7・12「REBELS.37」ハチマキ、鈴木真治、小笠原瑛作、優希のインタビュー公開!

ハチマキ インタビュー

勇気を持って休む時には休んで初防衛戦に臨みます

聞き手:布施 鋼治

──今年1月の戴冠から試合間隔が6か月も空きましたね。

ハチマキ 5月に中国で試合の話もあったけどそれがなくなってしまった。
同じ月のJ-NETにも捜してもらったけど、結局相手が決まらなかったんですよ。

──REBELS-MUAYTHAIスーパーライト級王者になった直後は主催者から3月の大会参戦を薦められていましたよね。

ハチマキ ハイ。
でも、1月の水落戦に気持ちを入れていたので、それが終わって1か月後というのはちょっと期間が短すぎました。
「4月の方がいい」とリクエストしたけど、大人の事情があったのでしょう。
対戦相手の候補に挙がっていたボーウィーは加藤剛士選手と闘っていました(苦笑)。

──結局、戴冠後の第1戦は初防衛戦となりました。

ハチマキ タイ人と闘ってみたいという気持ちもあったけど、日本人同士で、しかも王者同士の対決だったらお客さんもわかりやすいじゃないですか。
やったら(どちらが強いかという)位置づけがされてしまうのでシビアだとは思うけど、見る方にとってはその方が面白い。
個人的には王者対決なので、統一戦的な定義付けをしています。

──ライト級ではWPMF JAPANとREBELS-MUAYTHAIの王座統一トーナメントがスタートしました。
その流れを歓迎しているファンも多いと思います。
ただ、過去を振り返ってみると、王者対決にはいい思い出がないですよね。

ハチマキ そうですね。
2013年に初めてチャンピオンベルトを腰に巻いた直後、新日本キック協会の石井達也(当時の日本ライト級王者)とやって負けたけど、あまり負けた感じはしなかったんですよ。
やった感触としてやられたという感じはなく、逆に手応えを感じた一戦でした。
確かに最後は攻め込まれたし、アウェーだったのでハッキリと差をつけないと勝てないということはわかっていた。
僕は王座決定トーナメントで優勝してライト級王者になったので、チャンピオンに勝ってベルトを巻いたわけじゃない。
なので、自分には現役王者とやっても普通にやりあえる力があるんだなと思ったんですよ。

──そうだったんですね。
しかし、その後NJKFのリングで当時NJKFライト級王者だった翔センチャイジムにKO負けを喫してしまいます。

ハチマキ あれはショックでしたね。
最初に向かい合った時にはやりづらさを感じていたけど、だんだん慣れてきていけそうだなと思った矢先に一発をもらい、そこから一気に3回ダウンをとられて負けてしまった。
試合後に「いい試合だった」と声をかけられたら、自分が情けなくて仕方なかった。

──自分で自分を責めた?

ハチマキ 僕、わりとすぐ自分を責めちゃう。
自信もないし。
KO負けを久しぶりだったし、なかなか気持ちを切り換えることができなかったですね。
練習していても、ひとりで泣きそうになったりしていました。

──そういう辛い時期を乗り越えることができた?

ハチマキ その時反省したのは練習しまくっていて、すごい疲れがたまっていたんですよ。
体に疲れがたまっていると、心もどんどん落ちていく。
ウエートもスーパーライト級に上げるということで、結構負荷をかけてやっていた。
それで結構心が落ちたんだと思う。
それで休んで体の疲労を回復させたら、気持ちも楽になりました。

──どれだけ自分を追い込んでいたんですか。
最近は疲れていたら、勇気を持って休めるようになった?

ハチマキ そうですね。
最近は結構休むようになりましたね。
練習の予定がある日でも、ちょっとやばいなと思ったら休む。
前はやらなければ強くなれないという気持ちが支配していた。
梅ちゃん(同門の梅野源治)も体が動かないと休む。
それで梅ちゃんにしろ、郷州さんにしろ、結果を出している。
何のためにやっているかといえば、強くなるためであり、結果を出すためなわけで。

──そうですよね。
疲れるためにやっているわけではない。
でも、自分に自信がないと、どうしても「もっとやらないと」と思いがちになる。

ハチマキ 以前、黒田選手と2回目にやった時もオーバーワークがたたって、試合当日も体が重くて大変でした。
アップのミットでタイ人トレーナーが「遅い」「遅い」と嘆いていたくらい。
「試合前にそんなことを言うなよ」と言い返したくなりましたよ、本当に(苦笑)。
案の定、試合が始まっても頭はボ~ッとしているような感じだった。
あの時は本当にしんどかったですね。
最後まで気持ちを切らさずに闘えたことは良かったけど。

──もう同じ過ちは犯さない?

