[週刊ファイト5月31日号]収録 [ファイトクラブ]公開中
▼2018年最大ニュース!WWE・UFC放送契約更改の衝撃度~新日外国人社長~全日後楽園
タダシ☆タナカ+シュート活字委員会編
・WWE株価は$59.91に高騰、ウォール街アナリストは$75予想
・シュート活字LIVE@浅草橋ラゲージルームカフェ YouTube LIVE配信
・ビンス「次の放送権更改交渉ではAt least(最低でも)2倍の金額になる」
・もうThe WHO♪Won’t Get Fooled AgainはUFC on FOXで鳴らない
・UFCはESPNへ 30大会5年間で総額$1.5 billion(邦貨約1650億円)
・日米の巨大格差:放送権料~ありえない新日プロがテレビ朝日と決別
・「日本のプロレス市場8割!」ハロルド・メイ新日新社長の所信表明だが・・・
・ BABYMETAL♪アモーレ中島洋平~J鶴田追悼~「最高!」宮原全日本
―― 先週と今週に、いきなり2018年マット界最大のニュースが駆け巡りました。UFCとWWEの次期放送契約交渉が行われ、それぞれが信じられない巨額の内容になると。
オフレコ 5月22日に浅草橋ラゲージルームカフェにて、『YouTube LIVE』配信の「シュート活字LIVE」をやったけど、ちょうどその22日の早朝に、4大ネットワークのFOXがSmackDown Liveに5年で総額$1billion超え、邦貨にして約1130億円のオファーを提示してチャンネルを移籍すると。これでWWEの株価は$59.91までウルトラ・ジャンプした。ウォール街のアナリストによれば現行より3倍のテレビ放送権高騰により$75になるとの予想まで出ている。
―― 調べてみれば過去1年間の最安値が$19.83だから、バブルなどという表現でも足りません。ついこの間でも$40前後だったことを思い出せば、異常としか評せないです。当初のNASDAQから現在は、ニューヨーク証券取引所にランクが上がって、いわゆる一部上場企業となったWWEですから、これはもう快挙としか・・・。
オフレコ 世界地図のマット界において、最大の興行である『レッスルマニア』のビジネスがどうだったかとか、どのガチンコ大会で誰が勝って、負けたかということより、今後の影響とかを思えば遥かに重要かつ、マット界の突出ニュースであることは間違いない。
当然、「シュート活字LIVE」の内容もこれから始めるしか選択がない。急遽やることに決まった要因は複数あるけど、新生UFCがもの凄い契約をESPN+と結び、WWEのRAWがNBC Universal(USAネットワークの親会社)が現在の3倍の値段で交渉がまとまったというだけでも、十分に凄まじいニュースであり、これをやっとかないといけないという発端があった。
―― ところが、LIVE当日の早朝の時間に、今度はSmackDown LIVEがFOXネットワークに売れたという、さらに目をひんむく衝撃のニュースが出たと。
シュート活字LIVE@浅草橋ラゲージルームカフェ YouTube LIVE配信
現在、中邑真輔と抗争を繰り広げるSmackDownのWWE王者AJスタイルズ
オフレコ 専門媒体記者でさえ、そこまで予想してなかったから。RAWが3倍の値段になったのはともかく、その契約には「その替わりSmackDownまでは無理」という条件だった。それでもRAWが3倍になるならお釣りもくるんだから、これまで以上にSmackDownがB show扱いに格が下がっても、まぁ仕方がないという理解だった。
―― その時点から、ではSmackDownはどこに行くのかと・・・。FOXの名前はあがっていたし、『MIXED MATCH CHALLENGE』で実験やったようなFacebook中継とか、アマゾン・プライムが興味を示しているとの観測は5月24日号にきっちり大書してあります。
オフレコ ビンス・マクマホンは3年前の株主向けコンファレンスで、「次の放送権更改交渉ではAt least(最低でも)2倍の金額になる」と大見得を切った。ところがそんな上手い話しにまとまらず、大した増額にならなかったから株価は急落した。
シュート活字LIVE@浅草橋ラゲージルームカフェ YouTube LIVEで配信[ファイトクラブ]別カメラ正規版会員向け
―― 本誌は、3年前のバックナンバーを購入しても損がありません。資料としてきっちり掘り下げられた考察がびっしり活字にしてありますから・・・。無料のネット検索では出てこない濃い事情分析が出てきます。
オフレコ わかりやすい例えとして、テニス中継だと放送権料が非常に高い。視聴率からだとプロレスに大きく負けていても、必ずしも数字データだけがすべてではないから。権威のある全米オープンのテニス中継だと、超一流企業が喜んで高額の広告スポット枠に申し込んでくると。金持ちやハイソ層が見ているから、費用対効果が高いんだと。
