[週刊ファイト3月12日期間] [ファイトクラブ]公開中
▼再起戦はRIZINではなくKNOCK OUT:鈴木千裕、沖縄に落とす稲妻
photo:週刊ファイト+(C)KNOCK OUT 、RIZIN by 野村友梨乃
・再起の舞台はRIZINではなかった:鈴木千裕、沖縄からの再出発
・渡慶次幸平の引退の花道に立つ:団体よりも、人を選んだ鈴木千裕
・完璧ではないからこそ目が離せない:泥臭さこそ、鈴木千裕の魅力
・リスク上等!KNOCK OUT沖縄大会の攻めたマッチメイクの行方
・団体を越え、KNOCK OUT沖縄大会に稲妻を落とせ:鈴木千裕の再起
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再起の舞台はRIZINではなかった:鈴木千裕、沖縄からの再出発
鈴木千裕の再起は、どこで証明されるべきなのか。王座陥落。連敗。右拳の手術。長期離脱。キャリアは一直線ではないと誰もが言う。だが、その落差があまりに急だった。2024年末にベルトを失い、2025年に入り黒星を重ね、そして拳を壊した。物語としては十分すぎる逆風。だが、彼は守りを選ばなかった。
復帰の舞台はRIZINではない。古巣、KNOCK OUT。しかも沖縄だ。2月19日、那覇・首里城公園の守礼門前。「REMY presents KNOCK OUT.63 SPRING FES in OKINAWA」第1弾カード発表。その中心に据えられたのが、渡慶次幸平引退記念スペシャルマッチ(2分2R)。渡慶次幸平vs.鈴木千裕。

会見で鈴木はこう言った。「先輩、本気でやってぶっ倒すのが後輩の責任ですよ!」エキシビションではあるものの、鈴木にとってリングは、いつだって本番だ。
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渡慶次幸平の引退の花道に立つ:団体よりも、人を選んだ鈴木千裕
RIZIN元フェザー級王者。その肩書は今も重い。ならば再起はRIZINでと考えるのが自然だ。だが彼は、あえて違うリングを選んだ。
日本で最大級の格闘技団体と言われているRIZINの中心に鈴木はいた。だが再起の一歩はKNOCK OUT。

右拳の手術。長いリハビリ。そして最後の実戦は、2025年5月4日、東京ドーム「RIZIN男祭り」での朝倉未来戦。あの動きは、万全だったか。踏み込みは鈍くなかったか。右は振り抜けていたか。

個人的な見解だが、3月30日のRIZIN50、カルシャガ・ダウトベック戦の時点で拳は壊れていたのではないかと感じている。しかし本人は打撲と否定した。だが、わずか1か月後に東京ドームで大一番。無理を押した可能性はゼロではない。

だからこそ今回の復帰は、“安全圏”を選んだというよりも、“意味のある場所”を選んだのではないか。それが渡慶次幸平の引退試合だった。
もしこれが通常カードであれば、RIZINでの復帰という選択肢もあったはずだ。だが渡慶次という先輩の節目。そこに名を連ねることを選んだ。団体よりも、人を取った。鈴木千裕は、そういう男だ。
RIZINでの復帰を先延ばしにしたのではない。RIZINから逃げたわけでもない。引退という一度きりの舞台に、自分を差し出した。そこに計算はない。あるのは感情だ。だが、その感情が彼を強くし、同時に危うくもしてきた。渡慶次の花道を飾る一戦。だが鈴木にとっては、単なる“付き添い”では終わらない。再起は、ここから始まる。
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