[週刊ファイト5月29日期間 [ファイトクラブ]公開中
▼全日本プロレス・斉藤レイ「チャンピオン・カーニバル2025」初優勝!
(c) テキサスロングホーン/全日本プロレス 編集部編
・斉藤レイ、春の祭典を制す!宮原健斗との死闘を制し歴史へと刻み込む
・3冠王座を懸けた兄弟対決!絆か決裂か、斉藤ブラザーズが仙台で激突へ
・安齊勇馬&ライジングHAYATOがアジアタッグ6度目の防衛達成
・世界Jr.新王者・吉岡世起誕生!12年越しの全日本戴冠劇とMUSASHIとの熱闘
・全日本TV6人タッグ王座が大森北斗組へ移動!阿部史典10周年記念試合
▼2度の万博と2度のプロレス・オールスター戦の共通項
▼『プロレスの日』に日本プロレスリング連盟の公式サイト開設!
▼大仁田から越中、小川良成まで……G馬場時代の全日ジュニア系譜
▼宮原健斗vs.スミスJr、斉藤ジュンvs.鈴木秀樹ほか熱戦続出!全日後楽園CC
斉藤レイ、春の祭典を制す!宮原健斗との死闘を制し歴史へと刻み込む
2025年5月18日、大田区総合体育館で開催された全日本プロレス「チャンピオン・カーニバル2025」優勝決定戦にて、斉藤レイが宮原健斗を撃破し、キャリア初となるCC制覇を達成した。試合前の段階では、この春の祭典において開幕から3連敗を喫するなど、絶望的な状況にあったレイであったが、そこから怒涛の5連勝を成し遂げてBブロック2位に滑り込み、優勝決定トーナメントへと駒を進めた。その勢いを止めることは誰にもできなかった。
準決勝ではAブロック1位の鈴木秀樹と対戦。ゴング前からスリーパーで襲撃され意識が飛びかけるという不意打ちを受けながらも、逆にその怒りが火を噴き、鬼のような表情で反撃。重い張り手の連打で鈴木を場外に吹き飛ばし、試合開始わずか2分足らずでレフェリーストップによるKO勝利を飾るという圧巻の展開で決勝へ進出することになった。
決勝の相手は、全日本プロレスの象徴とされる宮原健斗。準決勝でBブロック1位の本田竜輝との激闘を制してきた宮原に対し、レイは規格外のパワーを武器に、序盤から場外戦に持ち込むと鉄柱を利用したショルダータックルで大ダメージを与える。さらには宮原の投げ技を逆に体重で潰し、スリーパーでじわじわとスタミナを奪うなど、戦術的にも優れた内容を展開した。しかし、宮原の粘り強さは折り紙付きであり、三角絞めからの腕十字「スネークリミット」でレイを追い詰める場面もあった。
それでもロープに逃れたレイは息を吹き返し、宮原からのラ・マヒストラル、原爆固め、さらには決定打となるはずだったシャットダウンスープレックスまでを回避。まさに死闘と呼ぶにふさわしい一進一退の攻防の中、最後はアイスバインを炸裂させた後、代名詞ともいえるBBQボムで宮原をマットに沈め、3カウントを奪取した瞬間、場内は歓喜と興奮に包まれた。
試合後、斉藤レイはトロフィーを抱きしめながら、「この俺、斉藤レイが優勝したぜ!フアーオ!」と絶叫し、集まった観衆をさらに沸かせた。続けて「開幕3連敗だったが、俺自身を信じていた。それを応援してくれた皆、ありがとう」と感謝を述べ、また試合を共にした宮原にも敬意を表し「俺はまだアンタを超えたとは思っちゃいねえ」と語る謙虚な姿勢も見せた。
さらに、6月1日に宮城・仙台サンプラザホールで開催される大会にて、兄であり現三冠ヘビー級王者の斉藤ジュンに対しタイトル挑戦を表明。これに対してジュンも「その挑戦、受けてやる」と即座に快諾し、兄弟対決による三冠戦が決定することとなった。
最後に斉藤レイは「プロレスラーになってよかった。この全日本プロレスに入ってよかった。この団体をもっともっと盛り上げたい」と語り、ビールで勝利を祝福した後、「全日本、DOOM!」と叫び大会を締めくくった。プロレス人生の集大成ともいえるこの日の激闘は、斉藤レイの存在を確実に歴史へと刻み込むこととなった。
3冠王座を懸けた兄弟対決!絆か決裂か、斉藤ブラザーズが仙台で激突へ
大田区総合体育館で行われた全日本プロレス「チャンピオン・カーニバル2025」決勝戦の熱狂が冷めやらぬ中、優勝者・斉藤レイが公の場で口にした一言が、全日本マットの空気を一変させた。「俺の挑戦を受けてくれ!」。その相手は、誰あろう双子の兄であり、現3冠ヘビー級王者である斉藤ジュンであった。これまで3度にわたり交わってきた兄弟対決が、6月1日、ジュンとレイの地元・宮城県仙台市のサンプラザホールにて、史上初となる双子による3冠戦として実現するのである。
この展開を語るにあたり、まず忘れてはならないのがレイの“奇跡の大逆転”である。今大会、序盤3連敗という崖っぷちから5連勝を飾ってのトーナメント進出、さらには準決勝での鈴木秀樹戦における1分49秒の秒殺勝利、そして決勝で宮原健斗を破っての優勝――そのすべてが、彼の成長と執念を如実に物語っていた。その激戦の直後に、3冠戦への挑戦を堂々と表明したレイの姿は、優勝という栄誉に酔うよりも、今後に向けてさらに燃え上がる炎のような気迫に満ちていた。
兄・ジュンもこの挑戦を即座に快諾し、リング上で「その挑戦、受けてやるぜ。斉藤レイをDOOMしてやる」と力強く返答。まさに兄弟間の深い信頼と、プロレスラーとしての純粋な闘争心が交錯する瞬間であった。両者ともにキャラクター性の強さを備えた上で、リング内外での活躍も多彩であり、レイは歌手活動やグルメ番組出演でも注目される存在だ。それゆえに、兄弟間での抗争がエンタメ的な興味を引くだけでなく、実力と実績を兼ね備えたタイトル戦であることも今回の対決の重みを増している。