[週刊ファイト2月26日期間] [ファイトクラブ]公開中
▼versus(バーサス)世界本格始動:RIZIN外向戦略元年は飛躍か岐路か
photo:松橋隆樹&タダシ☆タナカ+(c)RIZIN by 野村友梨乃
・海外勢招聘とPFL接近:2026年RIZINの「versus(バーサス)世界」
・RIZIN52海外重視編成の光と影:versus世界の陰で問われる国内序列
・PFL連携は飛躍か空洞化か:ロシア強豪参戦で揺れるRIZINの現在地
・修斗王者SASUKEのPFL専属契約が突きつける:RIZINの存在意義
・海外勢乱入か日本人主役か:RIZIN LANDMARK13対戦カード発表
・外向戦略のRIZIN:海外志向強化で問われる現RIZIN選手の立場
▼団体連携は夢か現実か:榊原CEOが語るフェデレーション構想とは
▼挑戦か堕落か:BreakingDownにRIZINファイターが出るという違和感
海外勢招聘とPFL接近:2026年RIZINの「versus(バーサス)世界」
2026年のRIZINは、明らかに“内向き”ではない。掲げられた年間テーマは「versus(バーサス)世界」。その言葉通り、団体は外へ、外へと舵を切り始めている。

3月7日の『RIZIN.52』追加カード2戦はいずれも海外選手とのマッチメイク。国内完結型のカード編成ではなく、日本人ファイターが“世界基準”と真正面からぶつかる構図が並んだ。さらに榊原信行CEOはPFLの大会を視察し、新体制のPFL CEOジョン・マーティン氏とのミーティングのためドバイへ向かったという。単なる社交ではない。団体間の距離を縮め、現実的な連携の糸口を探る動きだ。
強い海外勢をRIZINのリングに呼び込む。あるいは、RIZINの選手を世界の舞台へ送り出す。その両面から「versus世界」を実装しようとする姿勢は、ここ数年で最も明確だと言っていい。2026年のRIZINは、口だけではなく、実際に“世界と戦う構図”を作りにいっている。
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RIZIN52海外重視編成の光と影:versus世界の陰で問われる国内序列
『RIZIN.52』の全13試合を俯瞰すると、はっきりとした方向性が見える。日本人同士のカードはわずか3試合。残りは海外勢との対戦、もしくは外国人選手を含むマッチアップだ。追加発表された2カードも、ともに元LFA王者クラス。今回招集された海外選手はいずれも実績十分で、レベルの高さに疑いはない。大会全体として見れば、間違いなく“豪華”だし、世界基準を意識した編成であることは伝わってくる。


正直、楽しみでもある。RIZINのトップ戦線の選手が、世界の強豪とどう渡り合うのか。それは純粋に見てみたい。ただ、その一方で、少しだけ引っかかる感情もある。個人的にはもう少し、日本人同士の対決も観たかった。
RIZINの内部には、まだ組めるカードが数多く残っている。ランキング的にも、競技的にも意味のある日本人対決は決して少なくない。特にトップ層以外の選手にとっては、いきなり世界レベルの相手と当たるよりも、まずRIZIN内で順位を上げていくプロセスの方が重要ではないか。急に海外強豪とマッチアップされると、その選手がRIZIN内でどの位置にいるのかが分かりにくくなる。勝てば一気に評価は跳ね上がるが、負ければ評価は下がる。しかしその敗北が実力差なのか、経験差なのか、単なる相性なのかは判断が難しい。競技としての“積み上げ”が見えにくくなる危うさはある。
さらに気になるのは、今回招集された海外選手が、今回限りの“単発参戦”なのかどうかという点だ。もし単発で終わるのであれば、物語はそこで途切れてしまう。RIZINに参戦する以上、勝ったならその先も見たい。どこまで勝ち上がれるのか、王座戦線に絡むのか、日本人選手との因縁が生まれるのか――そこまで含めて物語だ。
“versus世界”を本気で掲げるなら、単発の豪華カードではなく、継続的な参戦とランキングへの組み込みが必要になる。RIZIN52は、明確に世界志向へと舵を切った大会だ。その挑戦は評価したい。
ただ、世界に向かうスピードと、国内での積み上げ。そのバランスをどう取るのか。そこにこそ、このテーマの本質があるように思う。
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