5月12日に ドラゴンゲートのNATURALVIBES のメンバーが地域貢献活動の一環として神戸市長田区の介護施設「はっぴーの家ろっけん」を訪問。利用者の皆様と交流のひとときを過ごした。
新しい時代の「大家族」を体現する、奇跡のような場所──「はっぴーの家ろっけん」
神戸市長田区の六間道商店街の一角に佇む緑色の6階建ての建物「はっぴーの家ろっけん」は、単なる介護付きシェアハウスではない。そこには、年齢も国籍も立場も違う人々が自然と集い、まるで一つの「大家族」のように共に生き、支え合う姿がある。その日常は、高齢者が赤ん坊の面倒を見る光景から、子どもたちが認知症の入居者と遊び、若者がノマドワーカーとして空間を利用し、さらには外国人までもが立ち寄る多文化共生の実験場であると言っても過言ではない。この施設を「介護施設」と呼ぶには、あまりに収まりが悪い。なぜならそこには、既存の枠組みを超えた、人と人との「信頼と暮らし」の繋がりが息づいているからだ。
設立のきっかけには、首藤義敬代表が味わった阪神・淡路大震災の記憶と、消えゆく下町の人情への哀惜があった。新長田に暮らす祖父母との「大家族」の経験、空き家再生事業を通じて出会った孤独な高齢者との関わり。そのすべてが、「はっぴーの家ろっけん」という奇跡的な空間の誕生に繋がっている。「ろっけん」では、居室の内装に至るまで入居者の個性が尊重され、昭和、アジアリゾート、アフリカなどテーマ性を持たせた設計が施されている。その彩りはまさに「選ぶ」という自由と自己表現の肯定であり、認知症を持つ方が自室を間違えないという副次的効果まで生んでいる。
採用面でも驚くべき特徴がある。「ろっけん」では開設以来、求人広告などのコストを一切かけていない。それでも働きたいと願う人材が自然と集まり、採用の段階でビジョンが共有されているため、スタッフの質も非常に高い。ケアマネジャーとして名を馳せた人物もこの施設に惚れ込み転職してくるほどである。また入居希望者も、単なる「空き」があるからではなく、ろっけんというコミュニティと相性が合うかどうかが選定基準になるという。
この空間の哲学は、「多様性」そのものにある。「違和感」が3つ以上あると、もはやそれは排除すべきものではなく「個性」や「文化」になる。まさに「違いを受け入れること」が共生の第一歩であるという考えが、空間全体に浸透している。そして、誰かのためではなく「あなたは何をしたいのか?」を出発点にしたワークショップを重ね、地域住民と共にこの場所が作られていった経緯も特筆に値する。
首藤代表は、「ろっけん」で提供しているのは単なる介護や看護ではないと言う。むしろ、それは「生活ありきのサービス」であり、主役は常に「人」なのだ。この場所では、ケアの対象者である高齢者だけが受け身になるのではなく、関わるすべての人が主体的に生きている。赤ちゃんも、学生も、外国人も、そして高齢者も。この場所にいるすべての人が、「人としての尊厳」を大切にされ、「暮らし」を分かち合っているのだ。
単なる建物でもなければ、事業でもない。「はっぴーの家ろっけん」は、失われかけた下町の人情と、福祉の未来が交差する場所である。ここには「ハコをつくるだけでは街は再生しない」という首藤氏の確信と、それを実証するだけの豊かな実践が詰まっている。今、介護業界が抱える課題の数々に直面する私たちにとって、この場所はひとつの理想のカタチを提示している。そして、それは決して真似のできない奇跡ではなく、地域との対話と共感から生まれるものだという希望でもあるのだ。
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