ハチマキ そうですね。
だから今回も休む時には休むと決めています。
タイトルマッチの時には週5回くらいの練習でいいんじゃないかと思っています。

──初防衛戦の相手はJ-NET王者の鈴木真治選手に決まりました。

ハチマキ (所属する)ゴールデングローブは旧藤原ジムじゃないですか。
小林聡さんや森井洋介選手なんか普通ではできないような試合をしてくる。

──極限状態の中で心身を鍛え上げているというイメージがあります。

ハチマキ ハイハイ。
そういう意味では怖さがある。

──鈴木選手のイメージは?

ハチマキ 会場で会ったら挨拶する程度の関係だけど、いい人そうな人ですよね。

──その通り(笑)。

ハチマキ 真面目そうな印象がある。

──得意技はローキックです。

ハチマキ ヒジで勝っている試合もありますよね。
ただ、最近は相手がどうこうというのはあまり考えないようにしているんですよ。

──それより自己のパフォーマンスを高める方が大事だと。

ハチマキ そうですね。
だいたいこういう動きをしてくるだろうというのは考えるけど、細かい作戦までは立てないようにしています。
前はそれで結構迷ったりしていたので、相手に関しては考えすぎないようにしています。
これも最近のことなんですけど、自分に自信があるとか調子がいいとか悪いとか、相手が強いとかそんなのはどうでもいい。

──最終的には勝つことが全てですからね。
そういえば、今回はなにげに初めて迎える初防衛戦なんですよね。

ハチマキ そうなんですよ。
どの試合も意識は違うけど、初防衛戦ということで気合は入りますね。

──だったら、当然防衛したあとのことも考える?

ハチマキ 考えますね。ちょうどPHOENIXに入って10年目。
自分も29歳になるので、この階級で一番強い選手とやりたい。
いま、国内にひとりWBCムエタイの世界チャンピオンがいるじゃないですか。

──大和哲也選手ですね。

ハチマキ やったらどうなりますかね。

──初防衛に成功してマイクアピールしたい?

ハチマキ フフフッ。
数字としてはもう29歳なのかと思うけど、とくに衰えは感じない。
でも、いつまでもできるものではないということもわかっている。
今回の試合は7月12日。
この日は2009年に僕が初めてライブに行った日なんですよ。
ライブに行けば、自分は頑張ろうと思える。
だったら自分の試合を見た人にも「俺も頑張ろう」と思ってもらいたい。
キックの前売り券はライブと同じで(安い席でも)5,000円とか7,000円するじゃないですか。
いま僕の試合には(作曲家の)梶浦由記さんやKalafinaのライブで仲良くなった人も応援にきてくれる。
僕はライブの価値をわかっているつもり。
僕は派手な試合はできないけど、少しでも応援してくれる人に還元するためにも、気持ちが伝わるような試合がしたいと思っています。

○プロフィール
ハチマキ(はちまき)
所  属:PHOENIX
生年月日:1986年06月19日
出  身:埼玉県
身  長:175cm
通算戦績:26戦14勝(2KO)8敗4分

鈴木 真治 インタビュー

昭和のキックボクシングの片鱗を見せられたら

聞き手:布施 鋼治

──今年1月、キャリア10年目にしてようやく初戴冠を成し遂げました。
途中ブランクもあったと思うけど、続けていて良かった?

鈴木 そうですね。
デビューしてからなんだかんだ10年も経っていますからね。
あの一戦(潘隆成との間で争われたJ-NETWORKスーパーライト級王座決定戦)で負けていたら、たぶん選手として終わっていたでしょう。
地元の仙台に戻っていたか、東京で就職していたような気がします。

──進退をかけた一戦だったんですね。
チャンピオンになった日はチャンピオンベルトを枕元において寝た?