―― でもプロレスだと、そこまで高額のCMを入れる企業は少ないと考えられてきた。もっとも日本の悲惨な状況と比べるなら、とうの昔から雲泥の差はありました。リーブ21とかの発毛の会社とか、格闘技だとパチンコ・パチスロメーカーなど、限られたサポーターしかいません。
オフレコ アントニオ猪木の見果てぬ夢だった「市民権の獲得」が、いかに北米では草の根レベルでも実現したかになってくる。今回の衝撃ニュースの肝は、エンタメに定評のあるFOXネットワークが、WWEのブランド認知を認めた上で、広告枠を売り切れると判断したことにある。
―― 2019年の10月から、現在の火曜生中継から、以前のSmackDown番組で覚えられている金曜ゴールデン(北米表記ではプライムタイム)に移動という・・・。いくら日本のニュースだけ見ていたら、「二刀流」の大谷翔平がヒット打ったとか大リーグ情報が出てくるけど、現地ではプロレスの方がお茶の間に楽しまれているという現実の再確認でもあります。
オフレコ 大坂なおみの快進撃でテニスの次世代選手の台頭だと騒がれても、WWEのブランド浸透力がいかに凄まじいのか、日本で現地事情を繰り返し報道しているのは週刊ファイトだけなんじゃないかと。
―― ようやく新日本プロレスがメイ社長の就任を公式発表しましたが、お茶の間は「アメフト日大の反則」ばかりで、ブランドどころか、そもそも「プロレス」知らないキッズが多いです。
もうThe WHO♪Won’t Get Fooled AgainはUFC on FOXで鳴らない
―― FOXネットワークのWWE放送決定の決断には、これまでお茶の間の認識ではUFCのホーム・チャンネルというイメージがあったのに、ESPNに持っていかれた要因もあります。
▼新生UFC反撃!ディズニーとESPNによるオンデマンドESPN+で2019年から15大会配信
最新ニュースでは、先行報道済みの新たに始まったESPN+での15大会の独占放送に加えて、残りの15大会もESPNが放送すると。つまり、5年間で総額$1.5billion(邦貨約1650億円)という、これまた信じられない大型契約に高騰しました。
オフレコ ストリーミング配信とテレビ中継を合計すると年間30大会の放映権料は3億ドル(邦貨約330億円)という計算やね。
以前からずっと2016年7月、ズッファは高値のピークでUFCブランドをWME-IMG連合に売却したと書いてきたけど、新生UFCがこの巨額契約を算段していたなら、買収は正しかったことになる。
―― WWEもUFCも、放送権の交渉をやったのはアリ・エマニュエルという・・・。本誌では何度も活字にしてますから今回は繰り返しませんけど。
オフレコ これでもう、The WHOの♪Won’t Get Fooled AgainはUFC on FOXのテーマ曲として鳴り響かないことになるなぁ。新日本プロレスが、テレビ朝日と決別するなんてことがあるのかという事態を想像してみて欲しい。
「日本のプロレス市場8割!」ハロルド・メイ新日新社長の所信表明だが・・・
―― LIVEのスポーツ・コンテンツがいかにテレビ局にとって重要かという・・・
オフレコ 無料ブログで公開していることはこの対談には収録しないけど、ハロルド・ジョージ・メイ新社長、いくら全日が後楽園ホールの直近のデータでは新日に勝っているとか誇張されようが、「日本市場の8割」というのは正しいのかも知れない。
しかし、テレビ放送権料をいくら海外向けにも強化するたって、米国で中継番組を流すAXSが払っている額など雀の涙しかないし、全世界合わせても年間の放送収益は100億円+とからしい。
―― 新社長は、今回のUFCやWWEの大型契約の前の数字比較として、「テレビ放送権の格差がWWEと180倍もあるから、これをなんとかしたい」と所信表明したそうだけど、その差が縮小するどころか、3倍の契約更改となって、もうまるで手が届かないです。
BABYMETAL♪アモーレ中島洋平~J鶴田追悼~「最高!」宮原全日本
オフレコ 5・24全日本プロレス後楽園ホール大会、サムライTVで中継やっていたから、最初から最後までじっくり堪能した。「宮原は初防衛も出来なかったとなると・・・」とか実況席が事前に解説してしまっているから、メインのケツはバレバレなのはどうかなぁ、と。
―― まして、わざとチャンピオンの宮原が先に入場して、お客さんの丸藤があとからという演出も、「チャンピオン・カーニバルに優勝させたんだから、行って来いになる」と明らかでした。
オフレコ まぁ、試合は堪能させてくれたから、いいんじゃないかと。ましてオープニング試合の中島洋平がBABYMETALの♪アモーレ入場で、休憩時間も♪メギツネが鳴り響き、中継にはなかったけど、会場ではエンディングもBABYMETALだというのは知っている。ちょうどUSツアー中だから、好感があるなぁ(笑)。
―― そ、そ、それですかぁ? 今回のUSツアーに不参加だったYMY(ゆいちゃんまじゆいちゃん)病じゃないんですか?