[ファイトクラブ]BJW”父の日”岡林裕二休業もストロング&Jr.2大王座戦跳ね除ける熱量

 大日本プロレスの岡林裕二が、2023年7月以降の無期限休業を発表した。ストロングBJの屋台骨を関本大介と共に支え続けた中核の離脱はあまりにも痛い。しかし、休業発表直後に行われた6・18後楽園ホール大会では、現ストロングヘビー王者の青木優也を中心に、徐々に盛り返す兆しを見せ始めた。本記事では今大会で感じた、ストロングBJ、デスマッチBJ、ストロングJ(ジュニアヘビー)の3ブランドの評価について切り込んでいきたい。


[週刊ファイト6月29日号]収録 [ファイトクラブ]公開中

▼BJW”父の日”岡林裕二休業もストロング&Jr.2大王座戦跳ね除ける熱量
 photo & text by 鈴木太郎
・岡林今月まで揺れるストロング光明見出す『青木優也-浜亮太』約12分
・約4年5ヶ月振り挑戦も存在感示した浜亮太
・新時代を牽引せんとする、真っ直ぐな青木優也の姿
・発展途上の青木が口にした『ファンと共に作っていく大日本プロレス』
・初防衛戦で聖地圧倒のJr.王座戦梶トマトV1レッドアイ対エンデル・カラ
・梶トマトからシリアス引き出すエンデル・カラの凄さ
・初防衛戦で早速上がった王座の格と梶トマトの評価
・低調デスマッチBJで唯一気を吐く王者・石川勇希!アブ小に挑戦表明
・王者やレギュラー欠くだけで目につく、デスマッチBJブランドの脆さ
・一人気を吐く石川勇希の逞しさ
・7・16後楽園は『ストロングvsデスマッチ』のブランド闘争だ!


■大日本プロレス 『後楽園ホール大会』
■日時:2023年6月18日(日) 11:30開始
■会場:東京・後楽園ホール
■観衆:618人

 父の日当日に行われた、2023・6・18大日本プロレス後楽園ホール大会は、【子連れ観戦なら父親無料】の特別キャンペーンを設けた効果もあってか、ここ最近で400人前後と不振が続いていた後楽園大会では久々の600人超えと微力ながら持ち直した。

大日本プロレス【父子来場で父親無料】企画『お父さんとバックドロップ』実施!6・18後楽園ホール

 この日は、レギュラー参戦中の大門寺崇は真裏の『佐藤恵一自主興行』に出場し、合同興行を開催する間柄の2AWも千葉でビッグマッチを開催するなど、裏の興行被りが少なからずあった。加えて橋本大地が家庭の事情で欠場という中でも、大会の全体的な満足度は高められたように思う。

岡林今月まで揺れるストロング光明見出す『青木優也-浜亮太』約12分

 そんな中、最近の大日本でビッグニュースとなったのは、『岡林裕二の無期限休業』ではないだろうか?

[ファイトクラブ] 春の嵐吹き荒れるBJWストロング・デスマッチ・ジュニア聖地後楽園大爆発

[ファイトクラブ]横浜武道館ビッグマッチ期待感増大April Fools’ BJW 横浜市役所詳細

[ファイトクラブ]東京-名古屋350km昼夜大移動!後楽園で感じたダイニチの底力

 予てより、プロレスを続けるのは40歳までと決めていたという岡林が、今後の進路を見据えた上での1つのアクション。このまま引退するか、現役を続行するかどうかは、休業期間中に決断するのだという。キャリアの中で長期欠場に見舞われた時期も一度ではなかったものの、今年5月まで1年以上にわたってストロングヘビー級王座を保持するなど、大日本プロレスのストロングBJを関本大介と共に現在まで牽引し続けてきた。

 絶対的な核が休業に入る事で、屋台骨が危ぶまれる大日であるが、メインのストロングヘビー王座戦・『青木優也vs.浜亮太』は素晴らしい試合だった。浜のストロングヘビー王座戦は、2019・1・2の後楽園ホール大会で関本大介に挑戦して以来、約4年5ヶ月振りだったという。それでも、この長期間にわたり挑戦の無かった事が信じられない程、この日の浜は充実していた。歴代最重量レスラーの体躯を活かした数々の攻めは勿論の事、王座戦仕様とも言うべき新鮮な攻めも見せて、王者を追い込んでいった。

【ストロングヘビーの懐刀】と言っては失礼だろうが、浜の挑戦にこれだけブランクを設けた事実は反省点ではないだろうか? 所属ながらも限定参戦という点はあるが、その不利を補ってあまりあるだけの説得力を浜は感じさせてくれたのだ。

 そんな浜の攻めを退くことなく受け続け、最後は袈裟斬りチョップ2連発で勝利した青木の姿も立派だった。岡林裕二が築いた約1年4ヶ月に及ぶ長期政権に終止符を打ち、新時代を牽引せんとする真っ直ぐな姿は試合にも現れていた。
 青木の試合からは、ZERO1の『ホットジャパン』で共闘関係にあった大谷晋二郎の影響を強く感じさせるが、底から湧き出るような熱さを発散し、自ら会場内にうねりを起こしている様は、大谷のコピーなんかでは決してない。体格差のある相手にも怯まず向かった事で、まずは王座初防衛を刻んだ。

記事の全文を表示するにはファイトクラブ会員登録が必要です。
会費は月払999円、年払だと2ヶ月分お得な10,000円です。
すでに会員の方はログインして続きをご覧ください。

ログイン