[ファイトクラブ]亀田和毅『ボクシング真夏の祭典』メキシコの風が、吹いた神戸

[週刊ファイト8月11日号]収録 [ファイトクラブ]公開中

▼亀田和毅『ボクシング真夏の祭典』メキシコの風が、吹いた神戸
 photo & text by 大島慶山 編集部編


■ REAL SPIRITS LOCABO presents ボクシング真夏の祭典
 亀田和毅の約1年2ヵ月ぶりの日本でのボクシングマッチ
日時:7月30日(土)
会場:神戸市立中央体育館

○亀田和毅(TRYBOX)
 4R 2分35秒 3ノックダウンKO
●ウィリアム・エンカルナシオン(ドミニカ共和国)

 JR神戸駅から徒歩数分の立地にある神戸市立中央体育館で開催された、REAL SPIRITS LOCABO presents『ボクシング真夏の祭典』を観戦してきた。真夏の祭典と聞けば、現在新日本プロレスで開催されている『G1クライマックス』を想起するようなネーミングだ。
※この日、新日本プロレスは愛知県体育館(ドルフィンズアリーナ)で開催している。デルフィンズじゃないんだ(笑)。

 この日の神戸でのプロ格闘技の興行は、亀田和毅を擁するブロボクシング興行と開催時間帯もモロかぶり(共に午後4時試合開始)で、プロレスのドラゴンゲートが『ウルティモドラゴン35周年大会』と銘打ったビッグマッチを神戸ワールド記念ホールで行った。小さなハコながらリングソウルでも、ダブプロレスが午後9時半から。神戸祭りがコロナ禍で中止になったが、神戸の格闘技ファンには垂涎の格闘技の夏祭りの1日だった。

 メキシコでもレジェンドとして、その流れはドラゴンゲートのレスラー達にしっかりと受け継がれている。ダブプロレスも谷嵜なおきやBrother YASSHIに、ウルティモドラゴンのDNAを持ち自らのスキルで見事に昇華した選手が所属している。

 亀田和毅の試合か、ドラゴンゲートを見てからダブプロレスを観戦というハシゴ観戦した剛の者がいたら脱帽だ。ウルティモドラゴンと亀田和毅が面識があるかどうかは不明ながら、亀田和毅がメキシコで暮らし、武者修行を行っていたことは周知の事実だ。奥方もメキシコ美人だ。
 2012年12月4日、大阪の難波にあるボディメーカーコロシアム/大阪府立体育館第1競技場(現エディオンアリーナ)で、レイ・ラスピニャス(フィリピン)との試合時の入場時に、メキシコAAA(トリプレア)に所属していた、覆面ルチャドーラのセクシー・スターを入場時に帯同している。当時ボクシングのセコンドライセンスは所持していなかったので、セコンド業務は行ってはいないものの、文字通りセクシーな肢体で、入場時の僅かな時間で男性客を一瞬で虜にしてしまったのは10年前の事ながら、テレビではなく生で観戦していた筆者の脳裏にしっかりと刻まれている。
 もっともそのセクシー・スター、2016年にプロボクサーデビューし現在まで5戦全勝。2017年にはMMA総合格闘技にも挑戦。但し、米国GFWインパクトのローズマリー(The Demon Assassin)の腕を折ってしまった事件は本誌でも扱った

 男同士の戦いの場なのにとか、ボクシングの試合にプロレスラーがとかいうネガティブかつスクエアな少数意見もあったが、大半が受け入れていた。
 プロ格闘技、プロスポーツ、エンターティメントとして、スペクテイタースポーツとしても、華やいだ演出はわびさびとしてもあったほうがいいと思う。ラウンドガールしかり、知人や読者の方から、筆者の記事には「よくラウンドガールが取り上げられてますね」と、言われたが、ラウンドガールは必要でしょう。
 今夜はノンタイトルの試合だったので、残念ながらラウンドガールの起用はなかったのは仕方ないけど。
 そういえば「修斗」(7月4日)の大会を取材した記事では、キャプテン☆アフリカの愛娘 愛來(あいら)ちゃん(4歳)が、めちゃくちゃ愛らしく可愛いので、ついついラウンドガール(修斗の)のことを書くのを忘れてました。失礼。良かったと思います。前にも書きましたが、ロリ○○ではないので、ゲスなツッコミ不要です。
 この日のドラゴンゲートには、エックスとして武藤敬司が出場したらしいが、まあそれは後追いの動画で我慢します。

