「いずれこうなることはわかっていた。」
元WWEディーヴァ王座チャンピオンのペイジが現地時間7月7日付でWWEから退団した。
2017年首を負傷し戦線離脱後も団体の盛り上げ役として残留を続けていたが、今年の6月11日に本人自らがSNS上で団体を退団することを明らかにした。
以下ペイジの声明全文。
「ペイジです。
7月7日がWWEでの最後の日となります。
団体が与えてくれたチャンスにとても感謝しています。
18歳のしょっぱいエモ・ガールに千載一遇の機会を与えてくれて、スーパースターになったような気分にさせてくれたWWEには本当に感謝しています。
首の負傷でリングに上がることができなくなっってからこんなにも長いこと引き止めておくのは大変なことだったと思うけど、そこも感謝しています。
WWEユニバースのみなさんも、どうもありがとう。
あなたたちほど情熱的なファンたちを見たことがありません。
これからも私の旅に付き合ってくれると嬉しいです。
「ペイジ」という名前を使うことができなくなるのが一番大変かもしれないけれど、サレヤ(本名)も素晴らしく良い名前だし、名付けてくれた母には感謝しています。
ちなみにだけど、もうリングに上がらないとは言ってません。
いつかまたその日が必ずやってくる。
どこのリングかはまだわかりませんけれど。
ありがとう、WWE。」
契約更新に関するファンの質問に対しペイジは、「いつかはこうなることはわかっていた。彼らは私との再契約を望まなかったけど、そこも理解しているし、恨んでいません。」と答えている。
ペイジことサレヤ・ジェイド・ベヴィスは、1992年生まれの29歳で、2005年に両親が主催するイギリスのインディープロレス団体WAWのマットでプロレスラーとしてデビュー、2011年にWWEと契約、2012年本名のサレヤでFCWデビュー、のちにペイジと改名しNXTで活躍、NXT女子王座、2014年にRAW初登場でAJリーに挑戦し勝利、ディーヴァズ王座とNXT女子王座同時に獲得という快挙を果たすなど華々しい戦歴を残すも2017年首の負傷により引退を余儀なくされたが、引退後も契約はそのまま、復帰を目指してトレーニングも続けていた。
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ペイジのサクセスストーリーは、『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』、『呪われた死霊館』、『ミッドサマー』などにも出演しているフローレンス・ピューがペイジに扮して『ファイティング・ファミリー』として映画化もされ、スターチャンネル他洋画専門チャンネルでも放送されたので視聴したプロレスファンも少なくないと思う。本誌は公開前から何度も取り上げてきた作品だ。
映画にも描かれていたが、ペイジには同じくプロレスラーの兄ザックがいて、2011年にWWEのトライアウトを兄弟で受け、妹だけが採用された。シビアな現実。
そのときの兄妹の葛藤は映画のなかでリアルに描かれている。
ドキュメンタリー映画が元になっているので、そのあたりほぼ忠実に再現されていると思われ、胸に迫ってくるのだ。
ただ、ザックが採用されなかったのはまさにスカウトの温情。
かつてたけし軍団の某氏のトークイベントで、某氏が軍団に入団を希望してきた妻子ある40代の男性をけんもほろろに断ったエピソードを思い出した。
断った理由が実にまっとうだったので鮮明に記憶している。
「芸人なんて、社会からのはみ出し者、ろくでなしですよ。食えないんだから。普通の人が血迷ってそんな世界に入ってきてなにもできるわけない。路頭に迷って一家心中なんてさせたくないから。」
ペイジの兄は、結婚しており子供が生まれたばかりだった。
ちなみに映画ではドウェイン・ジョンソンからペイジとザックがアドバイスを賜るくだりが描かれているが、そこはフィクション。
夢は叶えど、長くは続かず。
ペイジのコメントからは絶望や落ち込んだ様子は感じられず、むしろ前向きな姿勢が伝わってくるのが救いだ。
かつて自身の化粧品ブランド立ち上げたり(現在もあるかどうかは不明)、結構やり手の一面も伺えるので、すでに心は新たなる旅の空に思い馳せているところか。
ペイジは退団にあたり、彼女がWWEに入団した当時の様子を、女性部門はブラとパンティの試合から遠く離れるなんて考えられない状態だった、多くの人たちが女性選手たちによる試合を「トイレ休憩」だと思っていたとも吐露し、大切なことは、革命が起きたということそのことと、女子プロレスの未来はこの団体の選手全員に託されているということだと語った。
いつでもどこでも全世界で、女性たちは少なくとも男性の何倍何十倍もの労力を費やし闘い続けねば道を切り拓くことが出来ない。人権無視の輩が大手を振って権力を行使し、弱者にマウントを取って悦に入ることを許される環境がある限りその状況はおそらく永遠に続いていく。
男社会が悪いと言うのでなく、弱者にマウントを取りたがるアホが存在しそのような人間が認められ弱者イビリが許されている環境が問題なのだ。
だから強い女が増えた。
未来を変えるために、闘って強くならざるを得ないからだ。
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