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PPV大会は史上最低の沈没回になったと評さざるを得ない。唯一、アポロ・クルーズvs.MVPのUS王座戦が、どうやら入口の体温検査で引っかかったのか、本人は会場に来たらしいのだが、前回時の検査結果が悪かったのかカードがナシになり、結果的に2時間35分とかの大会時間だったことは非常に喜ばしい。長いのは本当に勘弁して欲しいのだ。そういえば、AEWのFight For The Fallenでも、実況の「トニー・シェバーニーは検査結果がまだ届かないから今週はお休み」との説明だったのだが・・・。
ただ、トリの試合の内容の乏しさが番組としての大会全体の印象を貶めてしまった。しかも、いったんエンドマークというか、これで終わりかという著作権のマークが右下に出たあと、ボーナストラックなのかなんなのか、まだ続きがあったこと含めて後味があまりに酷すぎたことが大きい。試合自体はダントツのベストマッチ賞というか、アスカvs.サーシャ・バンクスは素晴らしい内容に。もっとも、これとてフィニッシュが「なんじゃこれは?」だったことから、その観点からはベストマッチという表現は使ってはいけないのかも。第一試合の外国人軍の戴冠にせよ、試合自体は良かったんだが、あのシンスケ様にテーブルマッチをやらすのか、という疑問をも加味するなら、そもそも4人とも職人なんだしテーブルなんか余計でしかない。専門報道媒体的には褒めてはいけないものとなってしまう。
ましてもう一つの看板というか、セス・ロリンズとミステリオの遺恨戦は、どちらかが目玉をくり貫くまでという、滅茶滅茶な煽られ方だった手前、漫画的にやるにせよ、どうするデザインにするのかの興味はあったのだが、勝敗を決するのが「目玉くり貫き」なのになんでセスが合わせてルチャ展開やってるのかと、それ自体はさすがセスはなんでもやれる職人ではあるので良い試合にはなっているのだが、ロジックにも合ってない。そして結末は映像の見せ方の問題にせようやむやなものに。最後の映画仕様カードを除き、LIVEの表示もあったから生で収録やったのであろうが・・・。いずれにせよ課題の多いPPV回には違いなかったのだ。
■ WWE The Horror Show at Extreme Rules
日時:7月19日(現地時間)
会場:米フロリダ州オーランド パフォーマンス・センター
<第1試合 SDタッグ王座戦テーブルマッチ>
中邑真輔&○セザーロ
10分25秒 テーブル葬
ニューデイ(●コフィ・キングストン&ビッグE)
◆中邑真輔&セザーロSDタッグ王座初戴冠!キングストンをスーパーパワーボムでテーブル葬
中邑真輔&セザーロがPPV「ザ・ホラーショー・アット・エクストリーム・ルールズ」で因縁の王者ニュー・デイ(コフィ・キングストン&ビックE)とSDタッグ王座をかけた“テーブル戦”で激突した。ゴングと同時に襲い掛かった中邑はビックEにニー、キングストンにはビックブーツを叩き込むと、ビックEもバリケードに中邑を叩き付け、キングストンがドロップキックを顔面に放って反撃した。両チームが白熱の攻防を展開する中、終盤にはニュー・デイがテーブルを積み重ねて2段にしたところで、セザーロがビックEをジャイアントスイングで回したところで中邑がスライディングニーを叩き込む連携技を見せると、最後は2人がコーナートップから連携したスーパーパワーボムでキングストンを2段テーブル葬。中邑&セザーロは見事なチームワークでニュー・デイを破ってSmackDownタッグ王座を初戴冠した。
<第2試合 SD女子王座戦>
[王者]○ベイリー
12分20秒 フェイスバスター
[挑戦者]●ニッキー・クロス
◆「なんでやねん!」普通メイクのニッキー・クロスが3連敗
すでにテレビ番組で二連敗中のニッキーだから、ここは『ホラーショー』のお題目があるから、少なくともNXT時代の怪奇メイクでもやるのかと思ったのだが、普通に出てきて、中身はこの二人だからイイ試合なんだがある意味ではまとも過ぎる内容で予定通りまた負けると。「なんでやねん!」と思ったのは本誌だけではないだろう。
<第3試合 Eye for Eyeマッチ>
●レイ・ミステリオ
18分05秒
○セス・ロリンズ
◆相手の目をくり抜いた方が勝ちと、試合前のリングアナも強調したんだが・・・。
◆RAW女子王座戦は大混乱!アスカがベイリーの介入で疑惑の王座陥落?