 亀田ファミリーは、ご存知の通りボクシング界のお騒がせ一家というか、台風の目のような存在で、功罪は計り知れない。永年、観客やマスコミの注視の的になり常に話題を送り続けている。父の亀田史郎は強面で、一見粗暴そうな印象だが、近年のテレビ番組登場時や、自身のYouTubeチャンネルでは、陽気でコミカルな一面も見せている。筆者が、たまに行く西成の様々な飲食店にもよく立ち寄り、居合わせた一般客とも楽しくグラスを傾け、談笑しているらしい。
 「ここが『じゃりン子チエ』(西成が舞台の漫画・アニメ)の舞台に、なったホルモン店や」とYouTubeで紹介していたが、西成には自称含め、その、たぐいの話をふれこむ店は、枚挙にいとまがない。
 その亀田史郎が3150と両手でコミカルなポーズは、かつてのイメージでは考えにくいが、微笑ましくもある。西成の小さな子供たちが、そのポーズをしながら、「3150!(最高!)」」 と叫ぶ場面は、何度見たことか。イメージ戦略とか、深く考えてまでは演じてないと思う。

 4月29日には、新大阪にあるメルパルクホールで開催された亀田家の興行を観戦したのは既にお伝えした通りだ。JBCをスクラップ&ビルドしようとしているかと思われる程の、新たなるプロボクシング興行だ。
 JBCとの裁判に勝利し(裁判内容は省略)、JBCが破産に追い込まれた為、事実上、形骸化(けいがいか)に追い込まれている。山根明と、高橋知哉のプロボクシング団体「WYBC」(ワールドヤマネボクシング)共々、JBCにとっては目の上のたんこぶというか、頭痛の種かもしれない。
 既得権の為か、旧態依然としたJBCの体質は、亀田家とJBCの裁判で、JBCサイドの弁護士でもあるテレビでも有名な北村晴男弁護士が、各メディアでJBCサイドを痛烈に批判していたから、やはりJBCサイドに問題があったかもしれない。スポーツのコミッションに日本のアンチトラストにあたる独占禁止法が当てはまるのかどうかはわからないけど、亀田ファミリーや、WYBCが、事実上の反JBCとしてのオポジションとして動いている。
 2週間後には、亀田史郎、長男・亀田興毅、次男・亀田大穀のKWORLD3(旧3150ファイトクラブ)が5月大会より、約3ヶ月ぶりの興行を大箱のエディオンアリーナ第1競技場で開催する。プロ格闘技界のドン・ファンの異名を持つ、皇治(こうじ)とヒロキングの試合にJBCが待ったをかけたのは、裁判で惨敗を喫したので、一矢を報いる形になった。

 元K-1戦士で、人気キックボクサーでもある皇治(JBCのプロボクサーライセンスは所持してない、二枚鑑札は現時点、認めていないため)に、JBCのプロボクサーライセンスを所持するプロボクサーが、エキジビションマッチといえ、非ボクシングの試合を行うことが問題視され、亀田一家サイドにクレー厶を入れた。
 JBC管轄外の治外法権として、JBCサイドは主催者である天敵の亀田家に渋々、特例扱いで開催許可を与えていたが、ボクシング興行のチケットでそのエキジビションが観戦でき、観客やマスコミがオフィシャルなプロボクシングの試合として混同されるとの危惧があったと推測される。既に興行の目玉として、皇治の投入に成功したと思っていた矢先のJBCからのリベンジに、苦肉の策を主催者サイド亀田家と、AbemaTVサイドはブレーンストーミングの嵐が吹きまくっている。

 まさに会議は踊る。ヒロキングから、対戦相手に梅野源治(phoenix)が、ムエタイルールでの対戦を要求しているが、これも見ものだが、皇治のキックなしのボクシングルールでの試合に挑むという、当初のコンセプトとは大きく異なるが、日時も迫ってるし、背に腹は代えられないか。
 皇治がビッグマウスなのは周知の通りだが、実績もあり人気もあり、観客動員力もあるので、皇治の試合が、対戦相手が誰であれ、どんな試合形式のルールであれ、今更、中止にはできないだろう。
 武尊(たける)や、内山高志氏(元WBA世界スーパーフェザー級スーパー王者)を挑発したり、シバターと毒舌合戦をしている。皇治は、筆者も観戦した、名古屋での「HEAT」で、僅差での判定負けをアナウンスされたが、大会中ではなく、後日、判定がひっくり返ったのは少し後味が悪かった。それだけ、皇治の商品価値が、高いということか。

 いざ、8月14日の興行の蓋をあけてみたら、何が飛び出すかはみものである。皇治が不利になったら、誰か乱入することはないだろうけど・・・。毒舌で、有名な亀田興毅が、三男でもある亀田和毅が、3150ファイトクラブを離脱した際に「リスクヘッジの為と」語ってた時は、そんな言葉知ってるんだ、(失礼!)と思った。家族以外に、シンクタンクの協力者がいるかもしれない。法律にも詳しい人物の力添えあるかもしれない。


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