懐かしき昭和40年代日プロ 京都ホホホ座ポスター展&トーク満員御礼

★アントニオ猪木IGF関西後援会 高島英三郎氏と会場にて

 新緑の京都で昭和プロレスファンにとっては懐かしい昭和40年代のポスター展が6月3日(土)から6月18日(日)まで、京都はホホホ座浄土寺店特設リングで開催された。
(主催:ホホホ座浄土寺店、協賛:週刊ファイト、協力:ライレージム京都 松並代表)

 今回はBI砲(ジャイアント馬場とアントニオ猪木)が黄金タッグを組んで活躍した昭和42年5月から、アントニオ猪木がクーデターにより会社追放になる昭和46年12月、そして翌年ジャイアント馬場が独立することにより会社が衰退して崩壊するまで、当時の日本プロレスのオリジナルポスターが飾られた。

 この素晴らしきポスターをデザインされたのは当時の宣伝部長である押山保明氏である。無声映画時代からご活躍され日活では監督を、東宝に移られてからはプロデューサーとして『伊那の勘太郎』を制作、後に日本プロレス所属の星野勘太郎の名づけ親となられた。
 その後吉本興業に移られ活躍されている時、力道山の目に留まりスカウトされたとのこと。(グレート小鹿さん談)
 とにかくこの時代のポスターは原色に写真を貼り合わせただけなのに、その迫力は現在のグラフィック・ポスターに比べ圧倒的迫力であり心に訴えてくる力を感じる。

 千秋楽の17日(土)展示ポスターを収集した藤井敏之(週刊ファイトの記者)より当時からその収集の難しさなどが語られた。
 当時は駅や銭湯に貼られていたものを開催日まで待ち、当日に許可をもらい剥がしていたようだが状態が悪いのが欠点。その後プロレス雑誌の読者のページを活用する中、札幌の加藤氏なる方から多くのポスターを安価で譲ってもらったようだ。理由は加藤さんのお店に当時の北海道のプロモーターであった直江さんなる方が良く食事に来られ、たまに食事を奢ってあげる代わりに多くのポスターやグッズを頂いておられたそうだ。

 その後は叔父が交通公社に努めるようになり新日本プロレス、全日本プロレス初期の頃まで多く収集できたようだ。
 今回のポスター展の人気投票においては、昭和46年12月9日、札幌中島スポーツセンターにおいてBI砲がファンク兄弟に破れ、それ以降猪木は会社追放され日本プロレスでは最後のタッグとなった歴史的事件性があるポスターがダントツ人気であり、ファンク兄弟が真ん中に配置され、馬場と猪木が白黒写真で向かうデザインも素晴らしく思える。

 あと、昭和46年3月、アントニオ猪木がUN王座を獲得、その3回目の防衛戦として、まだ見ぬ強豪の筆頭である“アラビアの怪人”ことザ・シークとの一戦が予定されていたが、表向きには病欠との発表であったが、シークがプロモートするデトロイト地区にデイック・ザ・ブルーザーが攻め込み興行戦争勃発の為、来日が中止となった経緯である。代わりに超大物である“鉄の爪”フリッツ・フォン・エリックが急遽来日した、幻のポスターも人気があった。

 ほか、1967年5月31日旭川市体育館のポスターにおいては東京プロレスより日本プロレスに復帰したアントニオ猪木の名前が猪木完至となっており、アントニオの文字が無く、しかも誤字(完→寛)が注目された。
 とにもかくにも約50年前の日本プロレスのポスター47枚が張り巡らされている景観には圧倒される。新日本プロレスや全日本プロレスの初期のポスターは良く見かけるが、老舗日本プロレスのポスターは珍しく、1枚の紙にジャイアント馬場とアントニオ猪木の顔が印刷されていることにスペシャル感が満杯なのだ。

 6月17日(土)に開催されたトークイベントは確定席数25席が即完売となり、後日かかってくる電話予約をお断りせざるをえなかった。
 まだまだ昭和熱の熱さを感じる。


 トークは3部構成となり
 1本目は「展示ポスター解説」
 2本目は藤井氏の名著である『アントニオ猪木xドリー・ファンク・ジュニア~夢の対決を追い続けて~』(大幅拡大電子書籍版)を、実際に写真や資料を基に、3度目の対決を待ち続けたその泣き笑い、希望と落胆の30年間を述べられた。特にオカラ在中のこのドラマの一方の雄、ドリー・ファンク・ジュニア氏から猪木さんへのメッセージビデオがサプラスで流され感動さえ覚えた。

 3本目はアントニオ猪木とザ・デストロイヤーさんのライバル・友情関係として、2016年に86歳のご高齢で来日したザ・デストロイヤー氏と猪木さんの再会の美談が語られ、それに合わせて貴重な写真や動画を見ることができた。
 アントニオ猪木さんにとってザ・デストロイヤーとの思い出は、昭和46年5月19日の「第13回ワールド大リーグ戦」での攻防と、ザ・デストロイヤーと力道山が戦った時、リング上から撮られた写真が凄く印象深く、どこの体育館であったか興味深く確認しておられた。
予想以上にお客様に来ていただき、将来的には地方を回り最終的には東京でも開催したいものだ。


 次回はアントニオ猪木の宿敵であるタイガー・ジエット・シンに関する展示やトークイベントが予定されるという。関西においてもどんどん昭和プロレスファンが集うイベントを開催し、みんなで大いに語り明かしたいものだ。今回、19時からスタートして終了したのは21時を回っていた。遅くまで付き合っていただいたお客様にこの場を借りお礼申し上げます。

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