鈴木 仙台から親父が応援に来てくれてそのまま僕のアパートに泊まっていったんですよ。
試合があった日の夜って僕は寝られない。
だから親父の枕元に置いていたけど、(夜中に寝返りを打って)ベルトに足を向けて寝ていた。
勘弁してくれと言いたくなりましたよ(苦笑)。

──最高の親孝行じゃないですか。
一度ジムを離れた時期があったという話も耳にしたけど、続けた甲斐がありましたね。

鈴木 ハイ、それは4年前の話ですね。
普通の暮らしをしていたんですけど、なんか物足りない。
仕事が終わったあともまだ身体が動くと思って、ひとりで走ったりしていました。
1年ほどくすぶっていましたね。

──延長戦で潘選手を撃破したあと、ヒーローインタビューで「東京が僕を強くしてくれた」と発言したじゃないですか。
あの一言は印象に残りました。

鈴木 ありがとうございます。
仙台の皆さんが僕の基礎を作ってくれて、東京で知り合った人のおかげもあって僕はチャンピオンになれた。
そのどちらかが欠けていたらベルトを巻くことはなかったでしょう。

──キックを始めたのは地元仙台?

鈴木 そうです。
中3の秋に、単純に強くなりたいと思って仙台青葉ジムに入りました。
自転車で片道40分かけて通っていましたね。

──情熱がなければできないことですね。

鈴木 当時は格闘技通信(休刊)やゴング格闘技(現・GONG KAKUTOGI)を熟読していました。
毎月8日と23日が発売日だったので、その日が来るのが楽しみで仕方なかった。
布施さん(インタビュアー)が書いたサックモンコンvsペリー・ウベダの試合記事を読んで、サックモンコンの左ミドルがどれだけすごいのか想像力を膨らませていました。
いまみたいにネットがあるわけじゃないし、試合映像が出回っている時代じゃなかったですかね。

──うれしい話です。

鈴木 いまもその号は仙台の実家の本棚に大事にしまってあります。
手垢がつくくらい読み返していましたよ。

──ところで、潘選手にダメージを与えたのはローキックでした。
試合後、潘選手は「あんな強烈なローはもらったことがない」と驚いていました。
やっぱり選手としての代名詞はロー?

鈴木 ハイ。
ローは東京で僕を鍛えてくれた藤原ジム(現・格闘技道場ゴールデングローブ)の伝統だけど、その基本は仙台青葉でトレーナーをやっていた石垣さんという方から「効かせるように蹴りなさい」「中途半端なローは蹴られない方がいい」と口がすっぱくなるくらい言われていました。

──新体制になってからのジムはどうですか?

鈴木 名前や体制は変わったとはいえ、僕は藤原ジムの出身で、先輩たちから技術はもちろん気持ちの部分も受け継いだと思っています。
藤原ジムには泥臭いイメージがあったと思うけど、そういう昭和のキックボクシング的な匂いは嫌いではない。
自分でいうのもおこがましいけど、今回の試合も昭和のキックボクシングの片鱗を見せられたらいいなと思いますね。

──ハチマキ選手の印象は?

鈴木 結構タフでスタミナもあって淡々と同じペースで試合を進めてくるのでやりづらい。
正直大変な試合になると予想します。
実を言うと、ハチマキ選手が階級を上げて水落選手に勝ったあたりからなんとなく自分とやるんじゃないかという予感はしていました。

──ハチマキ対策は練りました?

鈴木 僕は結構対策を練る方なんですよ。
基本的に自分はこうしたいというプランを立てたうえでまわりと相談するようにしています。
なんかうまく喋ることはできないですけど。

──REBELSのイメージは?

鈴木 前回4月のWPMF JAPANとの合同興行で初めて上がったんですけど、以前は森井(洋介)君や渡部(太基)君が出ていたじゃないですか。
個々の選手を取り上げて盛り上げてくれるプロモーションという印象はありますね。

──その4月大会には”日本人キラー”ゴンナパーのヒジ打ちによって切られ、TKO負けを喫してしまいました。

鈴木 タイ人と闘うのは3戦目だったけど、ゴンナパーにはうまさを感じました。
総じてタイ人選手は気持ちの切り換えが早い。
ヒジと首相撲の技術が突出しているのはもちろん、キャリアで培ったと思われるその場に応じた対応能力はハンパない。
○△がダメだったら、×○をやるみたいな。
ゴンナパーも最初は強気でどんどん前に出てきたけど、途中から結構下がってきたのでローが効いているのかなと思ったけど、そうなったらなったでヒジで切ってきた。
ヒジを狙っているのかなという予感もあったけど、まんまと罠にはまってしまった感じがします。
その時の傷はまだ生々しく残っています。
鏡を見るたびにチクショーと叫びたくなりますよ。

──J-NETに続いてREBELSのチャンピオンになったら次の目標は?