<第4試合 RAW女子王座戦>
●アスカ
20分00秒 ベイリーがレフェリーのシャツ姿で3カウント叩く
○サーシャ・バンクス
PPV「ザ・ホラーショー・アット・エクストリーム・ルールズ」で行なわれた明日の女帝”こと王者アスカ wカイリ・セインと2冠を狙うWWE女子タッグ王者サーシャ・バンクス w/ベイリーのRAW女子王座戦が大混乱となった。序盤からサーシャが必殺のバンク・ステートメントを決めて攻め込めば、アスカも飛び付きアーム・バーやヒップアタックで応戦。続けてサーシャがダブル・ニー2連打やフロッグスプラッシュからのバンク・ステートメントで追い詰めたが、アスカもジャーマン・スープレックスからのヒップアタックを放って激しい攻防を展開した。
笑えたのはレスラー同士の合図で指でこするジェスチャーで「大丈夫」というのをサーシャがアスカに知らせているところを、カメラが正面から撮ってしまっている絵か。ディレクターは映像カメラをスイッチングすべきなのに素人がやっているのか。それにしても激しく当てているように見えて、二人とも絶妙に上手い。男女問わずアスカが一番うまいというのは大人の楽しみ方で見ているならコンセンサスかもだが、干されていた時期、自費で日本にプロレス学びに来ていたサーシャが格段に進歩している。下手くそ同士のメインの大男たちは、これを見てちゃんと勉強しないさいと思わず叱りたくなった。
▼グタグタのRAW尻目にサーシャ・バンクス来日中!仙女道場にD東郷
サーシャが膝をぶつけたことでトップロープからの攻撃ができないspotがあり、記者のメッセンジャー宛には「あれはガチで打ったから予定やれなかったミスなのか?」とリアルタイムに来ていたが、その後の動きからしてもセールというのが本誌判定だ。それほどサーシャが上手いということに他ならない。SmackDownでもアスカの裏拳がベイリーにモロに当たってとか現地の情報誌がやっていたが、これも違うだろう。アスカはケガなんかさせない。
試合終盤にはアスカがアスカロックでサーシャを捕まえると、止めに入るカイリを蹴散らしたセコンドのベイリーが自身のベルトをリングに投げて介入。さらにサーシャがベルト攻撃を狙うとアスカの毒霧がレフェリーに誤爆してリングは無法地帯と化してしまう。するとすかさずベイリーがベルト攻撃でアスカをKOすると、最後はサーシャがアスカをフォールしたところでレフェリーからシャツを奪い着用したベイリーが3カウント。ベイリー&サーシャは「終了のゴングを鳴らせ」と強要しながらRAW女子王座ベルトを奪ってリングを後にすると、アスカは「ベルトはワシのやろ! ワシがチャンピンだ」と大阪弁でわめいていたが、疑問の残る結果となった。
<第5試合 WWE王座戦>
[王者]○ドリュー・マッキンタイア
15分25秒 クレイモアキック
[挑戦者]●ドルフ・ジグラー
◆ジグラーは反則やってもいいというハンディ付けた王座戦の結末は・・・
この二人だから、余計な条件なくても試合自体はまともなんだが、それだと余りにも王者防衛があからさまなのでジグラーだけがチェアーとか使っても構わないという形式にしたんだとは思うが・・・。
<第6試合 #TheSwampFight>
●ブラウン・ストローマン
映画仕様のため測定不能 沼地に沈める
○ブレイ・ワイアット
◆“ザ・フィーンド”ワイアットがストローマンをマンディブルクローで泥沼葬
ユニバーサル王者ブラウン・ストローマンとブレイ・ワイアットがPPV「ザ・ホラーショー・アット・エクストリーム・ルールズ」の沼地で闘う“スワンプ・ファイト”で再戦した。かつての“師弟”の住み処でもある沼地に車で登場したストローマンは「I’m Home 帰ってきたぞ」と言って椅子に座ったワイアットと対峙。しかし、ワイアットが忽然と姿を消すと、ストローマンは幻覚にかかったように黒羊のマスクをかぶった自分自身に攻撃されて鎖で椅子に縛られてしまう。
続けてワイアットが「おかえり。お前がいなくて寂しかったぞ」と話しかけながら蛇を使って攻撃するとストローマンは再び“女神”アレクサ・ブリスが誘惑する幻覚に包まれた。頭が混乱するストローマンだったが、捕まえたワイアットをボートに叩き付けたり、沼に蹴り落とすも決定打とはならず、途中から介入した第三の男は火をつけれれる始末。誰か選手なのかとも思ったが、映画のスタントマンのようだ。
最後はワイアットがマンディブルクローでストローマンを沼に引きずり込むと、沼が赤く染まる中から“ザ・フィーンド”ワイアットが姿を現して不気味な笑い声がこだました。
▼ザ・ホラーショー目には目を!アスカ名勝負サーシャ&ベイリー王座強奪NC
▼最後のカイリ・セイン勝利!ゲロ吐きセス・ロリンズ本音にRAW視聴率
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