰り返してますけど。
オフレコ ROH大会に出場する棚橋だけでなく、オカダ・カズチカまでニューオーリンズに中邑の雄姿を見に来ていたそうだ。中邑の両親や家族も勢ぞろいしていたという。でも、ローマン・レインズのサモアの一族がリングサイドに招待されていた時も、そうはならなかった。
―― 残念ながら、ベストマッチだったとは思えないです。長時間興行、そろそろ集中力が切れる時間帯だったこともハンディでしたけど。
オフレコ シンスケ・ナカムラ注目の入場曲エントランスは、アリス・クーパー・バンドからニタ・ストラウスのアイバニーズ・ギター(w/ Boss GT-1000CORE)がチョーキングで唸りを上げ、トレモノアームが宙を舞うアレンジに。LOUDPARKで来日したからメタルヘッドには馴染みやな。さらには大勢の女性ヴァイオリン・トレインが続いた。ドラムも生で叩いていた。そこまでは良かったんだけど。
―― スローに始まったので30分とかやるのかと、やる側から見ている者なら期待したと思うんですが、サイコロジーを駆使した組み立ての集大成を目指すべく、中邑の得意技を放つ左膝がダメージ大という展開で練られてました。伝家の宝刀、スタイルズクラッシュに中邑が沈むんですが、え?これで終わりなの、とは会場客のリアクションでもありました。
オフレコ 日本のファンにはヨシタツが病院送りになって以来、(現場監督の)外道がスタイルズクラッシュをフィニッシュに指定して認められているけど、WWEでは使われてなかった。
『レッスルマニア』だけ見たという日本の客だって少なくないから、補足しておかないと会場客の反応が理解されないと思う。
―― お仕事する側がフィニッシュ技を受諾する場合が少なくない慣例も説明しておかないと、日本のナイーブな客にはわからないと思います。両親や家族がニューオーリンズに来ていた中邑はそれでイイと思ったんでしょうが、北米のファンには唐突の印象があった。
オフレコ 中邑がベルトを差し出し両者がお互いを讃え合うという結末になるかと思いきや、なんと急所蹴りから膝もブチ込んでの中邑のヒールターンが演出されている。
―― この二人だから、悪い試合ではなかった。ただ、ベストマッチ賞になったかと言われたら、それは違いますね。
オフレコ もっとも、いずれは中邑が王者にまでという、大きな計画が変わったとは思えない。結構早い時期かも知れない。ただ、日本のマット界にはがっかりだった様子はわかっている。
―― 中邑が取るという予想の根底には、ずっとAJがチャンピオンでは面白くない。ここで交代にするのがWM以降の展開に回していけるという、専門家らしいまっとうな見方もありました。決してガセとか、根拠のない予想ではありません。ドラマチックな結末が望まれるのが大箱興行の鉄則です。会場客も口をポカンと空けている絵は画面からも確認できました。
オフレコ ただ、驚きのケツは王座移動ではなく、ヒールターン演出だったという・・・。
―― 後出しジャンケンさせてもらえるなら、ヒールの中邑に、サイモン猪木時代の新日LA道場で一緒だったダニエル・ブライアンなり、AJなりが抗争するほうが回していけます。ルースターと呼びますけど、SmackDownのヒール陣容は、ケビン・オーエンズとセミ・ゼインがクビというアングルを経てRAWに行くらしいから、ヒール駒が弱いことになりますから。
▼レッスルマニア展望~中邑、アスカのガチンコ勝負~多面的深淵分析