鈴木 5月に(WBA世界スーパーフェザー級王者の)内山高志さんがジョムトーンを倒したじゃないですか。

──私も会場で見ていました。
ムエタイではあれだけ強いジョムトーンがキャンバスに大の字になったシーンはショッキングでしたね。

鈴木 今度はキックルールで僕がジョムトーンを倒したい。
何年か前から僕はフィジカルトレーニングで土居進さんのところでお世話になっているんですけど、内山さんや八重樫東さんと同じ時間帯になることがある。
練習に取り組む姿勢をみていると、やっぱり世界のトップに立つ人だなと感心します。

──だったら、ハチマキ戦はジョムトーン戦に近づくための第一関門となりますね。

鈴木 すでにゴンナパー選手に負けているのであとがないけど、もうすぐ30歳。
キックボクサーとしても社会人としても節目を迎える。
同い年の社会人だったらそれ相応の経験を積んでそれなりの肩書になっていると思うけど、僕にはそれがない。

──いやいや、J-NET王者という肩書を持っているじゃないですか。

鈴木 ただ、選手として体力的な衰えは感じていないし、反応も悪くなっていないと思う。

──少なくともあと5年くらいは現役?

鈴木 いや、(35歳になっても現役を続ける)内山さんではないのでそんなには。
内山さんのようになりたいとは思うけど、いまはそんなに長くはできないかなと思いますね。
あと2~3年できたらいい。
僕は総合力で過去最高の強さがあれば続けていくことができると思っているんですよ。
だから総合力が下がっていると思ったら、その時点で辞めようと思っています。
幸いまだ体力は上がっている。
あとはメンタル。
若さはなくなっているけど、その分賢くなっているんじゃないかと信じたい。

──今回はREBELSのベルトだけがかかっているけど、ハチマキ選手は王座を統一する意識を持って闘いに挑むそうです。

鈴木 これだけチャンピオンが乱立していると、統一は意識しますね。
大きい目で見たら、その方がキック界にとってもいいでしょう。
本来は統一されるのがベストだけど、現状でそれはなかなか難しいと思うので。

○プロフィール
鈴木 真治(すずき しんじ)
所  属:格闘技道場道場ゴールデングローブ
生年月日:1985年11月06日
出  身:宮城県
身  長:174cm
通算戦績:31戦20勝(10KO)7敗4分

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小笠原 瑛作 インタビュー

小笠原は、昔つまらない試合をしていたけど、最近面白い試合をするようになったと言わせたい

聞き手:布施 鋼治

──今回は52.5kg級でのREBELS王座決定戦となりました。

小笠原 前回スーパーフライ級(52.16kg以下)でやった時にきつかったので、山口元気代表から「じゃあ次はバンタム級でやってみるか」と言われていたんですよ。
そうしたら52.5kg級。
あれ?そんなに変わっていないぞって(微笑)。

──減量は?

小笠原 きついですね。
そういっても5kgくらいなんですけど。
ただ、練習がハードなので、普段で体重は簡単に落ちる。

──今春多摩美術大の2年に進学したと聞きました。
生活の方は落ち着いている?

小笠原 忙しいですね。
必修で演技や舞踏などの実技の時間が毎日ある。
1年の時にはそれが1~2限にあったけど、2年になったら3~4限になってしまったので終わるのが4時10分くらいなんですよ。
校舎は上野毛にあるのでそのまま吉祥寺のジムに来ても5時過ぎになってしまう。
うまいこと調整して、プロ練に間に合うようにしています。

──学校は楽しい?

小笠原 すごく楽しいです。
もともと人前に立って何かやりたいと思っていたので。
踊る方のバレエの授業もあるんですよ。
バレエシューズを履いて爪先立ちみたいなこともしています。
ダンスの授業では担当の先生が「呼吸を吐け」「脱力しろ」と言ってくる。
バレエでも身体を開く動きがあるので、キックに共通する動きがあるんじゃないかと思います。

──その一方で辛いこともある?

小笠原 演技は新しいことばかりなので、この歳になって厳し目のことを言われ、傷ついてジムにやってきて岡田ピロキ君や潘隆成君に愚痴をこぼすこともあります。
まわりは小学生の頃から子役をやっていたような人たちも多いですから。

──その中で新たな発見もある?

