YB六本木バイスJホワイトBlade Runner 恐竜組タッグ防衛Rampage

photo by George Napolitano

■ AEW Dynamite
日時:2月11日(現地放送時間 録画番組)
会場:米ニュージャージー州アトランティックシティ ジム・ウィーラン・ボードウォークホール


 アトランティックシティ会場からの3時間目が今回のRampageであり本誌は自前取材である。WWEの場合SmackDown-RAWは原則同じプロレスを二班に分けただけだが、NXTは2.0になっても下部組織ではあるものの、また別の世界観でプロデュースされている。AEWに関するなら二軍の位置づけが明確なDarkとかDark: Elevationという別番組があるが、DynamiteとRampageは基本同じだ。ただ、現地金曜夜10時、SmackDown終了後からの放送になるので実況陣がクリス・ジェリコ、タズ、リッキー・スタークスとやる側の選手が実況のエクスカリバーと絡む点に違いがあり、放送時間もあるからやや大人向きのケーフェイに踏み込んだしゃべりになる違いがある。
 今回の番組冒頭は新日本プロレスの定番だったヤングバックスvs.ロッキー・ロメロ&トレント・バレッタの六本木バイスからであり、ロッキーのオミクロン陽性で延期されていたカードである。ジャーマン・スープレックスは両肩でバンプなのだが、バックスは日本式の後頭部をマットに打ち付ける危険なリリース式をやり、すかさずジェリコが「90年代のAll Japanだぁ」と解説するのである。プロレスをやる側・作る側から深く楽しんでいる方なら、日本のプロレス実況は観点が違うので断固として耐えられないから、画面は凝視しても音だけ音楽CDにしている方が少なくないと思われるが、アメプロはやはり実況が大人向きで面白い。


 試合は新日での攻防が輸出され、全米にテレビ中継で流れる痛快さはあるが違いもある。ベストフレンズ軍であるからオレンジ・キャシディが絡むのだが、リング下に逃げ込んで、腕が出たのでヤングバックスが引っ張るとダンハウゼンが出てくるという笑いを取るSpotが挿入されていたことか。
 ケツはお約束のBTEトリガーにロメロが沈むのだが、さらにスーパーキックをバレッタにもとやっていると、ジェイ・ホワイトが出てきてバレッタにブレードランナーを決める。いよいよ来週のRampageでは試合に出陣だ。ちなみに来週のRampageは五輪中継の影響から東部時間夜7時からになり、SmackDownより先に放送されることになる。


 Dr.ブリット・ベイカーD.M.D.が自称レベルことレバとだけで入場してきたことを背景に、よく知らないロビン・レネゲードをカーブ・ストンプで仕留める試合が挿入。

 フォール決着後、さらにロックジョーで手袋の手を口に押し込むD.M.D.に、サンダー・ロサが救援に。そこにメルセデス・マルチネス、そしてようやくジェイミー・ヘイターがやってきて揉めるんだが、なんとか親分がまとめる絵にしてました。まぁジェイミー・ヘイターの仲間割れ布石なんでしょう。


 次世代スターのHOOKは、いまのところあえてRampageのみに登場する選手になっている。3週前のRampageでは、もう残すは道場主のQTマーシャルしかいない、という絵だったが・・・。
 今回も門下生、ということは一緒に普段は練習している相手のブレイク・リーに、豪快なUCHIMATA(=内股とタズが叫ぶ)で投げたりしてカッコ良いのだ。例によってタズ・ミッションとは呼ばずに”チョーク”が極まる。


 番組トリはジュラスティック・エクスプレス(ジャングルボーイ&ルチャザウルス)のタッグ王座防衛戦。ビリー・ガンの息子たち、コルトンとオースチンのガンクラブが挑む。Suck itのDXポーズをやるコルトンに、長身のルチャザウルスに担ぎ上げられたジャングルボーイが3階から降って来てお仕置きする。


 ガンクラブも大きいが、ルチャザウルスは巨人である。オースチンがレフェリーの見てない隙にベルトでジャングルボーイを殴ってフォールするもカウントは2に。恐竜が豪快なチョークスラムでダナミックにヒール組を痛めつけてジャングルボーイに繋ぐ。そして切り返しのキルスイッチがオースチンに決まった。


 番組中継はタッグ王座防衛までだったが、なにしろ王者組はしゃべらない。トニー・カーン代表が再び出てきて「また戻ってくる」と宣言。もともとトランプも財を成したアトランティックシティは、明らかなWWEのサーキット基盤なのに”陥落”したことが現地事情を知る本誌には衝撃的なフィナーレである。最後はアダム・コールが出てきて”ベイ・ベイ”合唱で締めた。次週はテネシー州だが、2週間後、いよいよWWE本社のあるコネティカット州に乗り込む。藤井聡太の五冠ニュースがあったが、ニューイングランド圏の各主要会場、いよいよAEWは五冠制覇に王手をかけた。


当日の前座AEW DARK収録試合


 さくらえみ&バニー&ナイラ・ローズ w/ビッキー・ゲレロに、ルビーSOHO率いるタイ・コンティ&アナ・ジェイのベビーフェイス組の女子6人タッグありました。

 里歩がケガで入院中なので日本人選手では一人になっているが、あの診療所で20人に満たない客を前に試合していたフレディ・マーキュリーのおばちゃんが、Dark収録順番ではトリで大会場の観衆を前に闘っている。もの凄いことなのである。


※月額999円ファイトクラブで読む(クレジットカード、銀行振込対応)
▼Cody離脱AEW次PPV仕込みTロサMマルチネスSゲバラDアレン

[ファイトクラブ]Cody離脱AEW次PPV仕込みTロサMマルチネスSゲバラDアレン

※500円電子書籍e-bookで読む(カード決済ダウンロード即刻、銀行振込対応)
’22年02月24日号新日仙台大阪値上 桜井マッハ速人 Cody退団 RISE新宿OFG 前田日明