小笠原 演技で教えられることって技術的なことではなく、自分の感情を表現したり、率直な自分を見つめるじゃないけど、台詞を喋るような授業は全然なくて、自分の歩き方や感情を見つめています。
「あっ、俺はこういう時に喜んでいるだな」っという感じでね。
今までだったら喜怒哀楽を意外となあなあにしていたけど、そこに気づかなければいけないと思うようになりました。
何がキックに応用できるかわからないけど、最近は呼吸法も大事だなと思うようになりました。
今までは全然気にしていなかったんですけどね。

──ほぉ。

小笠原 鼻から吸って口から吐く。
空手でいう丹田。
そういうところって意外とムエタイ選手は言わないかもしれないけど、日本的なものとして大事な部分だったりするのかなと思いますね。

──REBELS関連でいうと、ヤスユキ選手は試合中に決して口で呼吸をしないことで有名です。

小笠原 舞踏の授業は3時間あるけど、それは踊らないで3時間限界くらいまで空気を吸って吐くみたいなことをやっている。
ずっと全身の力を脱力して3時間飛び続けたり。
ひょっとしたらキックより精神的な苦痛は大きいかもしれない。
コンテポラリーダンスでは身体を脱力させることを目的にやっています。
脱力して一度落とすからこそ力を創り出せる。

──それはまさにキックやムエタイと同じじゃないですか。

小笠原 そうなんですよ。
硬くしていったらダメで、フッと力を抜くからいい攻撃ができる。
ムエタイ選手も普段はリラックスして、打つ時だけパチーンと力を入れる。
相通じるものがあると思いましたね。

──最近はヒジなしのREBELSルールとムエタイルールを並行してやっているけど、どっちのルールの方が得意?

小笠原 最近はムエタイルールだと組みがOKなので、そっちに頼ってしまう傾向がある。
でも、REBELSルールだとそれができない。
その代わり打撃打撃という意識でやるから意外と倒せたりする。
どっちがいいというのはないけど、キックルールの方が自分はアグレッシブに闘えるのかなというのはありますね。
組み?なくても全然大丈夫。
(タイ人トレーナーの)ウーさんのミットもREBELSルールでは3秒以内だったら掴みが認められるのでそうしようとすると、ダメと言われる。
ウーさんは考えていないようでちゃんと考えている。
いまは押してからのローキックやパンチの練習をやっています。

──加藤竜二選手が返上した王座を争う優希選手についての印象は?

小笠原 REBELSに上がっていなかったのもあって、対戦相手としては一切考えてなかったですね。
試合映像?まだ見てないんですよ。
トレーナーに任せているので。
これから見て研究しようと思っています。

──その余裕が命とりにならない?

小笠原 それは心配しています。
でも、この間片島聡志選手とやる前も試合映像は見なかったんですよ。
でも、このところ2試合連続KOで勝っているので、欲をいえば今回もKOで倒したい。
ただ、倒そう倒そうという意識が強すぎると身体が硬くなってしまうので、5Rを全部使って最終的に倒せたらいいですね。

──確かに倒そうと思って倒せるものではない。
最近倒せるようになった原因は?

小笠原 やっぱりウーさんの存在が大きい。
トレーナーがウーさんに代わってからだいぶ変わったと思います。
前のトレーナーの時にはフィームー(ムエタイ用語でテクニシャンという意味)でいろいろなテクニックを使えという方針だったけど、ウーさんのやり方はそうではなく、とにかく前に出ろみたいな方針なんですよ。

──日本向けに指導をアレンジしているんですかね。

小笠原 選手によって指導方法は変えているけど、僕の場合、ほとんど休憩なく全てを強く打たせるという感じですね。
おかげで練習量も増えている。
それに最後まで厳しく指導してくれる。
熱心に教えてくれる先生です。
ミットでの補強も前の先生だったらちょっと持っただけで2階に上がってしまうところを、ウーさんはずっと見ているので手を抜けない。

──それでパンチやキックの切れ味が増したわけですね。

小笠原 そうですね。
練習量も増えているので、それが自信にもつながっている。
最近は体つきもみんなから「でかくなったね」と言われるようになりました。
ミットを打っていてもそれは感じますね。

──意中の対戦相手は?

小笠原 あ~、やっぱり話題になっている那須川天心選手とやってみたいですね。
一応僕の方が年上だし、一応自分の方が先にプロデビューしているので自分からやりたいというのも悔しいですけど、みんな「強い強い」と口を揃えるのでやったら話題性もあるじゃないですか。
やってみないとわからない部分もるあるけど、タイプ的には噛み合う。
映像を見たら確かに強いし、早いし、ほかの選手とはレベルが違うけどやってみたい。

──ただ、現在那須川選手は55kg級です。

小笠原 バンタム級だと相手がいない気がするので、(転向するなら)スーパーバンタム級でやりたい。
この階級だと結構名前のある選手が多いし、BLADEでもトーナメントをやったりしているので面白いかなと思いますね。

──わかりました。
最後に今回チャンピオンベルトがかかっていることは意識します?

小笠原 あんまり意識しないですね。
前回ムエタイオープンの時もタイトルマッチという感じでは全然なかった。
ただ、ベルトは獲っていた方が他団体には上がりやすい。
だから今回もいい試合をして「小笠原は、昔はつまらない試合をしていたけど、最近面白い試合をするようになったな」と言わせたいですね。

○プロフィール
小笠原 瑛作(おがさわら えいさく)
所  属:クロスポイント吉祥寺
生年月日:1995年09月11日
出  身:東京都
身  長:170cm
タイトル:ムエタイオープンスーパーフライ級王者、元REBELS-MUAYTHAIフライ級王座
通算戦績:17戦15勝(3KO)2敗

優希 インタビュー

簡単にフィニッシュできる相手ではないけど、打ち合いになったら面白い

聞き手:布施 鋼治

──今回のオファーを受けた理由は?

優希 今年4月、ジョッキーレック選手とムエタイルールで闘ってヒジとヒザで切られてしまった。
ちょっとヒジがあるとヒジを狙われて打ち合えない。
今回はヒジなしルールだったので、対戦相手どうこうではなく、とりあえず出てみたいと思ったのがきっかけです。

──空位の王座を争う小笠原瑛作選手の印象は?

優希 強いですね、ハイ。
すごく強いと思います。

──ただ、試合を受けた限りは当然勝機もあるわけですよね。

優希 そうですね。
ただ、正直、僕より実力はあると思う。
まわりの人間もそう思っているでしょう。
とはいえ、僕はあと数戦しかやらないと思うので、勝ちにいかないとと思っています。

──すでに引退までのカウントダウンに入っている?

優希 そうですね。
ゴールがいつになるかはわからないですけど。

──肉体的な衰えも感じる?

優希 ハイ、多少は(微笑)。

──2006年デビューなので、キャリアは10年を数えます。

優希 結構いい加減な性格なので、やったりやらなかったりした時期もあったんですけどね(照れ笑い)。

──そもそもキックを始めたきっかけは?

優希 暇だったんですよね。
高校生の時に一度ジムに入ったけど、その時は1~2か月しか持たなかった。
それから遊びばかりしていたんですど、それも飽きてきたかなと思って日曜会員として再開したんですよ。

──プロ志望というより、身体を少しでも動かしたい派だった?

優希 そうですね。
いまはTSK Japanさんにお世話になって練習しています。

──REBELSの印象は?

優希 今回が2回目なんですけど、レベルも高いし、華やかな印象がありますね。
Krushさんとかいろいろある中で、REBELSさんも記者会見とかやるじゃないですか。
この間大久保でやった記者会見には僕も呼ばれたけど、緊張しました。
大して人もいないだろうと何も考えずに足を運んだけど、結構ギャラリーがいてビックリしました。

──会見では小笠原選手とも対面しています。

優希 初対面だったけど、オーラを感じましたね。

──今回の王座決定戦ではどこに注目してほしい?

優希 図式的には自分のパンチvs向こうの蹴りという図式になると思う。
最近の小笠原選手を見ていると気が強いのである程度打ち合ってくると思う。
向こうがミドルを蹴ってくる中で僕が中に入ってパンチを打とうとしたらヒザを合わせてくるような攻防になるんじゃないですか。
そうした中、打ち合ってきたら面白くなるんじゃないですかね。

──他の選手と比べ、ここだけは負けていないと思う部分は?

優希 フック系のパンチですかね。
KO率は低いけど、ほとんどの試合で一度は相手を引っくり返していますから。

──どんなフィニッシュを予想する?

優希 ちょっとわからないですね。正直簡単にフィニッシュできる相手ではないと思うので。

○プロフィール
優希(ゆうき)
所  属:Desperado
生年月日:1984年09月27日
出  身:神奈川県
身  長:160cm
得意技 :右フック
タイトル:WPMF日本フライ級王者、J-NETWORKスーパーフライ級王者
通算戦績:27戦16勝(3KO)7敗4分

大会概要・対戦カード
小川翔、初防衛戦は雷電HIROAKI!小笠原瑛作は優希と王座決定戦!7・12「REBELS.37」注目カード発表!
7・12「REBELS.37」町田光、郷州力 試合直前インタビュー

【REBELS関係】
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